神族の激と各種族の焦りとパープルデーモンへの質問
この異世界で強大な力を持つ天聖族!それを遙かに超える・・
「神族」
その力は圧倒的だった!
本気で戦おうとしたヘミニとエスコルピォの火球と水球を瞬殺した、
これに驚いた2人は・・空中に浮かびながら聖域方面に膝をつく。
そして・・「神族」の声が聞こえてくる・・
「ヘミニ!エスコルピォ!これ以上の争いは私が許しません!」
これを聞いたヘミニとエスコルピォは・・
「は・・はい・・」
「申し訳ありませんでした!」
深々と頭を下げ・・黙り込んだ。
・・・
これを見ていたデーヴィド達は冷や汗をかいていた、というのも・・
ヘミニ達が展開した火球や水球は驚愕レベル、戦艦以上の攻撃力、
モンタナの艦砲射撃でも火球水球を砕けるかどうか疑問だったからだ。
その火球水球を一瞬で無効化する神族の攻撃は・・ただ驚くだけ、
その聖級や神族が戦う敵が存在するという事実を俺達は痛感した、
まだまだ未知で強大な種族がいることを・・改めて思い知る。
今のままではまずいと思ったデーヴィド達は・・
艦隊だけでなく・・
個々もレベルアップするべきだと意識していた。
そのためには・・
まずヘミニたち天聖族の力が必要だと深く痛感、鍛えてもらう必要がある、
特級でも上位のレイミが聖級のヘミニには全く歯が立たなかった、さらに・・
ほぼ互角レベルの14天王達も・・聖級には歯が立たないと語っていた。
ちなみに・・
俺との結婚相手を厳選していたレティシア達、ほぼ人選は完了したらしい、
だが天聖族の登場と神族の強さを痛感し結婚どころではないと考えている、
今は己を鍛え・・強さを養うべきだと考える天使族が多数を占めていた。
だが・・
次の世代も大事なので14天王を2つに分け片方に子作りを集中させる、
残りは・・聖級レベルまで上げて未知の敵に備えるべきと検討を始めた、
部下達も・・現状よりレベルアップするべきだと皆が本気で考えていた。
この辺はガルーダやグリフォン・ワイバーン達も同じ気持ちだった、
さらに各大陸の住民も・・来たるべき敵に備える必要性を痛感していた、
今後聖級・神級クラスが手に負えない敵が来るかもしれない・・
そう思うと・・皆の焦りの気持ちが止まらなかった。
その背景には・・
もう二度と・・
昔の貧困生活には戻りたくないという気持ちが半端なかった、
苦労して築いた今の世界を未知の敵に滅ぼされたくはない・・
皆で築いたこの世界を守るために・・もっと強くなりたい・・
・・・
・・・
静粛の中・・
ヘミニとエスコルピォが立ち上がる、どうやら神族は眠りに入ったようだ、
お互いを見つめ合い・・頷く2人、これ以上戦うと怖いお仕置きが来る・・
その恐怖に怯えた2人は・・
「ヘミニ~~さっきはこめんね~~!」
「ううんエスコルピォ!私もごめんなさいね~~」
と・・
必死で仲直りをアピール!手をとりあい踊っていた。
・・・
さっきまでの衝突はどこへやら・・あまりの豹変ぶりに呆れる面々、
しばらく経った後・・デーヴィドが我に返り急ぎヘミニに電話した。
「ヘミニさん、デーヴィドです、戦いは終わったのですか?」
「あっデーヴィドさん!ご心配をおかけしました、もう大丈夫ですよ!」
「それはよかった、・・ところで相談があるのですが・・」
「えっ?何でしょう?」
「ここではちょっと・・出来ればお隣の方も一緒に来てほしいのです、
詳しくはルーム国でお話をしたいので・・そう伝えてもらえませんか?」
「えっ?・・ちょっとお待ちください」
ヘミニはエスコルピォにデーヴィドのお願いを伝える、
それを聞いたエスコルピォは・・
「いいわ、私も同行します!」
「よかった~~じゃ一緒に行きましょう!」
「そうね・・行きましょう」
余程神族が怖いのか・・2人は手を繋いで戦艦モンタナに降りる、
モンタナはじめ各艦は反転、ルーム国に向かって巡航を始める、
デーヴィド達はエスコルピォに挨拶、ヘミニと同じ扱いとして歓迎した。
デーヴィドはモンタナの食堂に2人を案内、最上級の料理を出した、
エスコルピォは驚愕、質素な料理しか知らない彼女は震えていた、
こんな料理を・・隣のヘミニは喜びながらしっかり食べていた。
ここでクリスティーナが一言!
「お友達の方々もいかがですか?料理は用意してあります」
クリスティーナの合図が出る、メイドさん達がさらに料理を持ってくる、
その数4人分・・するとヘミニとエスコルピォのそれぞれの隣に・・
「お心遣い感謝します!」
「ありがとうございます、私達も頂きます」
透明化を解いたアリエスとサギタァリオ、ポカンと驚く2人。
「お・・お前ら~~いつからいたんだよ~~」
「もう!いたなら私達を止めてよ~~!」
「その前にあなた達が暴走したからよ、私達に非はないわ!」
「そうそう、いい薬よ」
何とも言えない顔でうつむくヘミニとエスコルピォ、
アリエスとサギタァリオは2人を無視して食事を食べ始めた。
「う~~ん美味しいわ~」
「この味最高だわ!もっと欲しい!」
その後ヘミニたちも気持ちを切り替えて食べ始める、すぐに完食、
デーヴィドが追加を指示、それらもあっという間にテーブルから消える、
天聖族4人の胃袋は驚異的で・・調理場の食材は30分で半分が消えた。
そのころ・・
ブルーデーモン領地で復興の手伝いをしていた俺達第7艦隊、
ある程度復興が進み皆に余裕が出来てきたようで娯楽を求めてきた、
俺達の文化が気になるらしく様々な質問が飛び交っていた。
それらの返事はライアンとジェニー達が対応、簡易学校を造っていた、
まずはトランプ、オセロ、チェス、絵描きなどの室内での娯楽関係、
屋外ではサッカーや野球、ラグビーなどを教えていた。
俺はエリーナと一緒に王城に出向きブルーデーモン王達と対談していた、
居るのはイエロー、ホワイトの王とその側近、それとパープルデーモン王、
復興中だったのでしばらくの間王城で待ってもらっていた。
ちなみにアレスやリン達はサユミとタケシ相手に中断していた決闘の再開、
まあ真剣ではなく木刀で魔法等は封じて己の肉体だけでの戦いをしていた、
かなり白熱した試合になり・・なんとかサユミとタケシが勝利を収めていた。
その後・・・
アレスとリン達はタケシとサユミが開いた忍者教室で修業を開始していた。
・・・
これに関しては深く見ないことにした。
それと・・・
デーモン達は名前の通り怖い顔をしているのだが・・最近は人間の顔、
なんでもデーモンの顔だと牙が邪魔でラーメン等の麺類が食べにくいらしい、
そのためか人間の姿になりラーメンをはじめ俺達の料理を楽しんでいる。
そのため・・
俺達が伺ったデーモンの領地では・・
驚くほどの美男美女が溢れているので・・
・・・
俺とエリーナは・・嫉妬の炎が背中から出ていた。
それはさておき・・
今回王達が集まったのはパープルデーモンの王が来たこともあるが・・
そのパープルデーモンは第7艦隊の設備に釘付け、欲しいと駄々をこねる、
俺達としてはまだパープルデーモンとは同盟関係ではないので断る・・
「あなたたちとの同盟ですか?もちろんオッケーです!」
あっさり同盟が成立した。
彼らが欲しいのは通信機やレーダー、他に実験で使えそうなもの、
具体的にはアルコール類等の薬品、あと調味料を熱望している、
対価は・・希望があれば出来るだけ用意すると言っている。
ちなみにパープルも他の天聖族もすぐに俺達の言葉を理解していた、
今迄が複雑すぎることもあり日本語と英語はシンプルでわかりやすいらしい。
・・・
そうなのか?
・・・
まあルーム国民たちもすぐ理解していたので・・
そういう事だと・・俺は無理やり納得した。
それと
パープルデーモンは研究熱心となんとなく聞いた記憶があるので・・
俺は試しにあることを尋ねてみた。
「物体を重たくする魔法か装置・・ですか?」
「はい、私がいた世界での仮想なんですが・・」
「それをどうお使いする気なのですか?」
「身体を鍛えるのに最適だと思いまして・・これなら日常でも使えます、
無理ない範囲で少しずつ自分を重くすれば自然と身体を鍛えられます、
あなたたちは研究熱心だと聞いているので試しにお尋ねしたのです」
「なるほど・・似たようなものならありますよ」
「えっ?それはどういうものですか?」
「本来は雪を圧縮して保存するために用いる装置なのですが・・
改良すればあなたの希望にお応えできるかもしれません」
これを聞いた俺は・・
内心ワクワクしていた。