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ルーム王国の決意と音速機の開発




グリフォン達はガルーダと同じくルーム島には上陸しなかった、

自分たちが上陸したら難癖つけてドラゴンが攻めるかもしれない、

現状では勝ち目は薄いから力を蓄える期間を設ける必要があると・・



ドラゴンの力は想像以上なのかもしれない。



同じく西の大陸の魔族や人間も念の為上陸は控えた。



当面の対策として・・



ガルーダには大鳳・千歳・千代田を島の近くに待機させ経由地として提供、

そこに俺たちや木人形が向かい資源や食糧等を交換して貿易を行っている。



「私たちにも同じ扱いをしてほしい」



グリフォンからの要望を受け祖父木人形が鳳翔・龍驤・雲龍を出港させる、

同じようにグリフォン達の要望を聞きながら各艦を改装し貿易を開始した。



「私たちはどうしたらいいんでしょうか?」



魔族と人間が心配そうに尋ねる。



まずは状況を見てみたいので西大陸に向かい上陸の許可を貰う、

快諾を頂きデーヴィドとクリスティーナ、案内役にジセルが向かう、

それとルーム王国技術者と女性数名が同行を希望したので許可した。


一行は大和と古鷹・利根・阿賀野と雷・電に乗り現地に向かう、

上空はグリフォンが援護してくれるので航空母艦は同行しなかった、

各地視察と往復で一か月位かかるそうなので報告を待つことにした。



そして・・



俺コウとエリーナ・祖父木人形は今王城の会議室にいる。



「我らも一緒に戦いたい!」



ルーム王国の国王・重鎮・兵士や少年少女たちが懇願してきた。



俺とエリーナ・祖父木人形としては彼らの参戦を望んでいない、

理由としてドラゴンと契約関係にある彼らの身が心配だからだ。



それに・・



落ち着いたら俺たちは島を出て彼らの生活を元通りにする気でいる、

散々苦難を強いられてきた彼らが報われる生活をしてほしい、

余所者が居座り彼らの文化を変えてはいけないと思ったからだ。



そのことを伝えたら・・




ものすごく怒られた!




「何言ってるんですか?あなた達がいなかったら滅んでます」


「豊かな生活なんて一度もない、昔から苦労の連続です!」


「鍾乳洞に籠る生活で文化が芽生えるわけないでしょう!」


「出ていくなんて言わないで!苦しみが増えるだけです」


「ドラゴンとの契約のせいで私たち犠牲だらけです」



・・・


この訴えに思わず涙が出そうになった。


念の為ドラゴンとの契約破棄で危機に陥ったらどうします?

それを尋ねてみた。



「あなた達と一緒に戦います!」



即答だった。



彼らの気持ちを理解したのでこちらの要望を伝えた。



まず各艦には生きた人間(魂)が最低3人要るので乗艦してほしい、

これには王国の兵士が手を挙げたが・・少年少女たちが猛反発した。


「兵士のおじさんたちは城を守るべきです!」


それは一理ある。


「僕たちの方が木人形を自在に操れます、僕たちが乗ります」


「可愛い女の子が乗る方が木人形たちも気合いが入ります」



そうなのだろうか?



「何言ってるんだ!お前たちは幼いだろ!戦いは大人に任せろ」



ものすごい剣幕で言い合う兵士と少年少女たち、すごい迫力だ、

お互い醜い罵声を浴びせながら言い合う姿にたまらず国王が動いた、

さすがに恥ずかしいと感じたのか?俺たちに頭を下げた。



「皆の気持ちはわかった、だが配置に関しては我が決める」



さすが国王!見事にその場を収めた。



結果・・



まず15歳未満に関しては人員不足事態に限り乗艦させる、

15歳から18歳までには大人1人が必ず同乗すること、

18歳以上は大人と同格とする。ただどれも艦は選べない。


乗艦には基本5人一組とし組み合わせや配置は重鎮が決める、

これは偏った人員にならないための配慮だと説明された、

例えば女1人男4人だと孤立やいじめになりやすいからだ。


当然そうならないために木人形たちも積極的にサポートする。


「それと艦に乗る代表と副代表も決めて頂きたい」


祖父木人形が国王にそう訴えた。


「それは私が勤めましょう!」


出て来たのはアレクサンド・リシャール、国の使者だった男だ、

皆彼が適任だと感じたのか?反対する者はいなかった。


「副代表には彼を指名します」


リシャールが指名した男はアイザック・エルナンデス。

一目見るとチンピラ風だが度胸がありそうだ男性だ、

なんでもリシャールと幼馴染で頭の切れる男らしい。


こちらに関しても反対意見は出なかった。



「本日はこれまでにしましょう、後日艦に乗ってもらい訓練します」



祖父木人形がこの場を締め俺たちは城から出て鍾乳洞に向かう、

鍾乳洞に到着するとアメリカ技術者木人形が俺に相談に来た。


「重巡クインシ―と駆逐艦ルースを解体したいので許可願います」


「どうしてですか?」


「音速機を開発・量産するための材料に必要なのです」


「音速機?」


ここからは祖父木人形が詳細を話してくれた。


今航空母艦に搭載されてる艦載機は主に零戦等のプロペラ機、

これらは旋回・混戦だと十分魔物に対抗できるが単純に速度、

直線で飛ぶ場合は魔物の速さに及ばないと説明された。


今あるアメリカ航空母艦ホーネット・レキシントン・ヨークダウン、

これらをまず音速機用の空母に改造して魔物の速さに対抗するそうだ、

そのためには材料が足りず上記の2隻を解体する必要があると・・


「どの戦闘機を搭載する気なんだ?」


「考えているのはF-5タイガーⅡを見本とした小型戦闘機です、

この世界の魔物の多くは大体マッハ1程度の速度で飛行します、

マッハ1.6程度の速度を出せれば十分対抗できると思います」


「F-15やF-14等を見本にしないのか?」


「現状の設備や大きさを考えると数が難しいかと・・」


「そっちの方が強そうだけどな・・」


「それらもある程度造る予定です、ただ魔物が多いのもあるので・・、

それと日本製の航空母艦に載せることも視野に入れて開発しています、

数が要ることもあり小型機の方が生産性高いので開発を進めてます」


「ちなみに・・日本製の艦を部材にすることは考えなかったのか?」


「まだ開発段階なので我らとしては使い慣れた材料が欲しいのです、

それと日本の方は数が多いので・・彼らの仕事を奪う気には・・」


「わかった、許可する、出来るだけ急いでくれたまえ」


「わかりました」



アメリカ技術者たちは音速機の開発を急いだ。


















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