光り輝いた大和
デーヴィドの叫びに鼓動したかのように木人形たちが光り出す、
その光は大和を包み込み眩しく輝く、それを見たグリフォンは怯む、
光の球が各木人形から放たれ司令官室にいるデーヴィドを包む。
「我ら全員デーヴィド様に魂預けます!」
「ああ、ありがとう、一緒に戦おう!」
デーヴィドの指示の元に大和が動き出す、他の艦もそれに合わせる、
グリフォンたちが連携を組み魔法と槍攻撃を仕掛けるが艦には届かない、
相手の攻撃は各艦の対空砲火と航空機の攻撃で全部砕いた。
「信じられん、人間ごときが我らと互角以上とは・・」
驚く特級グリフォンは対空砲火を避けるため離れるよう指示、
だが目の前を現実を認めない多数のグリフォンが突撃してきた。
「命は奪うなよ」
古鷹・能代・酒匂の砲弾がグリフォンの羽根を狙い叩き落とす、
散開して攻撃してきた敵も響・電・雷・暁が待ち構えて迎撃、
逃げる敵は航空隊が落とし突撃したグリフォンは全部落とされた。
「一対一で戦おうぜ!」
デーヴィドが木人形を通じて特級グリフォンに挑発する。
「よかろう、部下を下げさせる」
特級グリフォンは部下に下がるよう指示、いや強制命令した、
従わない部下には攻撃を仕掛け離れさせる、それを見たデーヴィド、
各艦に後退の指示を出し航空機も全部戻させた。
「少し待ってくれないか?」
デーヴィドが特級グリフォンにそう告げ各艦に救命行動を指示、
海に落ちたグリフォン達を全員救助する。
「潜水艦も戻れ」
特級グリフォンは真下にいた潜水艦に驚きを隠せなかった、
もしこのまま戦っていたら間違いなく落とされただろう、
そう呟いたようにも見えた。
大和は光り輝きながら前に出る、特級グリフォンも前に出る。
「いくぞ!」
大和の主砲弾が特級グリフォンを攻撃、相手は大盾を出し身を守る、
お返しとばかりに火炎弾と大槍を無数に放ち大和を攻撃する、
大和は対空砲火で応戦、旋回しながら特級ガルーダを攻撃する。
光輝いた大和は駆逐艦以上の動きを見せ相手の隙を狙う、
各主砲・副砲弾を無数に撃ち特級グリフォンを集中攻撃する、
それをかわし反撃する特級グリフォン、戦闘は30分程度続いた。
その激しさを見て他のグリフォンは驚きを隠せなかった。
「わははははははは・・』
突然特級グリフォンが笑いだし攻撃を止めた。
「いや~まいったまいった、我らの負けだ!」
「何言ってるんだ?引き分けだろ?」
デーヴィドが笑いながらそう呟く。
その後足止めされていた大鳳たち別働隊が駆けつけた、
空母の甲板にはグリフォンの子供や女性・魔族・人間も乗っていた、
子供たちは泣きながら急ぎ親の元に向かう、親はそれを出迎える。
驚くことにこの戦いではグリフォン・木人形たちの死傷者は0だった、
デーヴィドは全ての木人形に感謝を伝え、そして称えた。
「見事な戦闘だったぞ!」
「そりゃそうですよ、相手を殺すと怒るんでしょ?」
「相手の急所を外すのは苦労しましたよ!」
「司令官は優しすぎるんです!戦場では致命的な弱点ですよ」
「お前たちなら出来ると信じてたんだ!」
「都合いいですよ、手間暇かかったんだから別料金請求します!」
「それはティーナとジセルが払ってくれる!」
「どうしてですか~~~~~!(×2)」
皆笑いながら西町の港に戻る、特級グリフォンも大鳳の上に降りた、
西町には長門と陸奥、それと改修が済んだ赤城・加賀も駆け付けた、
航空母艦は横に並びガルーダとグリフォンの本体を受け入れた。
「ごはんですよ~~!」
ガルーダ・グリフォンは皆人間の姿になり各艦の食堂に急ぐ、
魔族や人間も戸惑いながら食堂に入り一緒に食事を楽しんだ。
「これ何?こんな甘い物初めて食べた」
「この料理美味い、どうやって作ったんだ?」
「おかわり!」
各艦の料理は好評で賑やかな食事になった。
木人形たちが大和の食堂の奥に幹部専用の臨時食堂席を設ける、
円状の机の一角に特級グリフォンと特級ガルーダが人の姿で座る、
その横に魔族代表と人間代表が並び俺たちはその横に座った。
特級グリフォンの人の姿は・・
髪の長い美しい女性だった。