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エニウェアからの要求と漆黒の大陸への上陸




少し遡り・・



俺とカラミティ、アデールとユイとの4者会談?が戦艦扶桑であった、

まず第7艦隊が漆黒の大陸に行く前に首領からの要望を俺達は聞いた、

カラミティから聞いたその内容とは・・大雑把に3つ。



① 俺達の通信設備・酒類・調味料等を引き続き提供してほしい。



② 自分達とは同盟ではなく不可侵条約を結びたい。



③ 緊急を除き南の大陸および漆黒の大陸には来ないでほしい。




なんだこりゃ?



あまりにも自己勝手・・カラミティが詳細を説明してくれた。



まず①に関してだが・・これはそのまんま、今まで通りの取引を望んでいる、

具体的にはルーム国と漆黒の大陸のほぼ中間にある島を経由し物々交換を行う、

こちらは上記の他に嗜好品など、あちらは肉や鉄や薬草などの資源を提供する。




次に②だが・・俺達とは戦いを避けたいが同盟はできない、その理由は・・

エニウェアはヒドラやシーバジリスク等理性のない魔物も多数従えている、

お互いの領地を行き来する同盟関係は出来ないとのこと・・




③だが・・漆黒及び南の大陸に上陸すると危険な魔物が無差別に攻撃してくる、

エニウェアが監視していても暴走する魔物もいるので危険すぎるとのこと、

そのため緊急時以外に入られたら監視が行き届かず安全は保障できないそうだ。




なるほどな・・




そういう事情なら・・




あれ?




これから俺達漆黒の大陸に行くんだけど・・




「それは心配ない、今回に関しては幹部全員で広範囲結界を展開している、

これが展開されると危険な魔物達は絶対に入れない、ただ一週間しかもたない、

その間に首領との会談と通信設備の設置をお願いしたい」




一週間か・・ギリギリだな。




今回漆黒の大陸に向かうのは第7艦隊の5隻だけ、他は近づかない、

その理由は先ほどと同じ、理性のない魔物達が襲ってくるからだ、

俺達の力なら容易く蹴散らせる・・それはやめてほしいと言われた。




というのも・・




異世界ハンターたちが攻めてきた時・・これらの魔物も当然戦力となる、

そのため俺達が魔物を蹴散らすと・・ある意味同士討ちとなるので困る、

今後に備えて理性のない魔物達も戦いに備えておく必要もあるからだ。



そのため第2艦隊もこの後撤退、魔物を刺激するのを避けるためだ、

ただ経由地となる中間の島には翌日第3艦隊が出向き中継器などを備える、

ここから人工衛星からの電波を送受信して各地と通信・通話が可能となる。




ここでユイがカラミティに質問!




「そんなに魔物を刺激したくないのなら首領がこっちに来ればいいじゃない、

そうすれば魔物に刺激は与えないわ、その方が手っ取り早いでしょ?」



カラミティの返事は・・




「残念ながらそれはできない」



「なんでよ?」



「親父・・いや首領が漆黒の大陸を出ると無数の魔物達が追ってくる、

親父が放つ強大な漆黒エネルギーが魔物達の神経を刺激して従わせている、

例えるなら兵隊蟻が女王蟻を守るような感じだ、来たら困るだろう?」



ユイは青ざめて・・



「そ・・そうね、それは困るわね」




「君達に漆黒の大陸に来てもらいたい理由はここにある、首領は動けない、

それと幹部達も君達の兵器を見たいという要望があるので来てほしいんだ」




「わかった、準備を始める」



「頼む」



こうして俺達は漆黒の大陸に向かう準備を始めた、具体的には・・

第7艦隊の5隻には海底用の光ケーブルを乗せ中間点の島に向かう、

そこから光ケーブルを海底に降ろしながら漆黒の大陸に向け巡航する。



光ケーブルは本来フェニックスの島から裏世界のイエローデーモン領地、

この間の通信増設用に製造した物だが・・急きょ漆黒の大陸用に変更、

今回5隻が向かうので5本の光ケーブルを通すことにした。



カラミティから聞いた通信容量だと3本で十分だが予備に2本追加した、

というのも・・海の魔物が噛みついて切る可能性も否定できない・・

カラミティは大丈夫だと言ってるが・・先を考えて追加することにした。



他にも中継器や大型モニター、測定器やカメラなどの関連品も準備、

これらを光ケーブルでつなげば漆黒の大陸内をリアルタイムで閲覧可能、

逆に俺達の各地の風景も漆黒の大陸で閲覧できるようになる。



撮影NG・・例えばプライベートルーム等を除きほぼ全体が見れる、

これは異世界ハンター対策、どこから出てくるかわからないためだ、

そのため監視も兼ねて各種族が各地を見れるようにしている。



当初エニウェア達に各地を見せるのは危険だと反対意見も数多く出た、

だがエニウェアの配下の魔物は各地の危険地帯にいることもあり・・

俺達の眼が届かないところを監視するためにも必要だと俺が訴えた。




各種族は・・




不満はあるにせよ・・俺の提案を了承した。




翌日・・




第7艦隊はルーム国を出港し沖合いを進む、途中第2艦隊と合流、

ここでカラミティとリリスとリリトが大和に乗り込み中間の島に向かう、

2時間後島に近づく・・上陸はせずに大和がロケット弾を島に発射!




他の4隻もそれぞれロケット発射!それぞれ光ケーブルが繋がれていた、

5本の光ケーブルは島にいたカラミティの配下が岩などにしっかり固定、

その後5隻は動き出す、ケーブルを海に沈めながらゆっくり巡航を始めた。




カラミティの配下に守られながら5隻は進む、大体15ノット(約27km)

乗務員たちは監視と操舵関連を除き昼寝やトレーニングなどをして時間潰し、

ちなみにサユミとタケシは重力装置で身体を鍛えていた。




翌日・・




黒雲に覆われた大陸が見えてきた、ここからは速度を落とし徐行運転、

リリスとリリトが甲板に出て召喚魔法、自分の本体を召喚し空を飛ぶ、

彼女達が誘導役となり・・目の先には即席で造った大きな港が見えた。




望遠鏡で覗いてみると・・




港には大勢の人間がいる、全員エニウェアの人間姿のようだ、

その中に・・明らかに格が違う一人の大柄な男がいた、彼が首領だろう、

港に近づくと大和と武蔵のみ湾岸に近づき他の3艦は沖合いで停止した。




これは単純に港が狭いから、彼らの想像以上に大和と武蔵が巨体だからだ、

これで十分・・の想像をはるかに超えた巨体を見て彼らは眼を丸くする、

するとカラミティが大和から飛び立ち首領達の元に向かう。




これは事前に話していたことで・・




俺達の敬礼を首領に見せたいと言われ承諾、そのことを伝えに行った、

カラミティは首領たちに今までの経緯と提案などを説明、皆が頷く、

そして・・首領がこちらに向かって歩いてきた。




俺とエリーナは大和・武蔵の甲板に移動、首領達との対面となる、

湾岸近くで首領達は立ち止まり・・大声!




「ようこそ漆黒の大陸へ!我は君達を歓迎する!」




これを聞いた俺達は・・




モンタナ・紀伊・信濃が動きだし大和と武蔵の後ろに並んで停止、

湾岸から見て左端に戦艦モンタナ、間に戦艦大和、中央に戦艦紀伊、

その間に戦艦武蔵、一番右端に航空母艦信濃が並んた形となった。




「全員甲板に上がれ!湾岸に向かって整列せよ!」




このアナウンスが各艦に響く、全乗務員は各艦の甲板に整列した、

それを見て驚くエニウェア達、それもそのはず各種族がいるからだ、

人間・魔族・ガルーダ―・グリフォン・ワイバーン・各ドラゴン・・



それに加え白黒天使族、ドワーフやミノタウルス・ケンタウルスもいる、

さらにラミア・アルラウネ・ドライアド・エルフやゴブリン等々・・、

種族関係なく皆が共通の海兵服を着て各艦で整列している。



全員の整列が完了!代表してクリスティーナが号令をかける!




「全員・・エニウェア首領たちに敬礼!」




「ビシ!!!!!!!!!!!!!!」




見事な敬礼に驚く首領達、こいつらが敵になると手に負えない・・

幹部達は心の中でそう悟ったようだ、すると首領が・・敬礼返し!




「敬礼に感謝する!改めて貴公たちを歓迎する!」




この言葉を聞いた各艦の代表は急ぎ大和と武蔵に集まった、

2隻から簡易橋を降ろし・・俺達は湾岸に向かって歩き出す、

首領達は大和の前に集まる、単純に大和の方が近いからだ。



そうして俺が・・



異世界の・・



いや・・



人間として初めて・・



漆黒の大陸に上陸した。

























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