クレール王国からの使者と厄介な5つの大国
俺が早く子供が欲しい新妻達と順番で営み・・
仙嶽達はアリエス達と決闘を始めた頃・・
転送の鏡を一つ見つけた神族達はもう一つを探し始めた、
というのも・・転送の鏡は2つ無いと意味が無い石だからだ。
現時点この異世界に繋がる他の異世界は3つある。
まずアレス達デーモンの異世界、次にユイやホノカ達の異世界、
そしてまだ俺は行ったことのない人間の異世界だ。
この3つの異世界に・・
それぞれ転送の鏡があるそうだ。
人間の異世界に関してはアズミ達ギルドが動く、具体的には・・
ギルドの受付に来る冒険者や王族の使者などに言葉を変えて依頼する、
例えば石像や橋に使いたいから巨大な石を探してほしいと依頼する。
あまり大事になると怪しまれるので発見報酬は50万ギル程度にしてある、
この額は俺達の世界で例えるとはぐれた子象を捕獲する位の額らしい、
片手間だと儲かる額らしく冒険者達は合間見て洞窟等各地を探している。
それと王城に関しては別途依頼をしている、もし見つかった場合、
ギルドが取りに行くから警護と護衛を頼むと言って快諾してもらった、
王城にしてみればギルドとの取引は莫大な額なので無視できないからだ。
ちなみに北東の大陸の北にある門と繋がっている人間の異世界なのだが・・
複数の王城があるらしくアズミ達が取引しているのがクレール王国らしい、
この名前は異世界恒例の訳わからない名前が理解できないアズミが名付けた。
クレールとはフランス語で「明るい、澄んだ」と言う意味なのだが・・
あちらさんはこの言葉を聞いて感激して即王国の名前を変えたそうだ、以降・・
民衆もこの名前を気に入ったようで各地にも名前の変更を告げたそうだ。
・・・
まあ俺も天使族達の領地の名前を変えているから・・
強く言える立場ではない。
それはさておき・・
そのクレール王国は日本で例えると沖縄本島のような島国らしい、
そのため他の王国とは距離があり船で貿易をしているそうだ、ちなみに・・
フェニックスの島から行く場合は別の大陸の王国に繋がっているそうだ。
さらに漆黒の大陸にある門からは・・これまた別の王国に繋がっている、
だがこの門と北東の大陸の門は馬車1台しか通れない小さな門なので・・
唯一フェニックスの島に関しては大和クラスでも十分通れる大きさだ。
だが・・
これらがクレール王国からどれだけ離れているかはわからない。
というのも・・
先般クレール王国の使者がアズミ達に挨拶に来た時アズミが尋ねた、
だが使者は自分達の門は当然知ってるが他の2つは分からないそうだ、
逆に他の国もクレール王国の裏世界の門は極秘扱いとしている。
その時の会話は以下の通り!
「どうして極秘にしてるの?」
「単純にあなた達と取引すると儲かるからです、なので門外不出です」
さらにリオが使者に尋ねる。
「取引先が増えたら・・さらに儲かるのではないか?」
「それは魅力的なのですが・・反面攻められたら占領されてしまいます、
それと我が国は他と離れた島国なので他との貿易は僅かしかありません、
そのため・・他の眼が薄い今の状態の方が何かと安全なのです」
なるほどな・・
クレール王国にしてみたら・・
今の状態の方が安心で儲かると言う訳か・・
ここでアズミが使者に尋ねる。
「私達との取引の方が安心と言うことは・・他は戦闘・・いえ戦争を?」
「聞いた話によると最近大陸では頻繁に戦争が起きているそうです、
大国は各地の小国を攻め次々と滅ぼし民衆は虐殺されてると聞きました、
そのため我が国は貧困を装い大国の攻める理由を無くしているのです」
「つまり・・豊かさを前面に出すと攻められるから?」
「そういうことです、時々来る貿易船にはあえて貧困の状況を装っています、
遠くにある攻める価値がない貧困の島・・と装い皆芝居をしているのです、
貿易船の乗組員は我らの姿を見てそのように本国に報告しているのです」
「その話からすると・・大陸の大国は相当厄介な存在なのか?」
「仰せの通りです、一旦目をつけられると徹底的に攻撃すると聞いています、
それは一国だけではありません、聞いた話ですが5つの大国があるそうです、
それそれが周りを攻め次々と支配下に置いて非道を尽していると聞きました」
それは厄介だな・・
「でもあなた達は冒険者も多数いるんでしょ?それらが密告しないの?」
「彼ら彼女達も馬鹿ではありません、自分の職場を売るような真似はしません、
それに・・仮に密告しても報酬どころか用済みになったら殺されるだけです、
実際大陸ではそのような扱いをされ多数の冒険者が消されています」
「でも・・私達の取引を始めた時はそんなこと言わなかったじゃない!」
「この情報はその後夢に出てきた話です、我が王はそれを見て備えていました、
そのため大国から来る貿易船の港だけはあえて貧困を装い備えていたのです、
王は昔から信用のおける冒険者達だけを城下町に招いていたのです」
王が備えていた?
「なるほどね・・その王は予知能力者なの?」
「普段はなんともないのですが・・時々現実帯びた夢を見るそうです、
ですが・・その夢は今まで外れたことはありません、なので・・
王はその夢を見た翌日即行動に移し災いから予防していたのです」
相当優秀な王のようだな・・
話は一旦ここで途切れる、使者が急ぎ商談を希望したので切り替えた、
今の話からして残り2つの門は戦争中の大国の領土海内の可能性もある、
アズミ達からこの話を聞いたアテナは・・悩んでいた。
というのも・・
まず転送の鏡の場所がわからない、だが自分達は他の異世界には行けない、
艦隊を派遣する方法も考えたが状況が分からないので無暗には出せない、
下手に刺激して混乱を招くと全面戦争になる可能性もあるからだ。
こちらとしては転送の鏡だけが欲しいだけであって・・
人間の裏世界に関わるつもりはない。
そこでアテナは考えた、思いついたのがタケシやサユミ達の忍びの集団、
彼ら彼女達に現地を調べさせ転送の鏡を見つけたら艦隊を派遣して持ち帰る、
フェニックスの島以外の門は小さいので転送の鏡が運べないためだ。
念の為複数の使者と各地域に詳しい冒険者を呼んで状況を細かく尋ねる、
可能な限り詳細な地図を作り忍びの集団に詳細を説明し指示を出すアテナ、
タケシとサユミ達は頷き急ぎ北東の大陸へと移動した。
それと・・
アテナはさらに漆黒の大陸に連絡、そちらからも調べるように指示を出す、
これを聞いたカラミティとリリスとリリト、てっきり断るかと思ったが・・
・・・
「わかった、俺が直々に調べに行ってくる!」
「カラミティ兄~ぃ!私達も行くわよ~~~!!」
「お供しま~~~~~す!」
・・・
どうやら3人は相当暇だったらしく急ぎ準備をして早速裏世界の門へ急ぐ、
一応目立たないように中級以下に力を落とし・・
・・・
彼らの収納魔法の中は武器や防具、食糧や漫画、なぜか様々な衣装まである、
どうやら現地についたら変装するらしく頭の中で色々描いているらしい、
皆の見送りを受けカラミティ達は偵察すべき人間の裏世界に足を運んだ。
ほぼ同じ頃・・
「では行ってきます!」
「忍!忍!」
・・・
早速忍者姿になって現地に向かうサユミ達・・アズミが呼び止めた、
あまりにも目立つからと庶民の服に着替えさせ・・改めて出発、
だがサユミ達の収納魔法には様々な忍者道具が満載していた。
そうして・・
ショウとアズミ達の見送りを受けて・・
・・・
タケシとサユミ達30人近い忍者部隊が・・・
人間の裏世界に向けて歩き出した。




