魔法の原核の種類
家の中に戻った俺は・・しばらく考え事をしていた、
火の魔法があるのなら他もあるはずだ。それを知りたい、
俺はクリスティーナに尋ねた。
「この世界にある魔法の種類を細かく教えてくれないか?」
俺がそう叫んだ時デーヴィドが目覚めて台所に入ってきた。
「おいコウ!ここは一体どこなんだ?」
当り前の言葉を聞き少し安心、どうやら心身に問題ないようだ。
「お目覚めですか?ここはルーム王国です」
なぜか照れながらクリスティーナが返事する。
「はぁ?」
夢でも見てるかのようにデーヴィドが目を丸くする。
「おいおい冗談だろ?俺たち別世界にでも来たのか?」
「そのようだな」
「コウお前まで何言ってるんだ?漫画じゃあるまいし?」
現実を認めようとしないデーヴィドだがここは紛れもなく異世界だ、
俺はこれまでの経緯を細かく話し外に出て魔法も実演して説得した、
彼は目を丸くして驚いてばかりだった。
「ゆ・夢じゃないようだな」
往生際の悪い奴だ。
「あの~先ほどの質問の件ですけど・・」
そうだった、魔法の種類を教えてもらおうとしてたんだ。
「この世界の魔法は主に火・水(氷)・木・土(鉄等も含む)・光・闇・
雷・風・治癒(回復)・結界です、それらの混合魔法や支配魔法等、
これ以外にまだ見つかってない魔法もたくさんあるそうです」
「火とか水とかはわかるけど・・混合魔法と支配魔法?」
「混合魔法は・・例えば氷と火を同時に出して相手を攻撃します、
氷と火の温度差から来る爆発力を相手にぶつけるのです」
「それと支配魔法とは・・その名の通り何かを支配する魔法です、
私たちが元いた世界で例えると独裁者と国民のようなものです」
「それはすごいな」
「なんとなくわかってきたが・・木ってなんだい?」
「木とは・・植物と意思疎通が出来るようになります」
「えっ??植物と話せるの?」
「話すというか・・考えが伝わるのです、テレパシーのようなものです」
「それって何の役に立つんだい?」
「果実のある場所がわかったり毒を持つ植物を避けたりできます」
「なんか地味だな」
「そんなことないわよ、使い方次第では強大な力になるわ」
「どうやって?」
「さっき混合魔法の事話したでしょ、これで木と支配魔法を絡めるの、
戦力を求めたら木々が兵士に変わって術者の手足となって働くわ」
「その兵士は強いのかい?」
「一体一体は大したことないわ、でも木って数は膨大でしょ?
そこらの木々が兵力になるんだからほぼ無限の兵たちよ、
さらに術者の経験や技術を継承させることも出来るのよ」
「それはすごいな」
「他にも使い道があると聞いていますが・・見たことはありません、
国の役人が言ってましたが術者が特定の人物を指定すると・・
その人物にゆかりがある関連も支配することが出来るそうです」
「それは国王も言ってたわ、だから何度も召喚を実行していたの、
だけど失敗続きで相当焦っていたのよ」
なんとなくわかるが・・
「俺達を呼んだ理由は大体分かった、だがなぜ焦るんだ?
急いで呼びたい理由はなんなんだ?」
「それは・・・」
その時玄関からノックが聞こえた、来客らしい。
ただその来客は・・
俺たちの今後の運命を左右する国からの使者だった。