リィブラからのお願いとモンスターカードとの戦い
天聖族のまとめ役であるリィブラがデーヴィド達と面談をしている、
デーヴィドは自分達の心境を説明、今のままでは不安が拭えないと・・
ぜひ同盟を結んでほしい、自分達の教官として迎えたいと熱望していた。
これに対してリィブラは・・デーヴィドに質問をしてきた。
「あなた達の力は私達にも驚異です、なぜそこまで不安なのですか?
この艦・・モンタナと言うのですね、これの攻撃力は驚愕レベルですよ?
この力があれば大概の敵は駆逐できると思うのですが・・」
これに対してデーヴィドは・・深刻な顔をして語り出す。
「確かに艦の攻撃力はそうだと思います、ですが弱点もあります」
「それは・・何ですか?」
「一つは市街地です、ここに敵が侵入すると艦砲射撃は使えません、
さらに敵が艦に侵入したら自ずと白兵戦になります、それが怖いのです」
これを聞いたリィブラは・・なるほどと頷いていた。
モンタナをはじめ各艦の攻撃力は天聖族も脅威と感じている、
ただそれは相手が離れている時や味方が傍にいない時等、
この条件での艦砲射撃なら天聖族でも防ぐことは出来ないそうだ。
しかし・・
敵が市街地などに入り込んだら味方もいるので艦砲射撃は出来ない、
さらに数で攻められた時には隙を突かれ侵入される可能性もある、
甲板なら艦体電撃防御で駆逐できるが艦の中に入られたら使えない。
そうなると自ずと白兵戦になる、だが敵が天聖族クラスだと防げない、
艦内部から攻められると全滅の可能性が高いので各種族も焦っていた、
今すぐにでも各自がレベルアップしないと・・汗が止まらなかった。
これに対してリィブラが提案。
「今は同盟は無理ですが・・教官として出向する事なら出来ますよ」
「それはありがたいのですが・・なぜ同盟は無理なのですか?」
「ここだけの話にしてほしいのですが・・」
「わかりました、お教えください」
「ヘミニの事です、彼女はあなた達の部下との結婚を望んでいます、
ですがそれは・・12聖級の一角が崩れるので大幅な戦力ダウン・・
エスコルピォもそれを危惧して戻そうと躍起になっていたのです」
「そんなに影響があるのですか?」
「はい、私達12人は合同で繰り出す技が多数あります、それと・・
敵が神級クラスだと12人がまとまって集中攻撃を行うのです、
これに関しては1人抜けても効果が半分以下に落ちるのです」
「それはまずいですね」
「はい、もしあなた達と同盟を結ぶとヘミニは必ず結婚するでしょう、
当然子供も生まれ育て・・その間ヘミニは全く戦えなくなります、
今は同盟を避け・・ヘミニとその男性との距離を置きたいのです」
「それは・・いつまでですか?」
「ヘミニの後釜を探す必要があります、ただヘミニは天聖族でも上位、
彼女の代わりはなかなか見つからないでしょう、相当な時間を要します」
「そうですか・・それはしょうがないですね」
「ええ・・ヘミニとその男性には気の毒な話ですが・・」
デーヴィドはマテオを呼び詳細を話す、彼は少しがっかりしていたが・・
だが自分自身がヘミニと戦い・・天聖族の強さを目の当たりにしていた、
そのこともあり・・彼の返事は配慮があった。
「そうですね、俺としてはヘミニさんとの結婚を望んでいますが・・
それ以前にこの世界の危機を後回しにするわけにはいきません、
なので・・ヘミニさんとの結婚は当分延期しようと思います」
「それを・・ヘミニさんに伝えていいのか?」
「俺の口から直接話します」
ちなみにマテオはヘミニが美容室でのお手入れ後の顔を見て驚いていた、
その姿は、まるで少女漫画に出てくる侯爵令嬢のような気品漂う美しさ、
漫画を見ていた彼は、いつかこのような女性と出会いたいと思っていた。
12聖級は普段顔を髪で隠していたので気づかなかったが・・
彼はヘミニの素顔を見て・・
一瞬で恋に落ちていた。
これを聞いたリィブラはヘミニを呼ぶ、彼女は当初笑顔だったが・・
マテオから結婚延期の話を聞いたら・・泣きだした。
「わ・・私の事嫌いになったの?」
「そうじゃないよ、君とは末永く付き合いたいと本気で思っている、
だから・・この世界を守りたいんだ、次の世代のためにもね・・」
この言葉を聞いたヘミニは・・泣きながらも頷き喜んでいた、
周りは・・あまりにもマテオが歯の浮く言葉を出したので・・
・・・
なぜか冷めた目でマテオを睨んでいた。
「えっ?えっ?なんでみんなで俺を睨むんですか?」
「さぁ~~~~~ね!!!!!!!!!!!!!!!」
周りは・・
自分を差し置いて・・
マテオが格下のくせに決め台詞を決めたことを・・
・・・
心の中で妬んでいた。
場所は変わり・・
ブルーデーモン領地に停泊している第7艦隊、静かに動き出した、
前に俺が魔法の玉を貰いアトラス達に詳細を伝えたんだが・・
「その魔法の玉はもっとないのか?急ぎあるだけ手に入れてくれ!」
と言うのでパープルデーモンの王と相談、5つならOKと言われた、
ただ自分の領地に戻らないと無いらしく俺達も同行する事となった。
先頭にパープルデーモン王の乗る船、それを護衛する5隻の石の軍船、
その後ろに大和、右に紀伊、左に武蔵、後に信濃が陣を組んで巡航、
4隻の真ん中には手土産を満載した輸送重巡3隻が航行している。
この輸送重巡は到着後パープルデーモンの王に進呈することになっている、
ブルーからパープルまでは相当距離があるので重巡を渡すことにした、
今後ブルーやイエロー、ホワイト達との貿易の為に使うそうだ。
艦の指揮をライアン達に任せ俺とエリーナ、タケシとサユミが信濃に集まる、
俺達は移動中レベルアップの為魔法の玉に入り光のモンスターと戦うことにした、
万一に備えオリハルコンの鎧や聖刀、銃や非常食などを装備、収納している。
6人まで入れると聞いてはいるが・・
今回はあえて4人だけで入る。
理由は他の特級クラスを艦の守り就かせたから、万一に備えてだ、
まだ動向不明なグリーンやレッド、ブラックデーモン達・・
これらが攻めてくるかもしれないので俺達だけで入ることにした。
「準備はいいか?」
「いいわよ!」
「こちらも大丈夫です」
「いつでもどうぞ」
・・・
タケシ君とサユミ君・・
「なんです??」
なんで君達は忍者姿なんだ?
「この格好の方が気合いが入るからです!!」
・・・
まあいいけどさ・・
呆れる俺を宥めるエリーナ、タケシとサユミは戦闘態勢、
まだ入る段階だから気合いは抑えろと言ったんだけど・・
・・・
聞く耳持たないのでほっとくことにした。
「さあ入るぞ!」
「いいわよ!」
「忍!」
「猫に代わってお仕置きよ!」
意味不明なのがあったが・・まあいいや、俺達は玉の中に入る、
なんか森の中に入ったような感じだ、明るいし普通に呼吸もできる、
しばらく歩いていたら・・外に出る為の光り輝く壁面が見えてきた。
それから100m程離れた所に魔法の玉のような物が玉座に置いてあった、
その玉にはA4サイズの紙が入る位の割れ目があった、おそらく・・
この中に絵柄などを入れると幻が出てくるらしい。
「試しに弱いモンスターカードを入れてみたら?」
「ああ・・そうしてみるか」
俺は戦闘力800、守備力500のゲルぺロスカードを割れ目に入れた、
すると玉は輝き・・上空から光の球が落ちてきてモンスターに変換された、
俺達の目の前には・・今にも攻撃しそうなゲルぺロスがいた。
「グルルルルルル・・・・」
「ガァ~~~!!!」
ゲルぺロスが襲いかかってきた、俺を狙っているようだ、
すぐさま俺は聖刀「大和」を展開、ゲルぺロスを斬ろうと・・
「忍!」
「お仕置きよ!」
タケシとサユミが俺を飛び越えてゲルぺロスに聖刀攻撃、
「紀伊」「信濃」を展開した2人はゲルぺロスを4等分に斬った!
「ギャアアアアア・・・・」
ゲルぺロスは倒れ・・煙になりその場から消えた。
キィイイイイイイン!!
光がサユミを包む、どうやらサユミの一撃が最後の攻撃らしい、
サユミはゲルぺロスの力を吸収、戦闘力が80ほど上がったようだ、
どうやら魔物カードの場合・・倒した相手の一割を奪えるようだ。
その後も戦闘力1000前後の魔物を複数展開、どんどん倒していくが・・
「忍!」
「お仕置きよ!」
「ハァァァァァァァ!」
・・・
サユミとタケシ、それとエリーナが次々と魔物を倒していく。
・・・
・・・
俺は・・・
「さあ次々展開して!一気にレベル上げるわよ!」
「わかりました!お任せください!」
「忍!忍!!」
3人がその都度・・
俺が戦うはずの魔物を・・
割り込んで倒すので・・
「さあ次よ!あなた早くカードを入れて!」
俺は30分経過しても・・
・・・
一匹とも戦う事はなかった。