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グリフォンの事情と新たな同盟




デーヴィド達が激戦中と報告を受け俺コウたちは現地に急ぐ、

武蔵は改造中なので俺たちは戦艦長門・陸奥に乗り現地に向かった、

改装が済んだ航空母艦赤城・加賀も一緒だ。



赤城と加賀から発艦した航空機が俺たちの上空を護衛する、

祖父木人形が腹ごしらえしておけと俺コウとエリーナに進言、

長門の食堂に向かい軽めの食事をとることにした。



メニューは関西風お好み焼きと粒あんが入ったもみじまんじゅう,

食事後俺はオレンジジュース、エリーナはコーヒを飲んでいる。



祖父木人形は・・



なぜか右足をタライの中に入れその中にリンゴジュースを入れている。



「植物は主に根から栄養分を取るんだ」



右足が根の代わりになってるらしくジュースは見る見るうちに消えた。



それにしても・・



各艦から出る料理はなんでこんなに美味いんだろう?



料理もそうだが飲み物も元いた世界と変わらない、いやそれ以上だ、

ルーム王国の住民もガルーダたちもこれらの料理を絶賛している、

俺と同じ世界にいたはずのエリーナも称賛の言葉ばかりだ。



俺はこの疑問を祖父木人形に尋ねた。



「そりゃそうだろう、料理や飲み物を作ってる木人形は匠だらけだ、

例えば営業100年超える和の老舗店の料理長、名誉賞受賞の杜氏、

ミシュラン☆三つ獲得のフレンチ料理長、中華の達人など多才だ」



「それに加え各料理人は木人形の能力・・土や植物から情報を得られる、

野菜や果物等の食材の旬や組み合わせを瞬時に読み最適な料理を行う、

それに加え個々が持つ極秘レシピを状況に応じて相互共有してるんだ」



ものすごい集団だな・・



まあ10万以上いるからプロが多くて当然なんだろうけど・・



「これでも味は大幅に抑えてる、この世界は争いばかりで余裕が無い、

食を得ることが最優先で人間も魔物も味を楽しむ余裕はなかった、

今は3割レベルで提供してるがこれでも彼らには絶品みたいだ」



そう考えると・・



俺たちがいた世界は贅沢で平和だったんだな。



「だがお前たちに出す料理は7割のレベルで提供してるぞ!

元いた世界の味を知ってるからな、その辺は調整してある、

それと・・他には言いにくいが可愛い孫とその友達だからな」



それは嬉しいな、ありがとう!



「ところで・・100%の料理はどんなレベル?」



「大統領や大富豪、独裁者等が大金はたいて食べるレベルだ」



大体想像がつくな・・



俺たちは軽めの食事を済ませ1時間程度で西町の港に着いた、

すでに戦闘は終わり各空母上にガルーダとグリフォンがいる、

赤城と加賀の艦載機は収納され甲板に残りのグリフォンを招いた。



俺とエリーナ・祖父木人形はなぜか手を繋ぎ大和の食堂に急ぐ、

すでにデーヴィドやカオス達は席に座り俺たちを待っていた、

俺の目の前にいる女性が特級グリフォンなのか?とても美しい。



「はじめまして、私は・・・・」



魔物恒例の長い名前を5分以上聞かされた。



「お前も人間の名前があった方がいいぞ」



特級ガルーダ・・いやカオスが提案する。



「そうね、どうすればいいの?」



カオスの目が俺たちに向く、俺たちは急ぎ思いつく名前を紙に書いた、

さすがに慣れたのかな?どんどん候補名が思いつき一覧が出来た。



「これがいいわ!」



特級グリフォン(女性)命名!



「レイナ・ジュディ・エスペランサ」



いつものように言葉の意味も伝えた。


レイナとは・・ここではスペイン語の「女王」と伝えた、

ジュディは・・どこの国かは忘れたがうろ覚えの「崇拝」と伝える、

エスペランサは・・スペイン語で「希望」と伝えた。



西の大陸の女王で皆の崇拝を受ける希望の存在と言葉を並べた、

とても気に入ったのか席を立ち皆の後ろを一周して席に戻る。



「ありがとう、これからはレイナと呼んで!」



気に入ってもらえたので何より。



ところで・・どうして西町だけを攻めたのか?子供を使ったのか?

デーヴィドはこの辺の意図をレイナに尋ねようとしたんだが・・

彼女は出て来た料理に目線と神経を集中させ言葉は届かなかった。



「先に食事しましょうか?」



クリスティーナが空気を察知して気を利かせた。



「あ~これこれ!この味、前に食べた味よ!美味しいわ~」



・・・



前に食べた?



俺たちはグリフォンに食事を出したことはないけど?



「ご馳走様~美味しかった~、またお願いね!」



どうしてもひっかかる・・



デーヴィドがレイナに聞きたいことを直線的に尋ねた、

すると彼女は笑いながら疑問に答えてくれた。



「実はあなた達の情報はガルーダから全部裏で手に入れてたの、

異世界からの人間たちは力もあり友好的だから同盟を結べと・・

ただ私の部下はドラゴンからの仕打ちを恨んでるのが多くてね」



「どんな対策を考えたのですか?」



「あなた達を試すことにしたのよ、魔族と人間の長とも話をしてね、

もし先でドラゴンに加担して脅威となるなら徹底的に叩き滅ぼそうと・・、

同時に部下たちの長年の鬱憤を晴らすために利用することにしたの」



「俺たちから見ると八つ当たりにしか聞こえないが?」



「それだけドラゴンの仕打ちがひどかったのよ、今でも腹が立つわ」



「でも子供や女性まで戦場に出す必要はなかったのでは?」



「ほとんどの子供や女性は自ら志願したのよ、親の気持ちを察知してね、

私は反対したけど部下たちの怒りを止めることはできなかったわ、

一度行動を起こさないと(怒りが)収まらないから攻撃を許可したの」



「西町だけを攻めたのはなぜだ?」



「どちらの被害も最小限に抑えたかったの、目が行き届くしね、

ある程度暴れたら鬱憤も晴れるでしょうからそこで止めたかったの、

まああなた達が部下をボコボコにしてくれたから手間が省けたわ」



「ボコボコって・・誰も殺してないぞ?」



「それには驚いたわ、あれだけの激戦で部下が全員生きてたから、

犠牲は覚悟したけどね、でも余計な心配だったわ、ありがとう」



「その礼は木人形たちに言ってくれ」



「そうね、本当にありがとう!嬉しいわ!」



レイナは満面の笑みで近くにいた木人形たちにお礼を言った、

木人形たちは照れながらその礼に応える。



「それとね、同盟の事なんだけど・・お願いしていい?」



美しい・・



俺とデーヴィドと祖父木人形が照れてたら・・



エリーナとクリスティーナ、なぜかジセルからもつねられた、

祖父木人形はエリーナから蹴られ吹っ飛んでいた。



「異世界のお方・・」



魔族らしき方から声が出た、見た目は人間だが独特の角が頭にある、

さらに槍のようなしっぽがある。昔漫画などで見た悪魔のしっぽのようだ。



「我らも同盟に加えて頂きたいのですが・・・」



「恐縮ですが・・我ら人間も末端に加えて頂きたいのですが・・」



こちらは見たまんま、元いた世界と同じ人間そのもの、少し痩せてる。



「もちろん喜んで!」



「反対する理由が無いわね」



「これからも宜しくお願いします」



「我らガルーダも忘れてもらっては困るな」



俺たちは円陣を組みお互い手を取り合って同盟宣言をする、

少し照れくさいがこういう演出は大事だと思ったからだ、

あとから駆けつけたルーム国王も加え改めて同盟宣言をする。



これで西の大陸からは攻められることはないだろう。



俺たちは宴会を開き親睦を深めた。






















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