各種族の思惑と政略結婚の流れ
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ルーム国での聖堂にはウェディングドレス等結婚衣装が続々到着、
さらにウエディングケーキ、来賓用の席など着々と準備が進む、
俺が新たに作った指輪やもう一つの贈り物も用意されている。
もう一つの贈り物とは・・
俺達の世界で流行ったウェディングソングが流れる卓上型のオルゴール、
これに花嫁のウェディング姿のミニティアを乗せ引き出しに指輪を収納できる、
本来は天使族14天王だけに作成・・花嫁が増えたので追加を徹夜で作る。
それにしても・・
天聖族をはじめ各種族がなぜ俺に婚約を申し込んだのかが気になる。
悪夢で俺にクレームの嵐を訴えるリィブラはなんとなくわかるのだが・・
なぜそれほど親しくもないタウロとカプリコルニォまでいるんだ?
天聖族は皆の模範となる存在だろう?多妻結婚は筋違いだと思うのだが・・
さらにシュメールやディアーナは交流はあったが色恋事は一切感じなかった、
それにアレスの従妹やホノカ等は会議で会う程度、これも色恋事は感じない、
それにメイドさんや一般女性を見ると・・ほぼすべての種族の女性がいる。
・・・
これは・・・
「お察しの通りです、これは政略結婚の意味合いが濃いのですよ!」
俺の後ろには天聖族のタウロとカプリコルニォがいた。
「どういうことだ?詳しく説明してほしい」
「ええもちろん、そのために来たのですから・・」
タウロとカプリコルニォがこの結婚の経緯を詳しく話す。
要約すると・・
まず俺が破壊神と対峙して・・ほぼ無傷で倒したことが大きく影響している、
その様子を各種族が見ていた、そして俺を神に等しい存在と感じたようだ、
そこで思いついたのが自己の種族のさらなる進化だった。
自分もしくは同胞が俺と婚約し子を授かるとその子は神に近づくかもしれない、
それが実現すればさらなる力を得て強大な敵にも立ち向かうことができる、
さらに俺という神と婚姻関係を築けば自分達の地位もさらに高くなる。
例えるなら戦国大名や貴族、彼ら彼女らは地位を安泰もしくは発展を望んだ、
そのために自分の親族や子供達を各地に送り幅広い親族関係を築いてきた、
今回はその意味合いがさらに強い、神の粋が見えるかもしれないからだ。
・・・
「要するに・・俺は単なる種馬扱いということか?」
「大雑把に見ればそうなります、でもあなたと婚約する女性は全員本気です、
今説明している私達も同じです、あなたと婚約し子を授かりたいのです、
それは断言できます!私達を信じてください!!」
「それにしては・・あまりにも俺への扱いがひどくないか?」
「それは・・コウさんは単純に必要が無い時は放置しても問題ないからです!」
どういう理屈だよ・・
「コウさんは深く考えずに物事を割り切り追及しません、それがいいのです、
私達はあなたその割り切りがあるから妻が重なっても問題ないと見ています、
だから私達は同時に婚約することにしたのです」
そうして・・
「私達はあなたを奪い合う必要がないから執着心を押さえられるのです、
そうでないと・・これだけの女性が一斉に一人の男性を求めません!」
「そういう見解で俺を見ているのか?」
「それはあります、現にエリーナさん達に偏ることなく平等に接しています、
今までを見ていても、どの種族の女性ともほぼ平等に接していますから・・」
・・・
まあ大体の流れは把握できた、婚約は各種族が本気で望んでいること、
それと自分の立場の向上と先で来るであろう新たな敵にも備える、
利害が一致してることもあり一斉に婚約を求めてきたわけか・・
・・・
肝心の俺の心境が棚上げされてる感はあるが・・
「それは二の二の次ですよ!」
俺の気持ちを瞬時に察知したカプリコルニォがツッコミを入れる!
・・・
だがもう一つ気になる、それは天聖族の婚約をなぜ神族が認めたのか?
自分達に一番近い存在、それを異世界から来た普通の人間に娶らせること、
それも3人も・・普通に考えると大幅な戦力・威厳ダウンなのだが・・
「その辺は心配いりませんよ!むしろ神族が推奨していますから!」
はい?
「コウさんに私達を娶らせれば当然私達はあなたの正式な妻になる訳です、
その後は夫の戦力も使うことが出来ますしライアンさん達の技術も得られます、
各艦始め食べ物等が選び使い放題、今迄とは比較にならない全体アップです」
・・・
「先般リィブラが暴走した後聖域で緊急会議を開きました、その時・・
神族7人も集まり会議に参加、コウさんに関心がある者を尋ねてきました、
その時はリィブラだけが喚いていましたが・・」
「どうなったんだ?」
「私達2人も恋心を抱いていることを神族は見破りました、そして・・
この際だから私達も婚約に加われと言われ・・私達は快諾しました、
あとは各種族の皆様と同じです、デメリットは全くありませんから・・」
「デメリットはあるだろう?」
「どういう事ですか?」
「前の夢の時マッチョの俺がリィブラを襲っただろう?あんな感じで・・
今度は俺が君達の身体を求めるんだぞ?それには嫌悪感はないのか?」
「ウフフフフフ・・」
思いっ切りの笑顔でタウロが俺の質問に答える。
「コウさんってほんと単純ですね、この位私達も承知していますよ、
大体夫婦になるのにお互いを求める行為は当然ではありませんか?
むしろ私達は待っているのですよ?あなたが私達を求めることを・・」
・・・
俺は・・これ以上話しても説き伏せられるだけだと悟った。
「お疑いは晴れましたか?」
「ああわかった、式の準備を急いでほしい」
「わかりました!!」
タウロとカプリコルニォは転移魔法で皆の元に帰り俺との経緯を説明、
これを聞いた各種族の女性陣は俺が本気で結婚すると理解した、そして・・
急ぎ式の準備、聖堂の近くのホテルは満室となり身内も集まっていた。
翌日・・
俺は正装に着替え聖堂に急ぐ、なぜかこの結婚式は各地に生中継された、
それを見守る各種族、俺が聖堂に到着し花嫁の到着を待つ。
ちなみに花嫁の順番は俺には分からない、尋ねたが内緒と言われた、
俺はそれもあり全員の指輪とミニチュア付きオルゴールを全員分準備、
式に出ないメイドさん達に預け本人が来たら用意してもらう。
この指輪とオルゴールは事前にエリーナ・エマ・ソニアには渡してある、
なぜかレイナやサユミ達も猛烈に欲しがったので別に用意して渡している、
その礼に・・特別に式に出ようかと提案されたが丁重にお断りした。
その姿を見て・・
秘かに焦りを感じる各種族の男性陣だった。
俺はふと聖堂の横を見ると・・
棚の上に七色の真珠が山盛りに用意されている、これを見た俺は怯む、
というのも・・この真珠を砕き飲むと精力が一気に回復するからだ、
それが100以上ある、どうやら式後には即営みの行動に入るようだ。
「お待たせしました!これより結婚式を開催いたします!」
進行役を買って出たアデールが開催を宣言する、そして俺が呼ばれる、
俺は聖堂の前に立ち花嫁を待つ、すると奥の扉が開き花嫁が出てきた、
どうやら1人づつ進行するようだ、そのトップが彼女のようだ。
俺は天使族のだれかだと想像していたが・・・
・・・
先陣を切って聖堂に向かって歩いてきたのは・・・
・・・
大嫌いと言われた天聖族のリィブラだった。