リィヨンの恐るべき防御能力とミアの涙の決断
来賓室でアヤカとタウロの戦いを見ていた俺達は驚いていた、
話には聞いていたが・・パワーアップしたアヤカを無傷で倒した、
改めて天聖族の脅威を思い知った俺達だった。
特にデーヴィドが焦る、彼はまだモンスターと融合出来ていない、
すぐさま俺に近づき・・
「コウ!俺にも急いで専用のモンスターを準備してくれ!」
前の聖剣を渡す時・・彼は上から目線で俺に聖剣を要求したが・・
今回はそのおふざけは無く真剣モード、余程驚いたのだろう、
彼とは長い付き合いだ、俺はそう言うと思って準備はしていた。
「既に準備はしてある、この決闘が終わったら預けるよ」
「・・わかった、ありがとう!」
彼はそれを聞いて落ち着いたのか・・妻たちが待つ席に戻った、
その後レイナ達も同じことを言ってきた、当然準備はしてあるが・・
「もちろんカードはサービスよね?売上げの2%渡してるんだから・・」
・・・
俺は・・頷くしかなかった。
一方・・
戦いが終わったタウロは貴賓室に・・の前になぜか控室でシャワー、
圧倒的な力でアヤカをねじ伏せたタウロだが・・
「あ・・危なかったわ・・油断していたら負けていたわね」
相当冷や汗をかいたようで・・心配で見に来たリィブラが尋ねる。
「どうだった?侮れないでしょ?」
「そうね・・まだモンスターとの融合が浅いから助かったわ、
1年程鍛えて隙が無くなれば私もやられていたかもしれない・・」
「そう・・私達もさらに鍛えないとね・・」
「ええ・・楽しみが増えたわ」
シャワーの後ジェニー達は・・
タウロに高級下着等着替えを用意、異世界の下着を初めて見るタウロ、
意味わからずジェニー達に着せられて・・めちゃ色っぽかった、
怪しい目線を向けるジェニー達、タウロはなぜか恥ずかしくなった。
それを見ていたリィブラも・・
急ぎスマホを取り出して・・
「た・・タウロ今の姿写真撮ってもいい?」
なぜか興奮するリィブラ、真っ赤になったタウロは猛烈に拒否!
「だ・・ダメよ恥ずかしいわ!」
急いでバスタオルを身体に巻くタウロ、そのまま隠れて着替え・・
「チッ!」
なぜか舌を打ち不機嫌になるリィブラだった。
その後タウロはエステコースを受け・・美貌を増していた。
目線を変えて・・
第二試合への準備が終わった、リィヨンとミアが中央に向け歩く、
既に聖槍「ブラックスピア」を展開、リファイアとホーリーも展開、
出し惜しみしたら瞬時にやられると見たミアもフルパワー状態だ。
対するリィヨンは・・
独特の形をした短剣を握る、熊の爪とナイフを組み合わせた感じ、
審判アデールの説明を聞き頷く、そしてお互い握手を交わす、
だが・・ミアはその手を離そうとはしない、そしてアデールを見る。
「だ・・第二試合はじめ!」
ヤァアアアアアアアアアア!!!!!
ミアはリィヨンを投げ飛ばす、宙返りで地面に着地するリィヨン、
すぐさまミアが飛び込んできて槍攻撃!リィヨンは不意を突かれた。
「百撤槍!!!」
猛烈な槍攻撃がリィヨンを襲う、だがリィヨンは全て受け止める、
瞬時にミアの足元に迫り足払い、体勢を崩したミアは一旦離れる、
そして・・
「リファイア!ホーリ―頼むわ!」
「わかったわ!」
リファイアとホーリーは最大出力!ミアの全能力が2倍に上がる、
だがアヤカはこれでもタウロに勝てなかった、なので・・
「さらに倍!一気に力を上げるわよ~~!」
キィ~~~~~~~~~~ン!!!
リファイアとホーリーは自分の全能力をミアに注いだ、
これによりミアはさらに光り輝き4倍の強さを得る、が・・
体力が尽きたリファイアとホーリーは気絶・・
「1分間!1分間が勝負よ!」
事前にミアはリファイアとホーリーにこの事を聞いていた、
今の自分達はミアの力を4倍までには出来るが体力が尽きる、
その後それを維持できるのは1分以内と聞いていたのだ。
「面白そうね、その攻撃受けて立つわ!」
リィヨンは両手を広げて・・ミアの攻撃を受け止める姿勢となる、
そして赤く輝く、その姿はまるで真紅の獅子のような姿だった、
これを見たミアは・・自分の全能力を加えこの一撃に賭ける!
「 一撤槍~~~~~!!!」
「ハァァァァァァァァァ!!!!!!」
バシィィィィィィン!!!!!
猛烈な衝突音が会場に響く、最大出力で挑んだミアの一撃は・・
・・・
「そ・・そんな・・」
ミアの渾身の一撃は・・リィヨンの一歩手前で止まっていた。
「驚きました、私が最大出力を出すなんて・・」
リィヨンは無傷、ミアは時間切れで光を失い元の力に戻る、
既に勝敗は決したが・・リィヨンは力を抜くのは無礼と感じた、
武器を捨てミアに素手の勝負を挑むが・・
・・・
「こ・・降参します」
悔し涙を流し降参を宣言するミア、見苦しい姿は見せたくない、
叩きのめされるよりも屈辱な降参を宣言したミアに対して・・
リィヨンは感激し涙を流し・・そっとミアを抱きしめた。
これを見たアデールは・・
「し・・勝者リィヨン!」
会場は盛大な拍手!だがリィヨンではなく降参を決めたミアにだ、
リィヨンもそれは理解していて・・ミアの右手を高く挙げた。
そして・・ミアに一言!
「あなたはもっと強くなれるわ!また戦いましょう!」
これを聞いたミアは・・涙を拭いて頷いていた。
リィヨンはそのまま貴賓室・・ではなく控室のシャワーに一直線、
最大出力を出さなければ負けていた・・冷や汗を急いで落としていた、
その後はタウロと同じように着替えとエステ、美貌を増していた。
「ここで一旦休憩します!」
各種族は急ぎお手洗いや出店に走り次に備える、皆興奮状態、
天聖族の強さもそうだが天使族のパワーアップに驚きを隠せない、
短期間で天聖族と戦えるようになった天使族を・・皆は見直していた。
俺達も一旦休憩、サユミとタケシが戦いたいとウズウズしていた、
この時戦艦榛名にいたレイミ、霧島にいたショウとその妻たちも来た、
自分達もパワーアップしたいと・・なぜかアズミの声が一番デカい。
さらに・・
美貌を増したタウロとリィヨンも急ぎ俺の傍に来て訴える!
「コウさん、私達天聖族のカードも急ぎ作成お願いします」
いや君達はまだ同盟仲間ではないから・・
これを聞いたタウロとリィヨンは泣きそうになる・・
・・・
エリーナ達に泣かすなと目で訴えられた俺は・・
・・・
急きょ造られた別室に籠らされ新たなカード作成に追われていた。
「お待たせしました!これより第三試合を開催いたします!」
進行役のモカとココが気合いを入れる、彼女達も燃えていた、
短期間で天使族があれだけパワーアップしてるのなら自分達も・・
・・・
皆の瞳がキラキラと輝いていた。
次はピィシィズ対シャーロットの戦い、天使族はもう後が無い、
もしシャーロットが次に負ければ天聖族の勝利となるのだが・・
「これは親善試合です、結果がどうであれ最後まで続けますよ」
リィブラが俺達の気持ちを察知して連絡してくれた。
天聖族のピィシィズと天使族のシャーロットがピッチに現れる、
シャーロットは既に全力モード、だが4倍の仕様は控えているようだ、
これだと1分間しか戦えないので勝ち目は無いと見たのだろう。
シャーロットは燃えていた、仲が良いミアが悔し涙の無念降参、
なんとかミアの無念を晴らそうと・・ある秘策を考えていた。
お互いピッチの中央に立ち握手をかわし共に10m程離れる。
「第三試合はじめ!」
だがお互い動かない、ピィシィズもこれには驚いていた、
てっきりシャーロットが先手必勝で攻めると考えていたのだろう、
しかしシャーロットはブラックスピアを構えたまま・・動かない。
「来ないのなら・・こちらから行きますよ!」
ピィシィズが一気に攻めてきた、彼女は水の魔法を展開、
それを円状にしてシャーロットに次々と投げてくる、それは・・
クリ●ンの気円斬のように鋭利な円状水が次々と飛んでくる。
「動けば負けます!だから私はこの場で戦います!」
シャーロットはブラックスピアを巧みに操り円状水を次々と落とす、
スピードではピィシィズに勝てないと判断しあえて受け身で挑んだ、
これを見たピィシィズは・・
・・・
「そうですか・・ならこちらも考えさせていただきます」
不敵な笑みを浮かべていた。