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魔族の苦しい立場と新たな名付け



西の大陸に向かう俺たちを乗せた大和艦隊が速度を増す、

あと一時間程度で大陸に着くと木人形が報告に来てくれた。



「大陸が見えたわ!」



大はじゃぎするクリスティーナとジセル、すごく仲良しになってる、

ティーナは今まで俺デーヴィドにべったりだったのに距離が出来た、

本人は自覚してないようだが・・すこし寂しい。



西大陸に近づくとガルーダとグリフォンが多数集結して待っていた、

どうやら共同で港を造ってくれたようだ、大和は即席の港に入る、

続いて古鷹たちが入り全艦無事西大陸に着いた。



ここからは歩き・・・



ガルーダとグリフォンが俺たちを背中に乗せ大空を舞う、

10分ほど大空の旅を楽しんだ後魔族の村に到着した。




「よくぞ来て頂きました、住民一同歓迎いたします」




先般会った魔族の長が俺たちを出迎えてくれた。




「こちらはお土産です、どうぞ召し上がってください」




ティーナがお土産のもみじまんじゅう、ハンバーガーやドーナツ、

ういろうにどら焼き、笹かまぼこ等手軽に食べれる食材を皆に渡した、

魔族たちは喜んで食べ・・あっという間にお土産は完食となった。



俺たちは長老の家に招かれそこで話し合う。



俺たちはまずこちらから自己紹介して今までの経緯を細かく話す、

そして今後の考えを伝える、具体的にはルーム王国の復興と発展、

ドラゴン等には敵意があれば戦うがそれ以外は共存を望むと。



その説明を聞き長老たちは頷き理解してくれた。



次に長老たちは自分達魔族の詳細を説明してくれた。



魔族は人間に比べ魔法力は高いがグリフォンには遠く及ばない、

性格的には温和な方だが敵に対しては残酷な行動に出ることもある、

例えば畑を攻撃されたら魔法を乱発し相手を焼き恐怖させると・・



・・・





俺とティーナは思わず顔を向け、そして頷いた!



うん!



魔族はエリーナさんと性格が似ているんだな・・と!



・・・



気をつけよう。




「我ら魔族はあまり器用ではなく物つくりは人間に及びません、

人間が重い病気・ケガ等をしたとき魔法治療を使って治します、

その対価として人間から服や籠などを貰い共存しているのです。



「我らも一応作物は育てますが人間が作る物には遠く及びません、

魔法を使った狩りが得意なのでそれを駆使し人間等に販売しています、

あと人間が魔物に襲われた時は治療や退治に行くこともあります」



「グリフォンにも販売してるのですか?」



「あれらは・・大きな声では言えませんがほとんど持っていきます、

お情け程度はもらいますが全然足りません」




「人聞きの悪いことを言わないで!」




突然部屋に入ってきたのは・・上級グリフォンのようだ。

見た目はティーナと同年代位かな?髪の長い綺麗な女性だ。




「何よ私たちを悪人扱いして!ちゃんと対価は渡してるわ!」




「それはそうですが・・猪一頭に対して小魚一匹は釣り合わないかと・・」




俺は頭の中で天秤を思い浮かべそれに猪と魚を乗せる・・




うん!長老に同情します。




散々長老に愚痴をこぼす上級グリフォン、するとジセルが宥めた、

どうやら顔見知りらしい、落ち着いたのかこっちを向いて話す。



「申し遅れました、私はあなた達を案内するよう指示を受けた者です」



・・・



人間の名前は無いみたいだ。




「出来れば私にも人間の名前を考えて頂きたいのですが・・」




俺たちは即座に紙を出し思いつく名前を書き始めた、

今迄考えた名前を書いた紙はその都度取られるので手元にない、

そのせいか書くスピードも上達したような気もする。




上級グリフォン(女性)命名!




「ルミナ・フローレス・ヴェネッサ」




恒例のごとく言葉の意味を伝えた。



ルミナはイタリア語で「光」と伝え、フローレスとは英語で「花」、

ヴェネッサはラテン語で「蝶」と説明した。



グリフォン達の光のような存在でその姿は花のように可愛い、

そこから飛び立つ蝶のように優雅な存在と無理やり言葉を繋げた。



この名前を伝えた上級グリフォンは・・あれ?



・・・


・・・


・・・



気に入らないのか?



上級グリフォンは紙を握りしめ身体を震わせている、

なぜか知らないが長老たちが急ぎ耳を塞いでいる。




「あなた達も急いで耳を抑えなされ!」




「やったわ~~~~~~~~!」




上級グリフォンは走り外に出て身体を光らせ本体に戻る、

すると上空に飛び立ち歓喜の雄叫びを挙げる!」




「私の名前が出来たわよ~!これからはルミナと呼んで~~!」




あはははははははははははははは!




歓喜の雄叫びを挙げながらグリフォンは村を旋回する、

その声はとてもうるさく耳を塞いでも声が頭に響く、

例えるなら至近距離で電車が高速通過する音と同じ位だ。




「何かあるとこうやって村の上で騒ぐんです」




・・・




俺たちは魔族の苦しい立場を深く理解出来た。












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