各種族の商売根性とスマホに魅了されたエニウェア達
俺は漆黒の大陸に上陸、続くようにデーヴィド達も上陸した、
まずは・・俺はエニウェアの首領と・・握手を求められた、
別に断る理由は無いので力強く握手をした。
「ようこそ漆黒の大陸に!歓迎するぞ!」
「招待を感謝する!会えて光栄です!」
お互い挨拶を済ませた後一緒に移動、ここから3班に分かれての行動となる、
まず・・・
● 第1班は・・俺・デーヴィド・エリーナ・クリスティーナ・ユイ等。
この班はエニウェアの首領や幹部達との懇親会等に参加する、
ある意味外交官の役割で今後の打ち合わせや軍事連携などを話し合う、
仲介役としてカラミティも参加、しばらくの間首領の屋敷で話し合った。
● 第2班は・・サユミ・タケシ・リリス・リリトなど。
この班は漆黒の大陸の通信設備の設置・調整や点検等を担当する、
サユミ達は技術者ライアン達を護衛、リリスとリリトが道案内、
それと魔物達が技術者たちを襲わないように警護も兼ねている。
● 第3班は・・ルミナ・ジセル・アミー・サクラ・エマなど。
この班はエニウェア幹部達のお相手・・というか艦内の案内役、
他にもスマホなどの操作説明や料理・日本語や英語などの講習も行う、
俺達が日本語と英語を共通言語にしているので習いたいそうだ。
各班は急ぎ自分の役割をこなしていく、時間が一週間しかないからだ、
俺達は首領と会談、驚くことにエニウェアも通貨取引を希望してきた、
現物交換も引き続き行うが・・一部の品は現金で行いたいらしい。
例えば趣味の品・・具体的には下着や腕時計、化粧品等の嗜好品、
これらは好みが分かれる為共同購入ではなく単品・単独で買いたいらしい、
今後はスマホを使い融通が利く現金での取引も行いたいと言ってきた。
これに関しては了承、ただ両替が絡む・・電子取引で問題ないそうだ、
カラミティが事前に拡散テレパシーで詳細を説明、理性のある幹部は頷く、
漆黒の大陸にある魔宝石や貴金属等を売りチャージして対応するそうだ。
・・・
この異世界の各種族は賢すぎる・・
これだけ複雑な内容を一瞬で理解できるなんて・・
あっさり理解されるから俺の説明は不要・・
「俺達は操作を覚える事は見易いが・・造ることは出来ないんだ」
カラミティがこっそり耳打ちをして俺を慰めてくれた。
ここで豆知識!
この異世界では俺達の世界で重宝・・例えば金やレアメタル等の希少金属、
良質の鉄や銅、アルミの材料となるボーキサイト等が大量に埋まっている、
だが各種族はこれらの素材をほとんど手をつけず放置していた。
というのも・・
俺達のように人間が実効支配していない、各種族が入り乱れている状態だ、
のんびり研究にかける時間が無い、そんな悠長なことをしてたら滅ぼされる、
今を生き延びるために・・最小限の行いで生存することを最優先としてきた。
それと・・
各種族・・特にドラゴンは驚くほど食べる、どうしても質より量を優先する、
それを求めるために必要な臨機応変や気持ちの切り替え等が特に発達している、
俺達の道具や言語などを即座に理解し使えるのはこのためだ。
だが・・
俺達が召喚されある程度安泰となった今でも各種族は電子部品は造れない、
特に半導体やLED、リチウム電池などの精密関連はお手上げ状態、
複雑な工程を必要とする作業は教えてもなかなか身につかない。
この世界には魔法があるので大概の事は魔法で対応できるが・・
さすがの魔法でもミクロン単位の半導体などを造ることはできない、
電気を使って効果を発揮する製品等は元々この世界にはないからだ。
・・・
まあ・・無い物を造れるはずはないし・・その発想が出ないのは当然だ、
これもあり各種族は俺達が造るスマホなどを特に欲しがるのはそのため、
超便利で楽しい製品を知り使い出すと・・もう止められない。
ちなみにこの異世界にある魔法の媒体・・燃料と言うのかな?それは魔力、
これは電気と同じ使い方が出来たのでスマホの充電等にも応用している、
皆はある意味自己発電しているので発電所等の設備は最小限で済んでいる。
それと趣味に関しては・・例えばアニメのイラスト等は大得意、
自分が楽しいと思うことは何時間でも平気なのは俺達と同じようだ、
これはエニウェアも同じ、獰猛な性格だがこの辺は各種族と変わらない。
豆知識はここまで!
各班は大急ぎで自分の役割をこなしていく、通信関連はほぼ終わった、
首領の部屋や会議室などには大型モニターが設置され試験放送が映る、
前に設置した南の大陸の監視ラジコンからの画像も鮮明に映っている。
これを見た首領たちは驚く、千里眼でもこれだけの鮮明度は無いからだ、
他にもプロモーションビデオや・・なぜか通販番組まで多数流れてきた、
各種族はここぞとばかりに製品を宣伝してエニウェアに売ろうとしている。
・・・
エニウェアは憎むべき敵ではないのか?
異世界ハンターに比べたら可愛いもの・・?
先に売られる前に売らないと手遅れになる?
・・・
深く考えるのはやめることにした。
ちなみにエニウェア幹部達・・首領と正妻達かな?急ぎメモを取っている。
そんなに急がなくても・・
いつでも買えるんだから・・
「本日はエニウェアドラゴンとの条約記念日!特別に3割引き!3割引き!
さらに放送終了後30分以内にご注文頂きますと特別サービスを進呈!
なんと!!このバナナ型抱き枕をセットにしてお届けします!」
・・・
エニウェア達は急ぎカラミティのスマホを借り注文をしている。
・・・
首領・・カラミティ達のスマホを見る眼が怖い。
「カラミティ急ぎ注文しろ!時間が無いんだぞ!」
「わかっているよ!・・おっ・・注文出来たぞ!」
「こっちも早くして!急がないと売り切れるわ!」
「ええいもどかしいな!自分で注文するから俺にもスマホをくれ!」
「俺にも!急いでスマホをくれ!」
「私もよ!スマホを早く早く!!!!!」
急ぎライアン達が幹部専用のスマホを用意、大至急設定して皆に配る、
ちなみにチャージに関してはライアン達の貯金からの振り込みで対応した、
その対価として宝石などを現物支給!ライアン達はとても喜んでいた。
・・・
俺達は一旦距離を置いて・・席に座りお茶を飲んで見守ることにした。
エニウェア達は2時間ほど眼の色を変えて商品を注文しまくる、相当の数だ、
注文した品は即座に輸送重巡で中間の島まで運ばれエニウェア達を待つ、
連絡を受けた部下達が島まで移動、伝票にサインをして品を受け取る。
商品を受け取った部下達は急ぎ漆黒の大陸まで戻り幹部達に手渡しする、
なぜか首領がバナナ型抱き枕を幹部から没収!自分の寝室に持っていく、
30個ほどのバナナ型抱き枕に囲まれた首領は至福の笑みをしていた。
それと・・・
注文を受けた各種族は満面の笑み、在庫品が完売となったからだ、
サービスの抱き枕に関しては新製品が出る為抱き合わせで販売していた、
そのおかげで抱き枕は完売、新製品に専念できると喜んでいた。
・・・
これに関してはノーコメントとした。
翌日・・・
通信設備も整い講習や艦の説明等も済んだので俺達は帰ることにした、
エニウェアの学習能力は予想以上なので細かく説明する必要が無かった、
1を言えば3~5まで理解するので滞在は4日で十分だった。
エニウェア達は温かい眼で俺達を見送る、欲求が十分満たされたようだ、
大和・武蔵・信濃・紀伊・モンタナは錨を上げ漆黒の大陸を後にする、
ちなみに錨が4つに増えたことは説明していない。
エニウェアの部下達が中間の島まで護衛、到着すると部下は帰っていく、
漆黒の大陸を見ると・・結界が解除されいつもの姿に戻った、
俺達は部下達に手を振り別れの挨拶!部下は尻尾を振って応えていた。
翌日・・
第7艦隊はルーム国に帰港、戦闘は無かったが念の為点検を受ける、
俺達は解散し自分の部屋に戻る、この日は休みとして皆はすぐ眠った、
俺も部屋に戻り・・なぜかユイが俺のベットに飛び込んだので追い出した。
翌日・・・
聖域から電話が入る、リィブラが俺達に来てほしいという連絡だった、
主要メンバーはヘリに乗り聖域へ急ぐ、戦闘機が30機ほど護衛してくれた、
会議室に入った俺達、中には天聖族達とフレイとフレイアがいて・・語り出す。
「よく来たわね、これから重大な事を説明するわ!」
フレイから聞いた内容は・・・
彼女の兄たちのことだった。