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無人空間での生活とコウの本来の役割




時は少し遡り・・・



俺達はなにも無い妙な空間・・アフロディーテが指を鳴らす、

すると丸太や様々な草、羊の魔物の生え変わった毛等が降ってくる、

それらは山のように集まり・・アフロディーテが何やら語る。



「みなさ~んお疲れ様~当分はこの場所に慣れてね」



ここからは俺とアフロディーテとの会話になる。



「慣れるだけでいいのか?」



「そうよ!ここは独特な世界だから慣れないと後がしんどいのよ、

まずは体操でも稽古でも寝るでもいいから過ごしてちょうだい、

私は明日来るから・・それからのことはそこで話すわ!」



「ちょっと待て!元の世界に一時的にでも戻りたいのだが・・」



「それはダメよ!ここで一か月過ごしてもらうわ」



「一か月?そんなに長いのか?」



「これでも短いほうよ、本当は1年時間が欲しかったけどね・・

時間が無いから一か月で済ますわよ!それじゃまたね~!」



アフロディーテは他人事のようにさっさと消えてしまった。



このなにも無い空間、まるでドラ●ンボールの精神と時の部屋のようだ、

後から聞いたが・・大きく異なるのは重力は2倍、時間は1日は三日分、

例えばここの世界が三日経過したら・・外では一日になるらしい。



精神と時の部屋は入口の部屋以外は何もない、だかここには丸太等の山、

おそらくこれを使って家でも建てろと言う事だろう、入口らしきものは無い、

生活空間がなにも無いので・・無人島ならぬ無人空間生活と言うのかな?



気温は大体15~20度位で少し肌寒い、周りは曇りのような雰囲気だ、

ここには昼も夜もない、感覚が狂うので腕時計等で確認する必要がある、

さらに一番困るのが水・・



・・・



これに関しては水の原核を持つクリスティーナが展開したので解決した、

さらに火の原核を持つエリーナが水を沸かせるので風呂なども入れそうだ、

ただ下水はどうしよう・・これは12天聖が深い穴を掘りそこに流すそうだ。



・・・



浄化槽を持って来ればよかったかな?



・・・



しょうがない・・下水はそのままこの穴に垂れ流しにしよう・・







するとアフロディーテがまた現れ・・なんかすごく焦っていた、

すぐさま浄化槽を7つ展開、それを地中に埋めてまた去って行った、

これから察するに・・垂れ流しは絶対やめろと言う事だろう。



「さあ訓練を始めるわよ!」



「そうね、時間が無いわ!」



「私達はあっちで訓練します!あとはコウさん達がお願いします!」



DIYを嫌がった女性陣はすぐさま遠くに離れ猛烈な訓練を始めた、

空気を察したカラミティやアトラス達も訓練と言いながら逃げていく、

残ったのは俺とデーヴィド、それとショウの3人だけとなった。



・・・



俺達は深く考えずに生活空間を造り始めた。



俺は光の原核を使い羊の魔物の毛を使い毛布や布団などを作る、

他にもい草を使い畳などを作る、デーヴィドとショウは丸太の組立て、

ログハウスを2棟組んでいく・・女性が多いので一つは大型にした。



風呂や配管に関しては・・



ショウが氷の刃物を展開して丸太をカット、檜風呂のような風呂を作る、

配管もショウが氷で作る、それをデーヴィドが浄化槽に配管工事をしている、

俺達は学生時代に・・親戚が経営していた配管工でアルバイトをしていた。



そのため給水・排水などの工事はある程度わかるので作業は順調に進む、

トイレも氷・・さすがに寒いので俺が丸太を加工して洋式トイレを造った。



他にも台所、シャワー付きの洗い場、人数分の個室・・大体5畳位、

皆が集まれる大型のリビング、掛け敷布団付きの畳ベット、給水塔、

他にもテーブルや長椅子など造り十分生活が出来る空間が出来上がった。



給水塔に関しては各棟に大型を3台設置、これは女性陣が髪を洗うから、

クリスティーナが給水塔に水を満タンにしてくれたので水に問題は無し、

下水も浄化槽を設置したので料理も風呂もトイレも問題無く使える。



一通り出来たのでスマホでエリーナに連絡、圏外だがトランシーバはOK、

エリーナ達は急ぎ帰ってくる、新たに出来たログハウスに歓喜の嵐、

だがすぐに収まって・・なぜか俺に詰め寄ってくる。




「コウさん~~~・・ご飯はまだですか?」




えっ?



食事は自己負担じゃないのか?



メイドさん達が君達に・・事前に用意してくれただろう?

それぞれの収納魔法に食べ物があるだろう?



俺は食事までは知らないぞ!



こう言ったら・・カンセェが俺の収納魔法を展開、すると・・




ドサドサドサ~~~~~!!!!!




大量の米や乾燥野菜、それと調味料や肉などが次々と降ってきた。




「コウさんお忘れですか?あなたが食事係なのですよ?」




えっ?



そんなことは聞いていないぞ!



俺達は生活空間まで用意したんだ!



さらに食事係まで?訓練出来ないじゃないか!」



そう俺が訴えたら・・



女性陣はため息、そしてリィブラが代表して語る。



「コウさんいいですか?あなたは私達のトップなのです!お分かりですか?

トップの仕事は最前線に出る事ではなく皆の戦いを見守るのが役割なのです、

だからここではあなたが食事係なのです!皆はそれで安心するのです!」




何だよそれ!



じゃあ何のために俺はここにいるんだ?



食事係ならメイドさんに任せればいいだろう?



俺がこう発言したら・・今度はアリエノール達が怒る!




「コウさんは・・本来の役割を忘れています!」




えっ?



本来の役割?



「そうですよ!あなたは私達のトップであり次世代の希望なのです、

あなたが仮に死んだら・・ライアンさん達が消えたらどうするんですか?

あなたは戦いに出てはいけないのです!裏方に徹っしてください!」



前にもそんなこと言われたな・・




「あなたは深く考えずに皆のサポートに徹してください、それと・・

私達に次世代をどんどん産ませるのです!それが皆の安心に繋がるのです!」




何だよそれ?



俺だって理性はある、婚姻していない女性と営むなんてことできるか!

大体君達が俺を無視しているんだろう?それはどうなんだ?



・・・



天使族は・・なぜか泣き出した。




「コウさんはひどすぎます~!みんなあなたを待っているんですよ~、

あなたが何もしないから・・私達は戦いで誤魔化しているんです~!

私達は妻になることを了承してるのに~・・ひどすぎます~~!」




えっ?そうなのか?




「そうですよ~~!あなたの世界でもここでも最終決定者は男性です~!、

実際エリーナさん達にはコウさん・・プロポーズしたじゃないですか~、

どうして私達には無いのですか?皆あなたの言葉を待っているんですよ~」



・・・



ウェェェェェェェェェェ~~~ン!!!!!




号泣する天使族を慰めながら別室に連れて行く天聖族達、

サユミ達も席を外し・・残ったのは俺とエリーナだけ、

俺は頭を抱え・・エリーナが静かに俺の肩に手を置く。




「あなたの優しさはわかるわ、でも時にはそれが仇となるのよ、

それとね・・あなたが大切にしているから彼女達も嬉しいのよ、

今すぐとは言わないわ、落ち着いたら受け入れてあげて・・」




エリーナはそう言い残して・・



部屋を出て天使族達を慰めていた。



・・・



俺は・・震えていた。



天使族達は・・全員好きだ、もちろんメイドさん達もだ、

俺からすると・・あれだけの美女達を妻に出来るのは凄く嬉しい、

女性を求める気持ちを満たすには過剰すぎる位魅力的なのは確かだ。



だが俺の心の中では罪悪感もある、それはライアン達の魂の繋がり、

それがあるから俺は上の立場に立っている、自分の実力ではない。



その立場を利用して・・



彼女達を女性として抱くことは筋が違うと・・



心の中で格闘していた。



・・・



俺は・・




別室に行き・・まず天使族達に詫びた。




「君達の気持ちを軽んじていたことを詫びる、すまなかった、

だが今は・・俺も考える時間が欲しい、返事は保留にしてほしい、

異世界ハンターの問題が片付いたら・・それまで待ってほしい」




これを聞いたレティシア達が・・なぜか偉そうになる。




「わかればいいのよ!さあ食事の支度をして!」



「そうですよ!私達お腹ペコペコなんだから~!」



「さあ早くご飯にして!私達子供を産むためにも栄養が欲しいのよ!」



・・・



俺の心の中では・・



こいつらと婚姻すると後々面倒になりそうだから・・



・・・



断ることも念頭に入れ・・



・・・



黙って食事の支度をする俺だった。



























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