意味不明な健康診断と看護婦姿の天使・天聖族
謎の2人・・フレイとフレイアが目覚めたと聞き俺達は病院に急ぐ、
一時間後全員ロビーに集結、他の患者もいるので静かに移動する、
とは言っても・・ほぼ患者全員健康診断を受けているだけだが・・
・・・
俺達異世界人が定期的に受ける健康診断を見て真似しているだけ・・
魔法があるこの世界では大概の病気は魔法で治せるので検査は不要、
重傷の時には点滴などで補助するが・・普段はほったらかしでもOK!
なのだが・・
「い・・嫌~~!!!注射はやめて~~~!」
「すぐに終わりますよ!さあ手を出してください!」
「い・・いやよ!そう言って血を取るんでしょう?」
「採血しないと検査は出来ません!嫌なら病院を出てください!」
「そ・・そんなひどいこと言わないで・・」
「なら手を出してください!後が待っているんですよ!」
「う・・ううう・・・・や・・やさしくしてね・・」
ちなみに今回注射を怖がっているのはアデール達ワイバーンご一行、
戦闘の大怪我は平気なくせして・・なんで注射を怖がるのか訳わからん。
プスリ!!!!
「アァァァァァァ~~~~~!!」
「あっ・・アッ・・アッ・・」
アデール達はもがきながらも耐えて血液を採取されている。
「はい終わりましたよ!よく頑張りましたね!」
「うっ・・ウゥゥゥゥ・・・」
アデール達は涙目で・・腕をガーゼで抑えながら次の検査に向かう、
聴力・視力・心肺・嗅覚などの検査を受け・・その後医師との面談、
その後診察室の中でドキドキしながら検査結果を待つアデール達・・
「はいアデールさん!今回も問題はありませんでしたよ!」
この声を聞いたアデール達は満面の笑み、着替えを済ませ受付で精算、
支払い後検査表を受け取る、これは各種族の強い要望で紙で渡している、
これは表彰状のような作りで大きくAからDの評価で表している。
当然ながらほぼ最高評価のA、各種族はこれを誇りに思い検査表を大事に保管、
たまにBが出ることもあるが・・これは前の日に暴飲暴食で血圧が上がったから、
前日午後9時以降は水のみと通達してるが・・耐えきれず飲み食いしてしまう。
「ううう・・今回Bが出ちゃった・・」
「まあ今回は仕方ないわよ!次頑張ってAを取ればいいのよ!」
「そうよ!次の検査は半年後だから十分時間はあるわ!」
「そうよそうよ!元気を出して!次に向けて前を向きましょう!」
「次は全員Aをとりましょう!全員満点で表彰してもらうのよ!」
「み・・みんな~~ありがとう!!!「」
・・・
君達・・健康診断をはき違えてないかな?
これは表彰や団結を表すものではないのだが?
・・・
元々は俺やデーヴィド、エリーナやクリスティーナ、ヤマダさんやアズミ、
俺達異世界人・・普通の人間は他の種族に比べ寿命も短く病気にもなる、
それらを最小限に抑える為定期的に健康診断を行い予防をしていたが・・
各種族はこのような習慣が無いので当初は物珍しさに俺達を観察していた、
だが定期的に行うこの診断に興味を示し・・ある意味興行的な流れとなる、
いつしかそれは恒例行事となり今では同盟全種族が健康診断を受けている。
ちなみにサーベルタイガーやクラーケン・ゴブリン等も受けている。
そうして・・
分かりきっている結果を見て喜び爆発、健康で褒められた事が無いからだ、
この結果欲しさに必要のない注射やレントゲン等を受けお褒めをもらう、
そうして・・もらった検査表を額に飾ったりして喜んでいた。
それもあり・・
今までルーム国と東の大陸に2つだけだった病院は爆発的に増えた。
現在総合診断が出来る大型病院は各大陸、主要都市に一つは必ずある、
医師ライアンや看護婦ジェニー達は毎日必要のない健康診断で大忙しだ。
ちなみにルーム国にある大型総合病院の健康診断予定は・・
来週はガルーダ達、その次はグリフォン、その次はルーム国の住民たち、
さらにスノードラゴン達等・・人数が多いので一種族につき一か月前後、
半年もすると一周するのでまたワイバーン・・ほぼエンドレス状態だ。
・・・
必要ないことはやめるべきだと・・
俺は各種族に進言したが・・
・・・
ものすごく泣き喚かれ大反対されたので今も続いている。
ちなみに医師ライアンや看護婦ジェニー達はあまりの激務に苦情の嵐、
そのため各種族は検査費用の値上げを行いライアン達の報酬を増やした、
さらに部下や配下などを手伝いとして派遣させ負担を大幅に軽くした。
それ以降・・
医師ライアンや看護婦ジェニー達からの苦情は無くなった。
・・・
そこまでして健康診断を維持する必要があるのかな?
・・・
同盟全種族からの目線がきついので・・
・・・
俺は皆が飽きるまでほっとくことにした!
本題に戻り・・
フレイとフレイアが入院している特別室に急ぐ、ここは1フロアだけ、
他の患者に危険が及ばないように最上階、特別な結界を展開している、
万一の時はここを爆破して他の階に危険が及ばないようにしている。
念の為俺達は防護服を着て中に入る、そこには・・
・・・
なぜか看護婦姿の天使族14天王と12天聖族達がいた。
・・・
「どう?似合っているでしょ?、オーダメイトなのよ!」
アリエノール達が回転しながら看護婦姿を披露している、14人全員だ、
彼女達の性格は深く把握してるので特に驚くことはなかったが・・
・・・
なんで天聖族の方々も看護婦姿で一緒に回転しているのかな?
「いかがですか?私達も着てみたんですよ!」
・・・
あの~~~~~
君達は各種族の模範となるべき存在でしょ?
問題児の天使族と同じことをしていたら・・神族に睨まれないのかな?
えっ?
アルテミス様からある程度の許可は頂いている?
民衆に見られず恥ずかしくないのであれば容認すると・・
・・・
俺達も・・一応民衆なんだけど?
俺達は別?
異世界から来た特別な存在なんだから・・
深く考える必要は無いと・・
・・・
お言葉に甘え・・そうすることにした!
部屋の奥を見ると・・
ガラスケースの巨大版に閉じ込められているフレイとフレイア、
特に暴れる気配はないようだが・・なぜか極度に震え泣いている、
俺達と戦った時の威圧的な態度が嘘のようだった。
「こ・・怖い・・怖いよ~~」
何が怖いのだろう?
「お・・お兄ちゃんたちに殺される・・」
身内に殺されるようなことをしたのか?
ここで看護婦姿のリィブラが俺達が来る前の状況を説明、
目が覚めた時・・最初は安堵した顔だったが自分達を見て凝然、
しばらくは沈黙が続いたが・・何かを思い出し泣き喚いたと・・
・・・
俺が前に・・の前にエリーナが前に出てフレイとフレイアに質問!
「あなた達何泣いてるの?状況を説明したら保護してあげるわ!」
これを聞いたフレイとフレイアがエリーナに視線を向ける。
「ほ・・本当に保護してくれるの?」
「全部包み隠さずに説明してくれたら・・約束するわ!
「わ・・わかった、ぜんぶ話すよ」
話をまとめると・・
フレイ達は様々な異世界を彷徨う・・ハンターのような存在らしい、
様々な異世界に向かっては攻撃、知的種族を滅ぼし領地とする、
そこでしばらく生活して飽きたり食糧等が尽きれば次に向かう。
フレイ達には兄弟姉妹が多数存在。それぞれが異世界に出向き攻撃する、
領地が多ければ多いほど優秀と見られ破壊神から褒められるぞうだ、
兄たちは多数の領地を持ち自分達は新たな領地を求めこの異世界を攻撃。
だが・・
俺達にボコボコにされ・・
100万の魔物を失い途方に暮れていた、もう帰ることは出来ないそうだ、
破壊神は失敗した者を許さない、八つ裂きにされ完全消滅されてしまう、
それを恐れたフレア達、身体の震えが止まらず泣き喚いていた。
「で・・でもお兄ちゃんたち強いよ?か・・勝てるの?」
「そのお兄ちゃんたちが攻めてきたら・・どの道戦いは避けられないわ、
そうなれば戦うしかないでしょ?私達も貴方たちと同じなのよ!」
「そ・・そうだね・・そうだよね・・」
「さあ話してくれる?あなた達の詳細を・・」
「わ・・わかった・・」
フレイとフレイアは・・
震えながらも自分達の詳細を語り始めた。