連日の猛特訓と新装備のアイアンフレイムゴーレム
俺が妙な空間でリィブラ達に苛められていた頃・・
「人聞きの悪いこと言わないでください!全部コウさんが悪いんです!」
・・・
押し問答になりそうなので・・俺が妥協した。
それはさておき・・
俺達が妙な空間で訓練を積んでいた頃・・各部隊は猛特訓の最中、
アフロディーテから1千万を超える敵が来ると聞いた各種族は気合い十分、
各艦隊は大群を駆逐する訓練を毎日欠かさず行っていた。
訓練はまず数を撃ち落とす事を重点に置く、そのため艦砲射撃を繰り返す、
その後轟雷がミサイルを発射、それをグリフォンやガルーダが魔法で爆破、
ミサイルの爆発と魔法の爆発を絡めて破壊力を増していた。
次に狙撃訓練、出来るだけ白兵戦は避けたいので遠距離から撃ち落とす、
さらに弾には特殊な加工、発射したら毒針が出て敵を突き刺す、その毒には・・
幻惑・混乱の作用がある、敵を同士討ちさせる為急所は避けて訓練していた。
次に白兵戦、単独では戦わずにチームを組んで連携訓練を繰り返す、
具体的には3~5人がチームを組み憑依モンスターを展開・攻撃する、
理論上は10人前後のチームとしてお互いの背中を守るようにした。
尚負傷者が出たら即時離脱、後方の航空母艦等に戻り治療を受ける、
人数が少なくなったら他のチームと合流し数を維持するようにした、
負傷者は速やかに治療を受け可能であれば再度出撃する。
全員には聖剣・聖刀・聖槍のどれかを装備、さらに機関銃などを持たせる、
他にも指輪やネックレスなどに加工した「魔封石」を最低5つ持たせる、
敵が死魔法や混乱魔法等特殊系で攻めてきた時の対策だ。
この石は相手が放った特殊魔法を吸い込み封印する効果がある、
温度が絡む通常魔法は封印できないが特殊系は確実に封じる石だ、
具体的には幻惑・混乱・誘惑・支配・召喚・死魔法等。
尚通常系は鎧や手甲・盾などに魔法処理を施し装備させる、
さらに氷の盾をパワーアップ、神級・聖級達が追加処理を施している、
ある程度の数なら神級の攻撃でも耐えられるようにしてある。
アフロディーテは各幹部を集め詳細を伝える、具体的には出没場所、
まず前と同じ南の大陸の奥、西の大陸の元サラマンダーの島付近、
東の大陸と北東の大陸の間にある海域、それと北の大陸の海域だ。
まず敵が現れたら艦隊が先制攻撃、各種魔法を封印したイージスミサイル、
次にレールガン攻撃の後に艦砲射撃、その後は機銃などでの迎撃となる、
さらに対空地雷、対空海雷等を各地に設置、敵が近づくとミサイルで迎撃する。
これらにはミサイルの他にある特殊弾を装填して大群の中に撃ち込む、
具体的には漆黒の大陸で採取した植物・・から採取した幻惑や混乱弾、
それを装填して敵の密集箇所に一斉攻撃、同士討ちを誘う。
これで敵の戦力の3分の2はほぼ殲滅できるそうだ。
ここで豆知識。
エ●ア88に出てくる対空地雷、これは地中に埋め込む地対空ミサイル、
2m位の発射筒の先にドリルが備わっていて自分で地中に埋まり埋設される、
敵が近づくとセンサーが反応してミサイルを発射、敵を撃ち落とす。
設置が容易で上空・地表からは見えないため不意討ちには最適な武器だ、
本来はエニウェアドラゴン等の危険で空飛ぶ敵に備える為に開発していた、
市街地に近づく前に撃ち落とす為湾岸などに埋め込む予定だった。
先般そのエニウェアと不可侵条約を結んだことにより埋設は中断された、
大量に余ったこの対空地雷は倉庫に眠っていたがこの度各地に埋設、
異世界ハンターたちが近づいたら即発射するようにセットされている。
それと・・・
対空地雷の応用として対空海雷も開発、敵が通りそうな湾岸に設置した、
これは・・例えるなら広島で盛んな牡蠣養殖のイカダを造り海に浮かべる、
このイカダに防水処理された対空地雷を4~8本程度固定・設置する。
これらを目立たないようにするため枯れ木も周りに浮かべカムフラージュ、
あとは対空地雷と同じ、敵が近づいたらセンサーが反応してミサイル発射、
沖に流されないようにロープ等で固定、後日回収して分解、資源化する。
尚どちらも自爆・発信機能がついている、役目が終わったら処分するが・・、
なぜかクラーケンが余ったら欲しいと言ってきた、理由は海底の岩等の爆破、
邪魔な岩を吹き飛ばすのに最適だそうだ。
・・・
誤爆して・・クラーケンが傷つかないか心配だ。
設置したらすぐ離れて自爆させる?
万一傷ついても賠償は求めないからタダでくれ?
・・・
余ったら・・ね。
豆知識はここまで!
問題はその後、1千万の3分の1・・約300万は各地に分散すると見る、
艦隊は市街地に入られると艦砲射撃は使えない、仲間も巻き添えになる、
そのため白兵戦になるので個々が連携して敵を駆逐する必要がある。
これを危惧したのが天使族のアヤカ、民衆のほとんどが初級レベル、
憑依モンスターのシルバー・ホワイトウルフでは敵には敵わない、
そこで考えたのが特殊なゴーレムを展開して民衆の護衛に配備した。
その名は・・「アイアンフレイムゴーレム」
秘かにこれを部下に命じ大量展開、ちなみに中の上レベルの強さ、
鋼鉄で出来ているので防御力はかなり高い、さらに炎の魔法を展開、
敵が近づくと動きだし民衆を守る鋼鉄の戦士となる。
ゴーレムと言うからには遅い・・アイアンフレイムゴーレムは違う、
まるでアスリートのような体格で動きも素早くバズーカなども扱える、
逃げ遅れた子供達を素早くシェルターに運べる俊敏なゴーレムだ。
一か月後・・
各種族は今思いつくアイデアをどんどん出してくる、それを幹部が分析、
どんなアイデアでもいいから思いついたら出してほしいと頼んだからだ、
これは予期せぬ問題が出た時に備えるためにジセル達が発案したものだ。
その中で・・ある子供が出したアイデアに注目が集まった。
「異世界ハンターとは仲良く出来ないの?」
これに注目したジセル達はすぐさまフレイとフレイアに尋ねる、
この質問に対してフレイとフレイアは・・
「私達のように破壊神から狙われたらあり得るかもね、でも難しいわ、
兄達は破壊神の言いなりだから聞く耳は持たないでしょう」
ジセル達はこの言葉を聞いて・・むしろ喜んでいた。
言い換えれば破壊神さえ倒せば兄達は仲間になるかもしれない・・
今は敵だが・・以前は自分達も争っていたから可能性はあると言う事、
話が通じるなら交渉の余地ありと判断し・・臨機応変に対応するそうだ。
その後も訓練は続く、だが各大陸との貿易と旅行等の娯楽はそのまま、
気分転換も必要だからと娯楽関係も重要視して制限は行っていない、
各種族は旅先で訓練に参加、娯楽の中でも訓練は怠らなかった。
2か月後・・・
俺達が戻ってきて各艦隊の幹部が集まり緊急会議、これはスマホでも見れる、
各種族は全員会議を注視、まずエリーナが訓練の結果を皆に報告する、
俺を含む全員が一時的にだが神族クラスまでレベルが上がっている。
訓練の内容が知りたいという質問が相次いだのでリィブラが説明する、
具体的には・・妙な空間に慣れた後アフロディーテが重力を上げてきた、
最大100倍の重力に耐える訓練を日々行っていた。
主な訓練内容は一対一や一対複数などの格闘戦、素手や剣等での模擬戦、
他にも座禅や腕立て伏せ等の地味系が多く基礎レベルを重点的に鍛えた、
他にも暇見ては空手や柔道、合気道など異世界の技を習得していた。
ちなみに俺の場合訓練には参加しないが同じ空間にいたので効果は同じ、
全員分の食事の支度が忙しすぎたので頻繁に動き回っていたからだ、
それと全員の憑依モンスターも展開し訓練して能力を上げていた。
予定より一か月ほど長かったが全員が一時的神族レベルまで向上、
さすがに宇宙空間には行けないがこの異世界ではほぼ無敵となる、
今後は艦隊を指揮、戦闘が始まったら幹部に艦を任せ別行動となる。
会議後俺達は元の世界に慣れる為しばらく休暇扱いとなる。
だが俺は・・
あの必殺技を早く習得したいので・・
戦艦大和単独で出港、沖合いに出て憑依モンスターを展開、空を飛ぶ。
「コウよ!準備は出来たぞ!」
「ああわかった!今から試すぞ!」
俺は聖刀「大和」を展開、刀を振りかざす。
すると・・
戦艦大和から複数の光の弾が飛んできた。