叱咤覚悟の機転と奇策で敵を倒すアトラス
ビィルゴたちは何とか勝利を収めたが・・その代償も大きかった。
「うぐ・・」
「ハアハア・・」
「ゼエゼエ・・」
一見圧勝したかに見えたが・・だが彼女達も戦闘不能状態、
もう空を飛ぶことも出来ず地面に降り膝をつく状態だ、
憑依モンスターも着地、どちらも歩く事すらままならない。
というのも・・
今迄にもタナトス級が攻めてきたことはある、あの時は・・
天聖族最強の12人が総がかりで一人のタナトス級を倒していた、
だが・・今は1人でタナトス級を倒せるまでになっている。
単純に見ると・・
ものすごくパワーアップをしているが・・
その反面身体への負担は半端ない、鍛えてるとはいえ限度がある、
それを一気に神級クラスに押し上げているのだから極度の負担だ、
まだ身体が慣れていないこともあり・・3人はその場で座り込んだ。
「か・・カンセェ動ける?」
「ご・・ごめん!今は空も飛べないよ・・」
「このままでは・・敵が来たらまずいわね」
「び・・ビィルゴ私達を抱えて飛んでよ・・」
「ば・・馬鹿言わないで・・私が抱えてほしい位よ・・」
「じ・・じゃあピィシィズ私達を抱えて・・」
「そ・・そうね・・それが一番いいわ!」
「なに言ってるのよ!!!!私もヘトヘトなのよ!!!」
「い・・一番元気があるじゃない・・多数決よ!お願い・・」
「で・・出来る訳ないでしょ!私ももう・・」
ピィシィズはその場に倒れ込む、さっきのツッコミでさらに疲弊が増した、
別の意味で疲れ果てたピィシィズ、スマホをデュナミスに渡し救助要請、
彼女達の憑依モンスターの中でデュナミスだけが人型でスマホが使える。
デュナミスはスマホを借り・・急ぎ救助要請を近くの艦に送る!
「こちら第8艦隊です!ピィシィズさんどうされましたか?」
デュナミスは憑依主達を見る、全員ヘトヘトでその場から動けない、
それと・・敵の気配をなんとなく感じる、これは緊急を要する、
だが第8艦隊とは相当距離もあるので特に急いでもらう必要がある。
それには・・
極度に切羽詰まった事情を伝えればいいとデュナミスは考えた、
俺達・・ライアンやジェニー達は下ネタ好きなのをふと思い出す、
そしてある案が浮かぶ、あとで確実に怒られそうな内容だが・・
・・・
他に思いつかなかったので苦し紛れで使うことにした。
ここで・・デュナミスはピィシィズの声色を使い・・
「こ・・こちらピィシィズ、敵に操られたカンセェとビィルゴが狂乱して・・
怪しい棒を持って・・笑いながら私を押し倒そうとするの・・わ・・私、
私襲われてるの!すぐに助けに来て!このままだと処女喪失の危機なの・・」
「そんなわけないでしょう~~が!!!」
3人は猛烈な赤面となりデュナミスにむかって猛烈なツッコミ・・
それで体力を使い果たして・・完全に身動きが取れなくなった、
だが天聖族が処女喪失の危機・・皆が燃えるには十分すぎる内容だった。
「わかりました!すぐに助けに行きます~~!!!!!」
第8艦隊の乗務員たちは超興奮状態、即座にヘリと戦闘機を発進させる、
普段は3分はかかるのに・・ピィシィズの処女喪失の危機と聞き超迅速、
約1分で離陸し迎えに行く、ちなみに燃えていたのはジェニー達だった。
これが幸いしたのか・・
本隊とはぐれ彷徨っていた敵のヘル級がすぐ近くまで飛んできていた、
一瞬早くヘリと戦闘機が駆けつけヘル級を威嚇、ヘル級は降伏したが・・、
もし1分でも遅れていたら・・カンセェ達はマジでものすごく危なかった。
ある意味・・
デュナミスの機転でカンセェ達は救われたのに・・
「なんであんな事言ったのよ~~!!もう馬鹿バカばか~~!!!」
数時間後回復した彼女達にボコボコにされるデュナミスだった。
それはさておき・・
この戦いで東地域の脅威は去った、苦しんだがエリーナ達の完全勝利、
本隊とはぐれ各地を襲っていた魔物達も各種族が迎撃し蹴散らせた、
家屋等が焼かれたがすぐに復旧、落ち着きを取り戻していた。
少し遡り・・
西地域でアリエスがタナトス級を倒す、敵は怒りアリエスに攻撃・・
すぐにアトラスとショウが庇い戦闘態勢、アリエスは少し離れた、
というのも・・口には出さないが彼女もヘトヘトで飛ぶのがやっと。
アリエスもカンセェ達と同様疲労困憊、全力を出さないとやられていた、
体力はほとんど残っていない、ここで襲われたらひとたまりもなかった。
他のメンバーもそれを感じ・・
アリエスを庇うように他のメンバーも敵をけん制、戦闘態勢に入る、
タナトス級2人にはアトラスとショウ、オルクス級にはリィヨン、
サギタァリオ、マイラ・アリーゼ・ミア・ベアトリス・ソフィアが対戦。
「ハァァァァァァァ~~~~!!!!」
先に動いたのはタナトス級、まずはアトラスに狙いを定め攻撃開始、
アトラスは聖剣「アトラス」を展開、彼専用の聖剣を振りかざす!
共に高速で剣を交わす、アトラスは離れ風魔法で攻撃する!
「 風斬撃!」
無数の・・三日月の形をした鋭利な風がタナトス級を囲み襲うが・・
「こんな子供騙し我には通用せんよ!」
タナトス級は風魔法をあっさり吹き飛ばす、魔法は通用しないようだ、
そこでアトラスは銃を展開!これは44マグナムのカスタム拳銃だ、
彼は漫画のドー●ルマン刑事を愛読しておりこの銃も彼のリクエストだ。
先程タケシが使った拳銃は護身用なので32口径と中型の拳銃だが・・
このカスタム拳銃はその倍以上の威力があり拡散弾も使用できる、
さすがにタナトス級を倒すまではいかないが・・威嚇には十分すぎた。
ドコーーーーーーーーーン!!!!!
マグナム弾はタナトス級を攻撃、タナトス級は驚き急ぎ剣で弾くが・・
余裕の顔が消え緊張した顔となる・・これは先般の俺達の総攻撃、
イージスミサイルの総攻撃で魔物達を蹴散らした光景を見たから。
あまりの強大な攻撃力を目の当たりにして・・
それ以降・・敵は銃などの武器を異常に恐れるようになった。
アトラスは効果があると見て銃を乱射、即座に弾を魔法で装填させる、
収納魔法の中に弾はたっぷりあるので躊躇せず銃を撃ちまくる、
タナトス級は全部剣で弾き飛ばすが・・焦りの表情がはっきり見えた。
タナトス級は・・
「な・・なめるなよ!たがかドラゴンのくせに!」
タナトス級は魔法で反撃!炎や氷の魔法を乱射してアトラスを攻める、
アトラスは・・なぜかスカイドラゴンの本体を出しその身体に戻る、
そうして憑依モンスターのアイアン・イフリートを展開する。
この鋼鉄の巨人を抱え上空からイフリートをタナトス級に向けて・・
なんと投げ落とした!まるで鉄●28号のように落ちてくるイフリート、
その右手は・・タナトス級を殴る気満々だった。
当然ながら・・タナトス級は迎撃の構え、剣を構え切り落とすようだ、
一見無謀に見える攻撃だが・・タナトス級は鼻で笑う!
「ふふふ・・なめられたものだな・・」
ハァァァァァァァァァァ!!!!
内心怒っているタナトス級は自分から突進、剣を振りかざした!
そしてアイアンイフリートを斬る・・その一瞬前に・・
ピタ!!!!!!
なんとイフリートの背中に白い翼が生えて空中で一時停止をした、
タイミングがずらされたタナトス級はバランスを崩す、そこに・・
アイアン・イフリートは猛烈なパンチを繰り出しタナトス級を吹き飛ばす。
バシィィィィィ~~~ン!!!
タナトス級は吹き飛ばされ・・すぐに体制を整えアトラスを見る・・
・・・
既にアトラスは人間姿に戻り後ろに回り込んでいた、そして・・
「俺が最初かな?コウよこの技使わせてもらうぞ!」
アトラスは・・・
なんと俺が伝授した3つの必殺技を・・・まとめて放った!
「 龍閃疾風斬 」
「 天翔撃烈斬 」
そして・・
「 究極破壊斬 」
まるで3つの技が一体化したかのように放たれタナトス級を襲う、
龍閃疾風斬は何とか凌ぐが・・もう2つはまともに顔面で受ける!
ドゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ!!!!!!!!
ズグワァァァァァァァァァ~~~~~~~!!!
・・・
アトラスは・・
疾風のごとく技を放ちタナトス級を瞬殺!影形も残っていない、
猛烈な爆発音よりも速く敵を斬ったスカイドラゴンのアトラス・・・
・・・
驚くほどのレベルアップを果たしている、相当鍛えていたのだろう、
俺と出会ったころは特級に近い上級クラスだった彼だが・・
・・・
今は聖級・・いやそれ以上になっている。
「これで俺の役割は終わりかな?ショウ君あいつは頼むぞ!」
アトラスは静かに地上に降りる、口には出さないが彼もヘトヘトだ、
俺の託した技を高速で放った反動で・・極度に体力を消耗している、
それを察知したスノードラゴンのショウ。
「アトラスさんお疲れ様です!あとは任せてください!」
仲間を次々と失い・・
驚きを隠せないタナトス級・・
その前には・・
「あなたの相手は僕がします!」
自信に満ち溢れたショウがいた。