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マイラの恐るべき攻撃力としたたかな勧誘




上級ワイバーンのマイラ・アナ・ヴィクトリア、アデールのメイドさん、

だがその実力は相当なもので特級のアデールも一目置き恐れている、

まともに戦うと勝てる自信が無いと・・以前酒の席で聞いた事がある。



あの時のアデールはかなり酔っていたが・・



眼だけはマジだった。




俺から見たマイラは・・



冷静沈着で隙が無く半歩前を見る気が利くメイドさんだが・・

時々訳が分からないことを言って皆を戸惑わせ笑う一面もある、

優秀なのは感じていたが・・個人戦は一度も見たことが無い。



戦艦山城の艦長に推薦したのがアデールだが・・当初は断っていた、

だがレイナやカオス達もマイラの底知れぬ実力を感じ推薦している、

マイラは・・レイナたちの顔を立てて戦艦山城の艦長を引き受けた。



その後山城の指揮をとっていたが・・



目立つ戦績はないものの確実に任務を遂行している。



もしかしたら・・



俺達に遠慮していたのかもしれない。




山城の乗務員達からも不満が出たことは一度もない、皆マイラを信頼している、

エリーナ達も・・特にスノードラゴンのソニアが彼女を高く評価している、

ソニアが他の種族を褒めることはあまりないのだが・・



・・・



どれだけの強さなのだろう?



皆も俺と同じ思いらしく・・静観して画面を見つめている。




そのマイラはメイド姿のまま・・



服が輝き一瞬のうちに戦闘服となる、陸軍が着る迷彩服のような感じだ、

そしてモンスターを展開、驚くことに特級用のモンスターを展開した。



● アークエクスシア(攻3500、守3000)


● エレメンタル・ソルジャー(攻2000、守1500)



メディやサーラ等もそうだが・・



一部の種族はワンランク上のモンスターと融合したとは聞いていた、

だが大半はギリギリセーフだったらしく・・マイラに関しては余裕、

それどころか特級モンスターの方から懇願したらしい。



・・・



マイラさん・・君はホントに上級なのか?



俺のツッコミを完全無視したマイラは身構え・・戦闘態勢に入る、

リリスとリリトも即座に戦闘態勢、2人でマイラだけを攻めるようだ、

2対1では卑怯・・リリスとリリトはマジモードで身構えていた。



「こいつヤバいよ・・1人だと完全に負けるな」



「ああ・・ここは恥なんかどうでもいい、2人で倒そう」




これに対してマイラは・・



「お尋ねします、こちらは憑依モンスターと組みますので条件は同じ、

お互い2対2で戦う・・そう解釈してもよろしいですか?」



「ああ・・それでいいよ!」



「了解です!それでは戦いをはじめたいと思います」




マイラはさらに聖刀「山城」を展開!だがそれはサブモンスターに渡す。




「ごめんなさい、今回あなたはそれを持って見守っていてください」




エレメンタル・ソルジャーは静かに頷いている。



戦艦山城の主砲が上空を向く!空砲が試合開始の合図となる。




「ズバーーーーーーーン!!!!」




「いきます!」



「うりゃあ~~~!」



「ハァアアアアアア!!!」




マイラとアークエクスシアが飛びかかる、リリスとリリトも飛ぶ、

1対1になるかと思ったが・・ダックマッチのように交互に攻撃、

アークエクスシアが飛び蹴り、それをリリトが受け止める!




「うりゃ~~!!!!!!!」




リリトがアークエクスシアを投げ飛ばす・・マイラが飛んで飛び蹴り、

それを宙返りして踏み台としたアークエクスシアがリリトを襲う、

その横からリリスがアークエクスシアを攻撃、それをマイラが受け止める。



「思ったよりやりますね」



「それはこっちのセリフだよ!」



マイラとリリスはそのまま打撃戦、空中に浮かび乱打戦を繰り広げる、

リリトはアークエクスシアの攻撃を受け止め即座に攻撃を仕掛ける、

アークエクスシアは宙返りで退避、土魔法を唱え始める!




「 砂槍! 」



アークエクスシアが土魔法を放つ、剣山のように地面から無数の槍が出る、

それは砂が固まったもの、リリトは急ぎ空中に退避!そして・・




「お返しだ!ファイアーブレス!」




ブォオオオオオオオオオオオオオオオ~~~~~!!




驚いた事に人間姿でも強烈なブレスを放つリリト、剣山は瞬く間に消えた、

だが土煙で周りが見えない、リリトはさらにブレス!土煙を吹き飛ばす、

美女の口から猛烈な炎が出る光景は・・なんか怖い。




「あいつ・・どこ行った?」




アークエクスシアがいない、マイラはリリスとまだ格闘していた、

背中ががら空き・・リリトは眼を光らせ後ろに周りこみ・・攻撃!




「もらった~~~~~!」




リリトは一直線にマイラの背中を正拳で狙う・・だが背中は・・




「リバーシブル!」




マイラが反転!すると背中からアークエクスシアが現れリリスを襲う、

驚いたリリスはアークエクスシアの攻撃をまともに受け吹っ飛んだ。




「隙だらけですよ?」




マイラがリリトの正拳を腕で弾き飛ばし一回転して脇腹を蹴る!




「グハ・・・・」




リリトは体制を崩し落下、なんとか宙返りで体制を整え着地した、

リリスはアークエクスシアの猛攻をなんとかかわしリリトと合流、

マイラは距離を置き構えの姿勢、リリスとリリトは困惑している。



「ハァハァ・・ちくしょう!思ったより強いな」



「あいつほんとにワイバーンかよ?ドラゴンよりも強いな」



モニター越して見ていた俺達は静まり返る、一見互角だが・・

だが疲労度は明らかにリリスとリリトのほうが大きい、

対するマイラは・・真剣な顔だが疲労は全く見えない。




「アデールさんが待ってるから・・そろそろ決着といきましょう」




マイラはアークエクスシアを背中に収納、自分の力だけで戦う気らしい、

まだ融合モンスターとの連携が不十分なので遠慮しているようだ、

融合モンスターもそれを察知してか・・静かに背中に戻る。




「いきますよ!」




黒い炎がマイラを包み込む!画面越しでも・・ものすごい迫力だ、

そして魔法の嵐、無数の火炎・冷気弾がリリスとリリトを襲う、

2人はブレスで反撃するが・・隙だらけになる。




「遅いですね」




まるで天聖族の高速攻撃のように超速モードで襲いかかるマイラ、

驚く2人はブレスを止め反撃・・すでに脇にマイラが入り込んだ、

そして正拳の連打!リリスとリリトは瞬時に吹っ飛んだ!




「ガハ・・・・・・!!」




2人はそのまま倒れ込む、気絶したようで起き上がる気配が無い、

すぐに救護班が駆けつけ治療、2人とも気絶しただけだった、

勝者はマイラ、モニターで見ていた各種族はどちらにも拍手の嵐。



マイラはそのまま戦艦山城に帰った、だが笑顔はなかった、

その後俺が乗るヘリが戦艦山城に着艦、艦橋室に移動してマイラを待つ、

しばらくしたらマイラが帰ってきた、なぜか俺に抱きつき懇願する。



「お願いです!あの2人にもモンスターカードを・・

それを私に預けてほしいのです」





どうしてマイラが俺に懇願するんだ?



その横で・・ユイが怒っていたがこれは無視した。



「あの2人は・・まだまだ成長できますから・・」



「なんとなくわかるが・・もう少し細かく説明を頼む」



「わかりました」



マイラの話によると・・



戦ってみて分かったが・・あの2人は実力はあるがほぼ力任せ、

訓練を積めば十分特級クラスになれる素質は高いが・・我侭が致命的、

カラミティのために俺達に懇願した初級エニウェアにも・・激怒した。



今のままだとモンスターカードを与えても拒否され使いこなせない

それは当然だろう、自分の行いを棚に上げて部下を怒るのは論外だ、

モンスターカードも・・そんな相手と融合は拒否するだろう。




「それはわかるが・・なぜ今君が懇願するんだ?」




「あの2人は先般も負けました、今回も惨敗ですから屈辱は相当でしょう、

今なら私が勧誘すれば・・あの2人は弟子入りするでしょう、それと・・」




なぜかマイラが笑う。




「このカードを餌にすれば・・彼女達は私に頭を下げざるを得ません、

私の部署は戦闘員不足・・特に特級クラスが不足しています、なので・・」



・・・



「もうこれだけ言えば・・お分かりでしょう?」




「ああ・・よくわかった、臨機応変に戦える仲間が欲しんだな」




「ええ・・そういうことです」



・・・



その後目覚めたリリスとリリトは・・



マイラに弟子入りをしていた。



ちなみにマイラの父は・・昔のワイバーン王、アデールの父の親衛隊長、

当時ワイバーンの中で最強だったらしい、その遺伝子を丸々受け継いだ、

さらに力を増したそうだが・・本人は戦うのはあまり好きではないらしい。




「私・・戦うより家事全般が好きなんです」




そのためか・・メイドさんとなりアデールに尽す方を選んだらしい、

だが戦闘も立場上あるので・・出来れば誰かに代わりに戦ってもらいたい、

そういう意味では好戦的なリリスとリリトは最適の存在だった。



「わかった、君に任せよう、このカードを託す」



「ありがとうございます」



カードを受けとったマイラは・・



満面の笑顔をしていた。




























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