転送の鏡の存在と会議場に現れた神族のアポロン
会議の日が近づき俺達は移動、今回の会議は東の大陸で行うそうだ、
各地の幹部は移動開始、西の大陸にいたレイナ達が急ぎ東の大陸に向かう、
エリーナ達は天聖族と一緒に先行して向かっていた。
俺は少し遅れて大和に乗る、輸送重巡の定期便と合流して東の大陸に向かう、
輸送重巡5隻の後方に大和がついていく形となり巡航していた。
2日後大和は東の大陸の港に到着、艦は港のドックに入り定期点検を受ける、
俺はいつものメンバーと共に列車に移動、会議はアグニの拠点で行うそうだ、
現地に着いた時既に各幹部は集結しており皆は自分の席に座っていた。
俺は・・コロ達と共に馴染みの仲間とは距離を置いて座っている、
これにリィブラ達12天聖は不満そうな顔をしていたが俺はスルーした、
なぜなら俺の横にはアシュラや光輝族等今迄戦っていた者達だらけ・・
ある意味アウェイ側に座っている俺を見て各種族は頭をひねっている、
ちなみにこの会議は生中継され各地で閲覧できる。
・・・
なぜ総司令官・・俺が自分達側の席に座らないのか?
これに関しての理由は単純!
俺は事前にアグニに話している、アグニは瞬時に察知して笑っていた、
アシュラ達が天聖族や天使族等に質問攻めの時には俺が中和に入るため、
まだ彼らはここにきて日も浅く立場上発言しにくいから俺がフォローする。
一応タウロとアリエノールにはこの事をメールで伝えている、なので・・
不満そうな顔を装い・・時々俺にウインクして理解していると合図している、
そのためタウロは・・不満そうなリィブラの隣に座り宥めている。
エリーナ達も俺の配慮を察知してそれぞれの席に座り俺に手を振っている、
俺も手を振り応える、その後俺はアシュラ達幹部を集めあることを話す、
これを聞いたアシュラ達は驚くが・・すぐに頷きそれぞれの席に戻る。
「これより会議を始めます!」
進行役のエリーナとレイナがマイクを持ち宣言、会議が始まる、
まずはブルーデーモンのアレスが発言!他のデーモンへの対応、
アレス個人としては早々に各デーモンとの交流を希望していた。
というのも・・
いつデーモン領地に未知の敵がくるかも・・実際俺達が戦っている、
実例があるだけにアレスは行動はしていたが・・他のデーモンは動かない、
そのため皆に意見を求めた、ただ戦闘以外での提案に限定している。
早速提案が出た、ブラックエンジェルの幹部は商談を持ちかけた、
使者にこちらの品、例えば食料品等の見本を持たせ取引を持ちかける、
深く関わるのではなく貿易レベルで留めて交流していく考えだ。
次に出たのが西の大陸に住むラミアの幹部、こちらは逆に好戦的、
一度艦隊を派遣して意図を聞き出すというもの、というのも・・
噂でしか知らないがレッドとブラックは対立していると聞いたからだ。
共倒れになる前にこちらの脅威を見せつけ停戦に持ちかけ交流する考え、
これは前にブルーアイズが提案した内容に似ている、なので・・
ブルーアイズは自分の発言を中止、ラミアの考えに任せることにした。
次に出たのがヤマダさんの発言、一応詳細だけ送り後は無視する考え、
希望があれば対話の場を設けるが・・それ以外は干渉しないと伝える、
本気で動く意思が無い相手は足手まとい、関わると逆に危険だと進言した。
大雑把に三択が出た、アレスもこれを聞いてどれにするのか悩んでいる、
そこでリンがアレスに助言、ヤマダさんの案が一番いいと訴えている、
各地を視察した彼女は・・この問題は一筋縄ではいかないと考えていた。
他に案が出なかったのでレイナが各種族にスマホでのアンケートを求めた、
どの案がいいのかスマホのアンケート機能を用いて皆の意見を聞くというもの、
ほとんどがヤマダさんの案に賛成、6割を超える支持が集まっていた。
これを聞いたアレスは考えを改める、そして部下にそのことを報告、
即座に部下は動いて使者を送り各地のデーモンにこの考えを伝える、
そうして・・他のデーモンに関しては声が無い限り無視することにした。
会議は次に進む!
次はアシュラ達の事、彼らの経緯が過激なため皆はまだ距離を置いている、
アシュラ達は地底人が造った駅や畑で真面目に働き賑わいをつくっていた、
だが上記の理由で他の種族が足遠いため疎外感が漂っていた。
先般破壊・・いやコロがアシュラ達にデーモン対応を進言したが中断する、
デーモンに関しては無視することにしたので俺達は他の案を急ぎ考えていた、
そこで俺が思いついたのは・・親善試合を急ぎ開催することだった。
俺は挙手・・それを遮るかのようにデーヴィドが進言する!
「俺は武道大会をフェニックスの大陸で行うことを提案する!
今後別に来るであろう脅威に対して皆が鍛えるのは大切だと思う!
それには腕に自信のある者が戦い見本を示すべきだと思う」
これには会議場から拍手が出た!笑顔で手を挙げて応えるデーヴィド、
俺は不機嫌となり・・コロが俺の肩を叩いて慰めてくれた、
この案には皆が賛成、後日会場と立候補者を募集することにした。
これに関しては事前にアシュラ達に伝えていたがデーヴィドに先を越された、
まあ大丈夫ですよと・・アシュラ達は俺を宥めてくれた、そうして・・
戻ったら自分達の住む異世界で開催できるよう準備をするそうだ。
会議は次の課題に進む!
次は光輝族と聖皇族の問題!戻りたいがこの異世界とも関わりを持ちたい、
だが距離が遠すぎるため一度戻ると俺達との交流は完全に途絶えてしまう、
そのため残りたいと言う者が多数、戻りたい者と半々に分かれ対立していた。
ここでアースドラゴンのシュメールが質問する。
「戻りたい方々にお尋ねします、戻りたい根本的理由はなんですか?」
これに対しては代表のカウノスとビュブリスが答えてくれた。
「身内の遺体を供養したい者が大半ですね、遺体が放置されていますから、
あとは共に住んでいた・・あなた方の感覚で言うとペットに会いたいのです、
苦楽を共にした大切なペットが前の世界に残っているので・・」
その気持ちはわかります・・
心情的な理由と言う事もあり皆は納得した、だがその先を尋ねる者がいた、
それはフォレストドラゴンのディアーナ、彼女は発した質問は・・
「仮に戻られた後・・生活再編は可能なのですか?」
「相当難しいと思います、私達の住処は焼かれほとんど消失しています、
それに加え主食のパンを育てる畑も破壊神たちに殲滅されていますから・・」
それで戻りたくない者も多数いるんだな・・
ここでコロ・・いや破壊神が言葉を発する!
「我は持っていないが・・この異世界と他を結べるアイテムならある」
この言葉を聞いて皆は驚く!
即座に光輝族と聖皇族のサナとサキがコロに尋ねる。
「そ・・それはどういうアイテムなのですか?」
「それは「転送の鏡」と呼ばれている、かなり巨大で鏡のような石だ、
例えるなら翔鶴という航空母艦位の大きさの石だ、それを2つ要する、
準備は大掛かりだが一度設定したら半永久的に各地を結べるようになる」
この言葉を聞いて反応したのか・・神族のアポロンが突然現れた。
「キャ~~~~~!!!!!」
アポロンの登場に天聖族が沸く、特に12天聖が憧れの眼差しで見つめる、
彼の容姿は・・例えるなら聖●士聖矢に出てくる獅子座のアイ●リアの感じ、
力強さの中にも優しさと豪傑さが交わる・・まさに男の中の男という感じだ。
急ぎ席を立ち傍によるリィブラ、アポロンの上着を預かり頬を赤くしていた。
・・・
何だよ!
俺には睨みつけて罵声浴びせるくせに!
想いを抱いている相手がいるんならそっちを優先しろよ!
俺の駄々を理解した破壊・・いやコロが俺を背中を叩き慰めてくれる、
その後コロは飽きたのか席で丸くなり眠りにつく、破壊神も一緒に寝た、
俺に気付いたアポロンが手を振る、俺もにこやかに手を振り応える。
そしてエスコルピォがマイクを用意してアポロンに手渡した、
アポロンはマイクを持ち発言する。
「突然の割り込み申し訳ない、転送の鏡の説明をさせてください」
これを聞いた俺達は・・
全員静かに頷いたが・・
アポロンは・・
なぜかつらそうな顔になり説明を始めた。