魔族との取引と人間の村
謹賀新年!
今年もご愛読いただきます様
よろしくお願いします。
魔族の村では大豆・小麦などの作物を主に育ててる、
これらを一緒に来た料理人木人形に使えるか見てもらう、
結果パンや醤油などに十分加工できると答えてくれた。
他にも狩りで手に入れた猪や鹿などの肉や毛皮が沢山あった、
こちらも木人形に見てもらい・・一目見て十分使えるとの返事、
他にも銅や鉄等が埋まってる鉱山が村の裏にあるらしい。
長老はこれらと俺たちが作る食品と交換できないか尋ねてきた、
それと・・俺たちが持つ武器も何点か欲しいと言ってきた。
「グリフォン対策なの?」
「そ・・そういう訳では・・あくまで自衛の為です」
ルミナの睨みつける質問に焦りながら答える長老たち。
・・・
何に使うんだろう?
「魔法が効かない魔物に対抗するためです!」
納得しました。
西の大陸には魔法を吸収する魔物が複種類いて魔族と人間の天敵、
狩りの最中に出会うことが多く出会ったら急ぎ逃げるしかないそうだ、
その際獲物は放棄するしかなく魔族は頭を悩ませていた。
話し合いの結果・・
魔族は小麦・大豆・猪などの肉や毛皮・鉄・銅等を提供する、
こちらは加工食品・拳銃・バズーカ・手榴弾・刀等を提供する、
当面はこれらを物々交換で取引することで折り合いがついた。
輸送はガルーダとグリフォンが任せろと言うので依頼、
対価は輸送物質の2割とし俺たちと魔族が折半で負担する、
重量物や多荷物の場合軍艦で輸送し食費等を魔族が負担する。
「この内容でいかがですか?」
「ありがたい、これでお願いします」
いい取引ができたと思う。
ちなみに手榴弾や拳銃等で魔法を吸収する魔物を倒せるのか?
狩りに同行して様々な武器を試してみた。
・・・
あっさりと魔物をやっつけた。
これには魔族が大喜びした。
「これからも宜しくお願いします」
「こちらこそ、今後ともよろしくお願いします」
魔族たちとはここで別れて人間の村に移動、7km程離れてる、
ここからはルミナも同行して人間の長と話をすることになった。
「よく来てくれました、ありがとうございます」
人間たちにももみじまんじゅう、ハンバーガーやドーナツ、
ういろうにどら焼き、笹かまぼこ等手軽に食べれる食品を皆に渡した、
こちらも好評であっという間に完食となった。
それにしても・・
俺たちも人間だから「人間の村」という言葉に抵抗を覚える、
何か別の言い方はないものかと・・ルミナに相談してみた。
「人間が住んでるんだから人間の村でいいと思うけど?」
・・・
相談する相手を間違ったのかもしれない。
・・・
深く考えずに当面はこの呼び名で過ごそうと思う。
「早速ですが・・」
人間の長の家に招かれ様々な加工品や食材を俺たちに見せた。
服・靴・男女の下着・帽子・鞄・籠・鍬・斧・槍・剣・鎧・盾、
机・椅子・薬(精力剤など)漬物・干物・塩・米・麦等々・・
これらと俺たちが作った食品と交換してほしいらしい。
「それとですね・・」
こちらも俺たちが持つ武器と・・なぜか角砂糖を熱望された。
「あの甘い塊をぜひ譲って頂きたいのです」
そういえば・・この世界では甘いものは超貴重品だったな、
彼らは前に食堂で出した角砂糖入りの紅茶を涙流して飲んでいた、
その味が忘れられないのだろう、頭を下げ懇願してきた。
「お願いします!お願いします!お願いします!」
・・・
取引の品に角砂糖を入れることで話を進めることが出来た。
魔族の取引と同じような流れとなり取引に折り合いがついた、
ただ人間たちは・・それとは別に予想外の話を持ち出してきた。
「村の若い女性を何人かお預けしたいのですが・・」
外に目を向けると15人ほどの女性が縁側に集まっていた、
年齢は16~23歳位だそうで皆独身らしい。
「どういう事ですか?」
「先般あなた達の食事を頂きとても美味しかったのです、
あの味をこの村でも広めたく何人か習わせてほしいのです、
男手は畑や加工の仕事があるので彼女らに習わせたいと・・」
まわりくどい言い方をしているが本音は「口減らし」と見える、
彼女たちを見るとかなり痩せているから相当苦しいんだろう。
「ここだけじゃないわ、西の大地全般が食糧不足なのよ」
ルミナの声が俺の頭の中で響く。
「私たちグリフォンやガルーダも余裕はそれほどないの、
今の所魔族だけが自給自足できていて他もここと似てるわ、
あまりにもひどい所は私たちの分を与えて凌いでいるの」
ルミナ達は魔族を苛めていた訳ではなく余裕があると見て・・
魔族が苦しまない程度に食料を奪い他に与えていたのか・・
さてどうしよう・・
「彼女たちは私が預かります!」
クリスティーナが叫ぶ、彼女にも俺と同じ声が届いたようだ。
「どうするんだ?」
「彼女たちを私の部下として雇います」
この時外にいる木人形からの声が俺とクリスティーナの頭に響く。
「地質を調査したが土地が相当痩せていて当面凶作が続くだろう、
食糧不足を避けるには大規模な養殖や栽培設備を設ける必要がある」
「どうすればいい?」
「まずは人間や魔族の土地を提供してもらい我らが工場を造る、
それと陸路を新たに整備して港と各村を結んでほしい」
「陸路が要るのはどうしてだ?輸送なら空路の方が速いだろう?」
「途中にある複数の森の養分が必要なのだ、それらから少しづつ貰う、
根こそぎ取ると森が痛む、小回りの利く陸路の方が便利で効率がいい」
「わかった、皆にそう伝える」
俺はこのことを人間の長たちに伝える、人間の長はそれらに快諾、
魔族の長も急ぎ呼びそちらも快諾、どちらも当面は無料提供してくれる、
生産の目途がついたら作物は均等に分けあうことで話がまとまった。
俺たちは一旦ルーム島に戻り必要な機材を整えたらまた来ると伝える、
それまでの間に道路は造っておくとグリフォンたちが約束してくれた。
俺たちは大和に戻り急ぎ出港、15人の人間の女性たちも連れて帰る、
クリスティーナとジセル、ルミナも艦に乗り彼女たちをケアしてる、
彼女たちは初めて見る軍艦に驚き委縮していたが・・・
・・・
今では何事も無かったかのように食事を楽しんでいた。




