南の大陸の遠隔監視とインターネットを求めるエニウェア
決闘が終わり・・俺達はそれぞれの艦に戻り各地に帰っていく、
110万の敵は消滅し残っているのはブラックハルピュイアの群れ、
それとフレイとフレイア、彼女達は手当され俺達の捕虜となっている。
というのも・・
彼女達がどこから来たのか?
何のためにこの異世界に来たのか?
その辺を調べたいからと天聖族が俺達に進言し俺達も頷いた、
急ぎ彼女達を治療して・・現在は大和の医療室で眠っている、
大和はじめ第7艦隊は現在ルーム国に向け巡航している。
それと・・
彼女達を天使族と医療チームが念入りに調べ女性と判明した、
ブラックハルピュイアも全員女性と判明したこともあり・・
・・・
「あなた達・・男性の仲間はいるの?」
とエリーナが質問!ブラックハルピュイアは笑顔で微笑む!
「は~い!私達にはたくさんの男性の仲間がいま~す!」
満面の笑みで答えるブラックハルピュイア、その笑顔に曇りは無い、
このことから・・別働隊がいる事はほぼ間違いないようだ、ただ・・
彼女達は多数の魔物をまとめるだけの役割のようで詳しくは知らない。
この後もエリーナが様々な質問をしていたが・・
ブラックハルピュイア達は笑顔なだけ・・本当に知らないようだ。
となると・・
フレイとフレイアに直接聞く・・だが2人はなかなか起きない。
翌日・・
全艦隊各地に戻り急ぎ整備点検、第7艦隊もドックに入り総点検、
また得体のしれない敵が突然出てくる可能性が高いので備えを急ぐ、
ちなみにフレイとフレイアは・・起きる気配は全く無かった。
2日後・・
レイナとカオスがエニウェアのカラミティの待つ島に急いだ、
第4艦隊の半分がその島に向かい・・各地の産物を満載している、
なぜかカオスの横に・・天聖族のアクワリオが一緒に乗っている。
3時間後・・
第4艦隊は島に到着、ここはエニウェアとの貿易拠点の島でもある、
すっかり元気になったリリスとリリト、カラミティとの再会を喜ぶ、
その後幹部一行は戦艦比叡の会議室に移動し・・まずは腹ごしらえ。
その間お互いの部下が荷物交換、こちらはワインや日本酒など酒関連、
エニウェアはクジラのような動物の肉と様々な植物を持ってきていた、
植物に関しては研究者ライアンとパープルデーモンが欲しがったからだ。
なんでも・・
これらの植物はある薬品の原材料になるらしい、詳細は秘密と言われた、
漆黒の大陸では大量に採れるらしいが・・あちらでは雑草扱いらしい、
そこらに生えている植物が酒になるからとエニウェア達は喜んでいた。
ちなみに先般寄贈したワインは・・既に全部飲み干しているそうだ、
最近では女性陣も俺達のワインを気に入ってるらしく頻繁に飲んでいる、
そのせいか?ドラゴン姿になるのを嫌がる個体が増えているらしい。
・・・
その辺は・・
俺達には関係ないと言うことで。
食事が済んだ後・・・
お互いの幹部が対面、今後の対策についての話し合いが行われた、
まず天聖族のアクワリオが地図を広げ今までの経緯を語る。
「今回も含めて・・未知なる敵は南の大陸の奥で出没が確認されています、
現時点では閉じていますが・・おそらくここが出入り口のようです、
先般ヘミニたちが謎の鳥軍団を駆逐した場所もこの近くでした」
さらにアクワリオが語る。
「天聖族としては・・この付近に監視装置の設置を希望します、
出来れば無人の・・その辺はカオスさんとも相談しました、
異世界の方々の技術なら可能だと聞いて今回提案します」
ここでエニウェアのリリトが反論、質疑応答が繰り返される。
「監視装置の設置はいいけど・・なんで無人なの?」
「今回のように極端な数が来た場合占領される恐れがあるからです、
そうなると救出もそうですが・・敵に利用されてしまいます、
ですが・・無人の装置なら最悪自爆させればそれを防げます」
「でもね・・定期点検等が要るでしょ?それはどうするのよ?」
「それは・・」
ここで技術者ライアンがアクワリオに代わり質問に答える。
「監視装置は陸だけではありません、海にも対応させます、
それらは遠隔で操作できるので現場に行く必要はありません」
「えっ?どういうこと?」
「こちらをご覧ください」
ライアン達が出してきたのは・・
大陸を真似た模型と船と車のラジコン、皆は目を丸くして見ている、
まずは船を操作、湾岸に船を止めてジープのような車を上陸させた、
そして自走で拠点に到着、足を固めパラボラアンテナを展開した。
ライアンはモニターのスイッチを入れる、するとラジコン画像が現れた、
アンテナを回転させると画像も回転、各種族の顔が画面に表れていた、
なぜかアクワリオは急いでお色直し、カオスを意識しているようだ。
次に別の船を別の湾岸に止めて同じように車を走らせ拠点に到着、
ここで先ほどの車は固定を外して自走、湾岸まで戻り船に乗り込む、
船は出港し安全地帯まで戻り・・俺達の艦がクレーンで回収している。
「仕組みはこんな感じです、これなら安全に監視できます、
今迄は空からしか監視できませんでしたが・・これなら陸地や海、
多方向から監視できるので早期発見が可能です」
これを見たカラミティが・・
「なるほど、これなら無人で対応できる、で?俺達はどうしろと?」
「これらの動きを妨げないように・・基本無視してください、
あと配下の魔物達にも手を出さないよう厳命してほしいのです」
「それは構わないが・・ただ条件がある」
「何でしょうか?」
「俺達もこの画像・・情報は欲しい、俺達も見えるようにしてほしい」
「それなら・・先般お渡ししたスマホで見れるようになりますよ」
「これだと小さすぎる、出来るだけ大画面で見たいんだ」
「その場合中継点と端末設備が必要になります、しかし・・」
「なにか問題でもあるのか?」
「画像を大きくすると情報量が多いので魔力と専用設備が必要です、
特に漆黒の大陸の上空は黒雲が覆っているので電波が届きにくいのです、
そのため・・離れた場所から有線ケーブルでつなぐ必要があるのです」
「それは・・君達が俺達の領地に入る必要がある・・と言う事か?」
「スマホ以上の画像を求めるなら・・そうなります」
これにはカラミティも悩んだ、ある程度の交流があるとはいえ・・
今迄対立してきた俺達を領地に入れる事には抵抗があるだろう、
それを獰猛な首領が許可するか・・
「上陸せずに設備を備えることは出来ないのか?」
「先ほど見て頂いた遠隔操作ならある程度可能です、ですが・・」
「これが上陸することになるのか・・」
「あとは電波状況次第ですね、漆黒の大陸は電波が届きにくいので・・」
・・・
「わかった、これに関しては保留にしてほしい」
「わかりました、ご検討してください」
「ところで・・別の質問いいかな?」
「なんでしょうか?」
「君達の・・スマホの他の使い道を知りたい、説明してほしい」
ライアンはカオス達を見る、カオスとレイナは頷き説明を了承、
この質問を先読みしていたカオス達は俺達と相談済、俺達も頷いた、
正直エニウェアにインターネットを教える事には抵抗があった。
だが・・
今後未知なる敵がさらに攻めてきた時エニウェアの力も必要となる、
闇雲に戦うより状況を把握しながら戦う方が確実で危険も少ない、
彼らが求めるなら・・情報を共有してもいいと判断したからだ。
「わかりました、それではご説明させて頂きます」
ランアン達は俺達の技術・・インターネットや写真、動画などを説明、
これらを使い各地域の状況や情報を会得、さらにアプリなども教えた、
カラミティ達が目を丸くして説明を聞く、それは当然だろう。
「な・・なるほどな・・君達の行動が早く正確なのが理解できた」
「現在お渡しているスマホは簡易版です、通話とメール限定です、
これだけなら現状でも使えますがインターネットが絡むと・・」
「専用の設備が必要になる・・と言うことか?」
「はい、そういうことです、それと・・」
「何だ?」
「今漆黒の大陸でスマホを持つのはカラミティ様、リリスとリリト様だけです、
ですが・・他の方々も使うと情報量が多くなりおそらく簡易版でも無理です、
私達は人工衛星で対応していますが漆黒の大陸は電波を遮る黒雲が多いので・・」
・・・
「わ・わかった、これに関しても親・・いや首領に相談してみる」
「わかりました」
その後カラミティ達は比叡を後にし漆黒の大陸に帰っていった、
そして首領はじめ各幹部に経緯と詳細を説明、必要性を訴えた!
これに対して・・
首領の判断は・・
・・・
予想外の返事だった。