変態天使族達の融合とタウロの恐るべき底力
俺はいつものようにナレーションの準備をしていたが・・
「何言ってるのよ!侮辱にも程があるわ!今すぐ謝りなさい!」
・・・
え~っと・・
そこにはもう一人の俺しか入れないナレーションルーム、
どうやったのかは知らないが・・天使族達がタイトルを見て激怒!
ナレーションルームに入り込み怒りながらもう一人の俺を囲む・・
・・・
天使族達の殺気に囲まれたもう一人の俺は・・
「す・・すみませんでした・・」
素直に謝った。
「わかればいいのよ!」
天使族達は憤慨しながらもナレーションルームから出て行った。
・・・
何だったんだ?
・・・
まあタイトルの変更は言われなかったので・・考えないことにした。
それはさておき・・
もう一人の俺はナレーションを続けた。
訳わからずリファイア達に亀甲縛りをされたホーリーエンジェル達、
同じモンスターに極度に辱められた彼女達は・・ただただ泣いていた、
清純系の彼女達にしてみたら亀甲縛りは最大の辱めなんだろう。
「うぅぅ・・もうお嫁に行けないわ・・」
君達は誰に嫁ぐんだ?
さすがにやりすぎたと感じたリファイア達、急ぎ慰めるが・・
ホーリーエンジェル達の泣き叫びは止まらない、そこで天使族の出番、
ホーリー達の傍に寄り添い・・なにやら耳打ちをしている。
それを聞いたホーリーエンジェル達は・・
「そ・・それは本当ですか?」
「ええ約束するわ!だから泣くのはやめなさい」
「は・・はいわかりました」
あれだけ泣いていたホーリーエンジェル達が一気に泣き止んだ、
これにはリファイア達も驚愕、天使族達に説明を求めた。
その返事はこうだ!
「あなた達の悲しみはよくわかるわ!でもこれは試練なのよ!
この技を私達は極める決意、それには体感したあなた達も加わるのよ、
私達とあなた達が融合したら・・間違いなくその領域が見えるわ!」
・・・
これは融合へのセールストークなのか?
どう考えても俺には変態の領域にしか感じないのだが・・
こんなのにホーリーエンジェルが振り向くとは思えない・・
「そ・・そうね・・その通りだわ」
「わ・・私達もその領域が見たいです!」
なんでやねん!
「さすがエンジェルの名を持つだけあるわね、話が早いわ!」
・・・
どうやら俺は・・
無意識のうちに天使族の変態本能までカードに注入したらしい、
それに反応したリファイアとホーリー達、目が輝いていた、
天使族はそれを見て頷き・・なぜか彼女達はお互いの手を握る。
すると・・
ピッカーン!!!!!!!!!!!!!!
モンスター達が気体となり天使族達の背中を包み光り輝く、
そうして天使族達はパワーアップ、一気に聖級まで近づいた、
力がみなぎる天使族達は・・薄ら笑いを浮かべていた。
・・・
なんとなく納得できないレベルアップだが・・まあいいか!
深く考えるのはやめることにした。
その後天使族達は魔法の玉から出てきて・・早速食堂に走る、
どうやらモンスター2体と融合したこともありお腹が減ったらしい、
なぜか信州そば特盛3人前完食、その後大和の来賓室で爆睡している。
・・・
なんで来賓室なんだ?
君達はゲストではないぞ!
俺が怒っていると・・エリーナが来てそっと来賓室のドアを閉める、
そして俺を連れて艦橋に移動、天使族の心境を察しろと怒られた。
「天使族達の心境?」
「そうよ!彼女達は今まで派手な演出で私達を楽しませてくれたわ、
でも・・天聖族が現れて皆は天聖族に夢中・・どういう事かわかる?
天使族達はふて腐れて・・もう役立たずの気分に陥っているのよ」
「えっ?俺・・俺達はそんなつもりはないぞ?」
「それはそうだけど・・でも皆は天聖族に夢中でしょ?」
「ま・・まあ・・それは否定しない」
「彼女達はそれが耐えられないのよ!皆に常に見てもらいたいの、
それが彼女達の生き甲斐なんだから察してあげなさいよ!」
なんてめんどくさい種族なんだろう・・
「天使族の気持ちは理解できた、それで?今後どうしろと?」
「当面は天聖族と同じ扱いにしないと暴走するかもしれないわ、
過剰には必要ないけど無視はダメ、注目の目を欠かさないようにするの」
ほんとめんどくさい種族だな・・
天聖族達が追い出したい気持ちが理解できる・・
「わかった、まずはどうしたらいい?」
「それに関しては私に一任して!私が責任もって対応するわ!」
「わかった、君に任せよう」
「ありがとう・・それでお願いなんだけど・・」
「出来る協力はするよ!」
「うふふ・・ありがとう」
・・・
エリーナは俺の通帳にたっぷり入っている各種族たちの取引額・・
聖剣代としての2%・・約3億ギルの残高を根こそぎ奪っていった。
・・・
俺は空の通帳を見て・・
・・・
放心状態となっていた。
目線は変わり・・
航空母艦赤城から発艦した橘隼がタウロ達の待つ沖合いに到着、
30機の橘隼は5機編隊となり準備完了!タウロ達に連絡する。
「タウロさんお待たせしました!こちらの準備完了です!」
「わかりました!いつでもどうぞ!」
レーダーに映るタウロの美貌に見惚れた一人のパイロットが暴走・・
「それで・・お願いがあるのですが・・」
「?、何でしょうか?」
「もし俺が勝ったら・・俺とお付き合いしてもらえませんか?」
「お・・お前ズルいぞ~!俺もタウロさん狙っているんだ!」
「お・・俺も勝ったら付き合ってもらっていいですか?」
これ幸いとばかりにタウロに猛烈プロポーズするパイロット達・・
これを聞いた赤城の女性通信官が激怒!
「あなた達~~何失礼な事言っているのよ!!!!!」
あまりの迫力にパイロット達は怯えるが・・
「いいですよ、私に模擬弾を当てたパイロットの方とお付き合いします」
ウォオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!!!!!!!!!
タウロは爽やかな笑顔で了承、これを聞いた女性通信官は頭を抱える、
これだと・・あまりにも自分が見苦しく惨めな立場だと悟ったようだ、
これを瞬時に理解したタウロが女性通信官に一言。
「お気遣いありがとうございます、大丈夫ですよ!私負けませんから」
これを聞いた女性通信官は・・救われた気がした。
パイロット達は・・気合いを入れた!
「では!攻撃を開始します!」
「はい!どうぞ」
キィィィィィィィィィ~~ン!!!!!
30機の橘隼は攻撃を開始、対するタウロと3人の部下が散開する、
今回はミサイルが無いので橘隼も分散、まずは部下3人を狙う、
ライフルランチャーを撃ちまくる部下の攻撃をかわし高度を上げる。
「ガナード(前進翼)」
橘隼は上空から一気に降下、前進翼状態となり部下を上から狙う、
部下もランチャーで攻撃するが橘隼はそれらを紙一重でかわす、
危険を感じた部下は離脱・・他の橘隼はその隙を見逃さなかった。
「もらった!」
ズシューン!!!!!
橘隼に新たに搭載された小型レールガンが火を噴き部下の足に直撃、
制約はあるにせよ特級クラスの足に直撃弾を当てたことに天聖族は驚愕。
「見・・見えなかったわ・・」
部下3人は橘隼のレールガンをかわせず足に直撃弾を受ける。
「だ・・・大丈夫ですか~~~~~~~~~?」
赤城の女性通信官が顔色を変え部下達の安否を気遣う。
「あ・・ありがとうございます、大丈夫ですよ」
部下達は女性通信官の心配を察知し急ぎ笑顔で返事をしたが・・
内心はレールガンの速さに対応出来なかったことに焦りを隠せない、
もしこれが実戦だったら・・冷や汗が止まらなかった。
1人残ったタウロは・・
「これはヤバそうですね、ヘミニが傷を受けたのもわかる気がします」
穏やだった笑顔が・・真剣モードとなる。
「超高速!」
タウロがいきなり消え・・既に橘隼のコックピットの上にいた、
驚くパイロット、タウロは真顔で模擬弾を機体に当て次を狙う、
瞬く間に10機の橘隼に模擬弾を当て・・少し離れた所で静止した。
模擬弾を受けた橘隼は離脱、残る20機は・・
「・・ふっ、さすがタウロさんだな、腕が鳴るぜ」
「そうだな・・タウロさんの本気が伝わってくるぜ・・」
「ああ・・お遊びは終わりだ、タウロさんの本気に応えようぜ」
パイロット達は・・
笑いが消え獲物を狙う狼のような眼をしていた。