会議に向けての話し合いと破壊神の順列
リィブラに鍋焼きうどんを食べられた俺は改めてうどんを作っている、
すでにお肉等の具は無くなっているので俺だけかけうどんになっていた、
寂しい限りだが・・とろろがあったので付け足して美味しく食べている。
一息ついたあと・・
俺達はミカンを食べ・・リィブラがミカンをほぼ丸ごと持って帰っていた、
そのため1人・・というか一頭につきみかん1個となり細々と食べている、
こんなことばかりされていたら・・正直温厚な俺でも腹が立つ!!!
そのため聖域の12天聖に苦情を言おうかと考えたが・・
・・・
どう考えても彼女達に口論では絶対勝てないので諦めた。
それはさておき・・
俺は最後のみかんを食べながら会議の書類に目を通す、猫達も見ている、
次の会議で取り上げたい課題は3つ、これらの対策を考えてほしいとのこと、
その課題とは・・
● 敵になるかもしれない他のデーモン達への対策。
● アシュラ達破壊神の直属部下の信用問題。
● 光輝族と聖皇族の今後。
まずブルーデーモンのアレスが危惧している他のデーモン達、
現時点友好・同盟を結んでいるのはイエロー・ホワイト・ブルー、
そしてパープルデーモン、これらに関しては問題ないと皆は考えている。
問題は好戦的なレッド・ブラック・グリーンのデーモンをどうするか?
現時点彼ら彼女達は静観の構え、まあスパイはちらほらいるようだが・・
アレスの進言もあり刺激を与えぬよう重要地点以外での活動は放置している。
それもあるのか・・
現時点レッド達は俺達と交戦する気は無いようだ、他も同様らしい、
一応アレスが使者を送り俺達との経緯と今後の考えを提案したそうだ、
具体的にはお互い手を取りあい未知の敵に備えることを強調している。
だが現時点・・
「検討する」
で留まりそれ以降音沙汰がないと聞いている。
これは後で考えよう!
次にアシュラ達の問題、ホノカも秘かに心配してる彼らの扱いについて、
止む無いとはいえ各地で戦闘を仕掛けていた彼ら彼女達は信頼できるのか?
もしかしたら地底人に攻め込む懸念も払拭できないと皆は考えていた。
逆に・・・
アシュラ達もそこを心配していた、もちろん彼らは俺達を攻める気は無い、
だが今までの経緯が過激なだけに・・なにかしら手柄が欲しいと言っている、
そうすれば民衆はアシュラ達を真の仲間として受け入れるかもしれない・・
・・・
これも後で考えよう!
次に光輝族と聖皇族の今後、彼ら彼女達は元いた異世界に未練があるそうだ、
だが俺達の技術と発展を見ていたら・・ここに残りたいとも考えているらしい、
しかし両立は無理、距離が遠すぎるので何度も往復する移動手段がないからだ。
仮に戻る場合は神族のアポロンが対応してくれるが・・それは片道だけの話、
3万を超える光輝族と聖皇族を運ぶだけでも大仕事、疲労が半端ないからだ、
そのため一度の往復が精一杯、他の神族はこの異世界を守るため動けない。
と・・資料に書いてある。
これらの問題を次回の会議で取り上げ解決に向けて話し合いたいと書いてある、
尚小人族に関しては俺達の世界で暮らしたいと言うのでルーム国が受け入れた、
小人族が俺達の世界に馴染める案を思案してほしいとも記載してあった。
・・・
かなり難しい問題だが・・とりあえず皆で話し合う。
まずデーモンに関してだが・・
これに関しては・・ブルーアイズの一体がある提案をしてきた。
「書類を見る限り・・相手方は我らとの接触を避けてるようだな」
「そうだな、なにか案が浮かんだのか?」
「我らの艦隊を分割してそれぞれに直接訪問したらどうだろう?」
「それはまずいんじゃないか?相手を刺激するだけだぞ」
「それでいいと思う、この手で一番怖いのは突然の奇襲だからな、
だが我らの戦力を大袈裟に見せれば敵も考えを変えるかもしれない、
それで無視なら距離を置けばいい、単純だが一番効果があるだろう」
なるほどな・・
これに関しては・・ブルーアイズの提案も出すことにした。
次にアシュラ達、これは意外にもコロにとりついた破壊神が進言する。
「確かに我らは各地を攻めた、だが彼らは我ら破壊神の命に従っただけ、
我はしていないが・・他の破壊神は人質を取って脅すなど愚劣の極みだった、
そのため彼ら彼女達は・・本当に止む無く行動しただけだ!」
これに関しては俺が反論!
「なに言ってるんだ?お前も同じ破壊神だろう?」
「確かにそうだ、だが我は破壊神の中でも末端の存在なのだ、なので・・
本来は他の破壊神がこちらに来るはずだったが突然交代させられたんだ、
そのせいで我はこの姿に・・まあ生きてるだけマシかもしれんが・・」
「えっ?破壊神にも順列があるのか?」
「当然だ!破壊神にも上中下はある、我は下の部類なのだ!」
そんなに自慢そうに言わなくても・・
「ちなみにデーヴィドと言う男が倒したのが破壊神の中の存在、
お前・・いや貴殿コウが倒したのが別働隊の総司令官、元締めの存在、
本隊にいるのが元締め1体と中が少数、他は我と同じだ!」
いい情報持ってるじゃないか・・
「ということは・・俺が前に倒したレベルがもう一体いると?」
「そういうことだ、そいつと前に貴殿が倒したのが我らの元締めだ、
こいつらは破壊を楽しんでいるから各地を攻める、我らは言いなりだ、
今回ここを攻めると聞いた時我は猛反対したが一蹴されたんだ!」
「どうして反対したんだ?」
「簡単なことだ!苦戦している時に戦力を2つに分けるとどうなる?」
「それは・・単純に戦力は半分になってさらに苦戦する」
「そういうことだ、だから我は一旦撤退して出直すことを進言した、
だが・・それを嫌がった元締めは戦力を分けこっちの異世界を攻めさせた、
その結果がこれだ!部下達も振り回されてばかりの毎日だったのだ!」
相当怒っているな・・
「なら尋ねたいことがある?」
「なんだ?」
「仮にお前が元締めだとすると・・俺達の異世界を攻撃する気だったのか?」
「それはないだろう・・我は過剰な戦闘は好まない!」
「どうしてだ?」
「簡単なことだ、空腹でもないのに攻めて何になる?お前達もそうだろう?
過剰に戦力を欲しがるから・・それを養うのに各地を攻める必要がある、
繰り返し彼ら彼女達を攫い操って各地を攻める、それは我には無駄なのだ」
「なぜ?」
「戦力が増えすぎると消耗も激しくなり新たに開拓する必要がある、
だから各地を攻め調子に乗り次々と攫い操るからその数は膨大となった、
それを繰り返すから止まらなくなる、子供でもわかる無駄の連鎖だ」
破壊神とは思えないほど冷静だな・・
「我ら破壊神は単独でも十分強い、大概の所は攻め落とせる力はある、
だが絶対ではない、我らが貴殿たちに敗北してようにな・・」
「ということは・・」
「そうだ!我ら以上の強さを持つ神は他にもいる、この異世界にようにな、
そのため我は過剰に戦力を求めず足場を固めれば安泰と考え皆に進言した、
だが他の破壊神は反対した、そんな退屈は嫌だとな・・」
「それでアシュラ達を攫い集め操り各地を攻めたと?」
「そういうことだ、戦力が多ければ多いほど攻めやすいからな」
どうやら本当にアシュラ達は捨て駒扱いだったようだ。
「なら・・今後はどうしたらいい?」
「我が貴殿・・言い方はコウでいいか?」
「いいぞ、堅苦しいのは俺も苦手だ!」
「わかった!コウよアシュラ達にそのデーモンを対応させろ!」
「えっ?どういうことだ?」
「手柄が欲しいんだろう?デーモンの領地にアシュラ達を向かわせる、
当然戦闘は最後の手段だ!可能な限り戦闘は避け交渉させればいい、
他の大陸のようにお互い利になるように仕向ければいいだけの話だ」
「それは妙案だが・・」
「試しに会議で提案すればいいだけの話だ、皆が嫌なら却下するからな、
深く考える必要は無い、本当に必要なら本人たちが真っ先に動くだろう、
あとは静観すればいい、念のために後方で様子を見ればいいのではないか?」
「そ・・それもそうだな・・」
「それでいいと思うぞ?」
俺は・・この進言通り皆にこの案を提案することにした。
そしてこの破壊神は・・
もう一つの悩みを解決する案を・・
持っていた。