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「神族」の存在とボコボコにされるマテオ




俺の考える「神」とは神秘の存在で・・絶対無二の存在と思い浮かぶ、

その力は強大で天地を動かし悪を消し去るこの世で最上位の存在、

その考えに間違いは無く・・人々は神の教えを守り崇拝してきた。



と・・



俺はなんとなしに「神」をそんな存在だと思っていたが・・



・・・



この異世界では・・ちょっと違うらしい。



強大な力を持つことには変わりないが・・ただそれは外敵に対してのみ、

召喚が日常化しているこの異世界ではあらゆる世界からの召喚が絶えない、

そのため・・特級クラスが手に負えない相手には天聖族が出撃し蹴散らす。



だが・・



その天聖族でも手に負えない得体のしれない敵には神族が動くらしい、

ただ普通は特級クラスでも十分対応できるので天聖族も静観を保っていた、

しかし・・先般カラスの巨大版等が無数に出たので天聖族も動いた。



と・・



カオルを抱いてご満悦なヘミニが満面の笑顔で質問に答えていた、

それを聞いていたクリスティーナが・・頷いていた。



ちなみに・・



「妹がご無礼を働きました!」



と・・



クリスティーナ達がヘミニに土下座し謝罪したのはレイミの事だ、

レイミはクリスティーナから見て姉の夫・・妻の1人ソニアの孫、

そのため姻族関係になるので義姉としてヘミニに謝罪したのだ。



この時理由も話した、レイミが暴走・・



ではなく天聖族の噂を聞き力試しをしたかったからと・・



この辺はクリスティーナが言葉を変えヘミニに説明した。



ちなみに実年齢としてはレイミの方がはるかに年上なんだが・・

ただ人間年齢に換算するとクリスティーナの方が年上になるらしい、

そのため「義理の姉」として頭を下げたそうだ。



本当はおば・・これ以上は俺の口からは言えない。



これに関しては俺達に非がある、そのため代表として謝罪したのだ、

このことを理解したヘミニは・・



「あ・・ああ・・あのドラゴンね、もういいわよ気にしていないから・・」



ヘミニは特に気にしてなかったようで・・謝罪を受け入れた。



それと・・



ヘミニがなぜ正体を明かしたのか?



それは戦艦モンタナの最重要拠点である指令室に連れてこられたから。



彼女は瞬時に悟った!



自分が危険な存在だと思われているなら・・絶対ここに案内される事はない、

それと同時に・・指令室に案内しても信用できる相手だと判断されたから・・



・・・



ここまでされたら正体を明かさない訳にはいかない、天聖族の誇りもある、

相手が自分を信じてくれるなら・・自分もそれに応えないといけない・・

模範となるべき行動を求められる天聖族、ヘミニはそう思い正体を明かした。




その後クリスティーナがヘミニに「天聖族」の事を尋ねた、

一体どのような存在なのか・・ヘミニはゆっくり語り出す。



「天聖族は「神族」に仕える配下種族です、主な任務は下界の監視、

今回のように得体のしれない敵が召喚された時に出撃しそれを倒します」



「「神族」とはどういう存在なのですか?」



「私達が手に負えない時に動くこの異世界で最上位の存在です、ただ・・

強大すぎる力の持ち主なので魔力や体力の消耗が極度に激しいのです、

そのため普段は・・というかほとんど寝ていますね」



「えっ?寝ているんですか?」



「はい、大概は私達で事が足りるので神族は眠ったままです、ですが・・

時々体力維持の為飲食を求め起きてきます、その時は大変でした・・」



「どうしてですか?」



「食べる量が半端ではないからです、おそらくドラゴンでも勝てません、

体格は私達と同じように人間の姿をしているのですが・・

どこにそんなに入るのかと・・いつも疑いながら食事を出していました」



・・・



ヘミニ君!



君も人の事・・いや神のことは言えないんじゃないのか?



君もルーム国で相当な量を食べていたが・・



その辺はどうなのかな?



俺のツッコミを完全無視したヘミニが・・本題を語る。



「私がこの度下界に降りてきたのは・・ある軍人と話したいからです、

その方は・・私に抱きつき自爆しようとしました、なぜそのような・・

無謀なことができるのかと・・疑いが晴れないからです」



「それなら・・当のこいつに返事させるわ!」



なぜかレイナが例の軍人を・・首根っこを掴んで連れてきていた、

さらに彼は電撃を受けたらしく半分黒焦げとなり煙吐いて気絶していた、

さらに頭にかなりのたんこぶ・・俺はこいつに・・



「マテオ」



と仮名を考え・・名付けた!



まあ理由は・・特攻は「マテオ」というダジャレが思いついたから、

ただ当の本人は・・なぜか知らないがこの名前が気に行ったそうだ。



それはさておき・・



レイナがマテオを無理やり連れてきたのは・・配置転換の為だそうだ、

第5艦隊のパイロット達は血気盛んで・・マテオもその影響を受けた、

万一の時は特攻も辞さない彼らに影響され機から出て攻撃を行った。



これを問題視したのがレイナ、ただでさえ戦闘機のパイロットは超危険、

そのため戦闘時には機内に結界を展開しパイロットを守る工夫がされている、

さらに緊急時には脱出、瞬時に転移魔法が働き母艦に帰れるようにしている。



ただ・・



今回のように自分から機を出た時は・・これらの魔法は展開出来ない、

このような行為まで魔法で制御すると機体の整備等が出来なくなるからだ、

そのため止むを得ない時を除き機体から出ないことが義務付けられていた。



だが・・



戦闘機のミサイルや機銃が通じない相手に・・拳銃や聖剣攻撃・・

マテオの場合どう考えても無謀としか言いようのない行為を行っている、

そのためレイナは厳重注意、さらに第1艦隊に転属するように命じたが・・



「嫌です!俺は第5艦隊の仲間たちと一緒に居たいんです!」



「これは命令です!急ぎ第1艦隊に転属しなさい!」



「そんな横暴な命令は聞けません!」



先般配置転換の時・・無謀とも言える命令は無条件で拒否できる!

と決めていたのでマテオは命令拒否、それに怒ったレイナは・・



・・・



「どこが無謀な命令なのよ~~黙って転属しなさい~~!」




ビッガ~~~~~~~ン!!




「ギャァァァァァァァァァ~~~~~~~~!」




猛烈な雷撃をマテオに浴びせる!マテオは半分黒焦げとなり気絶した、

レイナは気絶したマテオの首根っこを掴んで・・第1艦隊に連れてきた、

その際まだ腹が立ってたので頭をボコボコに叩いたそうだ。



・・・



レイナさん・・お仕置きはお手柔らかにお願いします。




早速マテオに質問・・



彼は気絶していたので急ぎルミナが回復魔法、彼はまだ気絶している、

それを見たレイナが銀色のピコピコハンマーを展開、思いっきり叩く!



ピコ!



ピコ!!



ピコピコピコ~~~!!!



それで起きるのか?




「う・・うぅ~~~ん!」




マテオは目覚めた!



それをカオルを抱いて見ていたヘミニは・・なぜか目が輝いてる。




「あ・・あの武器は何と言うのですか?」




なんでピコピコハンマーが気になるんだろう?



「これでよかったら差し上げるわ!」



「あっ・・ありがとうございます~~!」



銀色のピコピコハンマーを貰ったヘミニは・・ご満悦な顔をしていた、

ちなみに・・なぜかカオルはヘミニから離れない、離そうとすると・・




「ウ・・ウ・・ウェェェェェェェェ~~ン!!」




大号泣を繰り返すのでヘミニがそのまま抱いていた。



実の親であるクリスティーナは・・すごくはぶてていた。



それはさておき・・



目覚めたマテオを着替えさせ・・別室で今迄の経緯を彼に教えるレイナ、

そして無礼は絶対するなと厳命、前に雷撃を受けたマテオは慌てて頷く、

レイナを怒らせると超危険だと理解したマテオは・・素直になっていた。



そうして・・



クリスティーナ、レイナ、ルミナ達が立ち会いの元マテオとヘミニが対面、

ヘミニから離れないカオルを見たマテオは・・



「あ・・あなたの子供なんですか?」



この言葉を聞いたヘミニは・・顔を真っ赤にしていた。



「そんなわけないでしょうが~~!」



なぜかレイナに蹴飛ばされるマテオ、彼は思いっきり吹っ飛んだ、

それを見たカオルは・・なぜか怯えクリスティーナの元に帰ろうとする、

自分の所に帰ってきたカオルを抱えたクリスティーナは満面の笑顔だった。



ヘミニは・・何とも言えないような顔をしていた。



「いててててて・・」



ルミナが急ぎ治療して椅子に座らせる、なんかお見合いのような雰囲気だ、

なぜか顔が真っ赤になるヘミニ、マテオはヘミニを見て・・尋ねた。



「俺・・いや私に尋ねたいことがあるそうですね?何でしょうか?」



やっと本題に入れそうだ。



「えっ・・ええ・・あなたに尋ねたいことがあるんです」



「それは何ですか?」



「はい・・なぜ私に向かって特攻してきたのですか?失礼ですが・・

あの時あなたが私に勝てる要素は皆無です!それなのになぜ・・」



この言葉を聞いたマテオは・・即効の返事。



「簡単です!大切な人や仲間を守るためです!他に理由はありません」



これを聞いたヘミニは・・



「そうなんですか・・」



なぜか涙を流し・・



泣き出した。




















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