ルーム国での豪雪と憑依モンスターの自立行動
ハワイのような気候のルーム国、ここは自然の雪が降る事は無い、
だが時々この島は冷気に覆われ1m位の雪が積もることがある、
これが降った後は列車が停止したり戦闘機が離着陸不可になる。
その理由は・・・
俺の妻スノードラゴンのソニア達が体内の冷気を放出するから、
今回は孫のサユミ達、娘のセイアやその子セーラー等の子供達、
スノードラゴン一族が上空に集まり体内の冷気を一斉放出した。
それは・・
純粋なスノードラゴンのソニアは魔法で自分の冷気を強制制御している、
たがあまりにも体内に蓄積すると身体に悪いので時々放出する必要がある、
今回はなぜかサユミ達も冷気を放出したのでルーム国は豪雪に覆われた。
一気に豪雪地帯になったルーム国民には大迷惑・・
ではなかった!
国民達は・・
待ってましたとばかりに外に一斉に出てかまくらや雪像を造り遊ぶ、
さらに除雪車が出動、線路の雪をどかして列車の中で雪景色を楽しむ、
そして冬の楽しみ!おでんや鍋焼きうどん等あったかい食べ物を食べる。
他にも魔力ストーブを取り出したりコタツや羽織り物を着て寒さを楽しむ、
中にはストーブをフルパワーで部屋を暖めその中でアイスを食べている、
この行動は1週間ほど続く、雪が解けたら皆通常の生活に戻る。
・・・
俺の妻や孫の行動だから強くは言えなかった。
それはさておき・・
柴犬の破壊神・・面倒だからコロでいいや!
・・・
名前はいいんだが・・
・・・
なんでコロが俺の部屋にいるんだ?
あれだけ皆が柴犬に熱中していたのに?
・・・
涙を流しながらコロが経緯を説明しだした。
「わ・・我がこの犬にとりついてる事がわかると・・
皆は一斉に距離を置いた、飼い主の夏姫すら我を遠ざけたのだ、
行く当てのない我は・・ここに住むことにしたのだ!」
なんだよそれ・・
俺としては厄介払いの受け皿のような気分だが・・コロは激しく泣く、
まあ当然だろう、今までは最上級だったのが一気に最下級扱いだからな、
あまりにも悲しそうに泣いているので俺は条件付きで住むことを容認した。
「問題を起こさなければここに住んでもいい」
「問題とは?」
「例えば国民達を傷つけるなど暴力的な行為等だ!」
「そ・・それは絶対ない、我の方が圧倒的に弱い!!!」
そんなに自信たっぷりに言われても・・
「わかった!ここに住んでもいいぞ!!」
「あ・・ありがたい・・よ・・よろしく頼む!!」
俺とコロは固い握手、するとコロの腹から猛烈なお腹の虫が鳴る、
聞いた話だと冷凍保存のような状態だったらしく何年も食べていない、
ふさふさの毛だから気がつかなかったが身体はガリガリだった。
「鍋焼きうどんでもいいか?」
「えっ?食べ物をくれるのか?」
「当り前だろう!そんな状態を無視できるか!」
コロは感激の涙、なぜかブルーアイズや猫達も一緒に感激していた、
俺は急ぎ鍋焼きうどんを作る、ちなみにメイドさん達は皆実家に帰宅、
こういう時は家族であったまりたいと言いながら全員即座に帰った。
・・・
俺ってどういう存在なのだろう?
・・・
深く考えるのはやめることにした。
俺は大盛り鍋焼きうどんを11人分急いで作りコタツの上に並べる、
ブルーアイズ3体や猫4匹、ホーリーキマイラ猫2匹とコロの分も作る、
なんかサッカーチームのような感じとなりコタツの周りは賑やかになる。
ちなみに最近ブルーアイズ達は1mサイズで頻繁に動き俺達の食事も食べる、
単独で各艦の視察に行ったり学校で憑依モンスターの扱いなどを講習している、
さらにラジオのMCやCMに出たりと大忙しの日々を送っていた。
・・・
憑依モンスターが主を置き去りにしていいのかな?
「なんか最近御呼ばれが多く忙しくて・・」
おかしくないか?
だが・・これは俺だけの問題では無かった。
例えばエリーナの憑依モンスターのホーリーマジシャンはルア達の子守、
デーヴィドのツインヘッドライジングドラゴンはモンタナの点検や保守等、
クリスティーナのアイスマジシャンも単独で動きカオルの子守をしている。
レイナの疾風の騎士は事務の手伝い、カオスのトルネードドラゴンは気象観測、
天使族のリファイアは美容関連、天聖族のレッドアイズは聖域のパトロール、
他の憑依モンスターも単独行動が出来るようになり各地の手伝いをしている。
・・・
これに関しては・・俺達がアフロディーテの妙な空間で鍛えた後から、
憑依モンスターは徐々に単独に動けるようになり俺達の食事も食べている、
そのためか各地から依頼が相次ぎ様々な仕事をしている。
・・・
まるで普通の生命体のような感じだ。
・・・
俺達が神に絡んだのが影響したのかな?
不思議な気分ではあるが・・まあ労働力が増えるのは問題ない、
種族が増え食い扶持も増えたが食糧の生産性はむしろ向上している、
耕作放棄地にも俺達の野菜や果物を植えることで収穫は増えている。
先般アシュラ達が俺達の異世界で暮らしたいと言っていたが・・
今の俺達なら6万を余裕で超える新たな種族たちの胃袋を十分満たせる、
さらにスマホなど最新技術も提供できるだけの資源も問題ない、
あとは指揮や指導・・憑依モンスターがその一端を担ってくれている。
・・・
どんどん豊かになっていくな・・
・・・
まあ出来ることは・・出来るものたちに任せよう!
まず俺は鍋焼きうどんを皆に振る舞う、皆は喜んで鍋焼きうどんを食べる、
ブルーアイズは器用に箸を使いそのまま食べる、猫達には専用道具を用意、
猫の手を刺し込んで自在に箸を操るマジックハンドを使いうどんを食べる。
猫舌は大丈夫なの・・普通に食べていたのでスルーした。
コロにも俺が即席で作ったマジックハンドを渡し鍋焼きうどんを食べて・・
猫や犬が器用に箸を使いフーフーとうどんを食べている姿はなぜか可愛い、
だがホーリーキマイラ猫は人間姿になれるのになぜか猫姿で食べている。
・・・
なにか拘りがあるのかな?
・・・
深く追求することはやめることにした。
最後に俺用の鍋焼きうどんが完成、内緒だが残りの肉を全部入れ特盛、
それを俺が座るコタツの上に置き・・飲み物を冷蔵庫から取り出す、
猫達が寒がるので部屋温度は高め、そのため乾燥してかなり喉が渇く。
俺はあまり酒は飲まないので今回はお茶と天然水とクリームソーダ、
それにバニラアイスと剥いたいしじミカンを混ぜてシェイクした、
これはブルーアイズ達も欲しがるので人数・・人頭分用意した。
ちなみにいしじミカンとは広島県呉市倉橋町発祥のミカンだそうだ、
浮皮の発生が少なく果糖の含有量が多いのが特徴らしく多数栽培している、
ヘイゾウお兄さまが広島にいたこともありこのミカンをよく食べていた。
コタツの上には温州みかん、グラスにはいしじミカンのシェイクがある、
俺は上機嫌でシェイクを皆に振る舞う、コロも感激し俺にハイタッチしている、
そして俺は自分の分を持って自分の席に座ろうと・・
・・・
・・・
なぜか俺の席に座り黙々と鍋焼きうどんを食べているリィブラがいた。
「ハフハフ・・美味しい・・ズズズズズ~~~!」
・・・
もしも~~し!!!
リィブラおねえさま~~~!
リィブラおねえさまは俺の言葉を無視して鍋焼きうどんを食べている、
他が止めようとするが・・リィブラお姉さまはそれらを鋭く睨んでいた、
それもありブルーアイズ達は恐怖を感じ動けなかった。
「デザート!早く!」
リィブラおねえさまは俺からシェイクを奪い取り美味しく食べている、
俺達はただボー然と見ていることしか出来なかった。
「ご馳走様でした!」
綺麗に完食したリィブラおねえさまは席を立つ、そして収納魔法を展開、
A4サイズの書類が50枚ほど出てきた。
「これ次の会議の書類よ!しっかり見ておいてね!」
リィブラおねえさまは俺に書類の山を押し付け即座に転移魔法で移動、
この書類は確かタウロに頼んでおいた筈なのだが・・
・・・
なんでリィブラが持ってきたんだろう?
・・・
俺は深く考えるのはやめにして・・
自分用の鍋焼きうどんを新たに作っていた。
いつもご愛読いただきありがとうございます。
個人事で恐縮ですが・・近々手術をすることになりました。
まあ一週間ほどで退院できるそうで・・・
そのこともあり更新が遅れるかもしれません、ご了承ください、
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