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ヘミニ・ヴァレンシアのルーム国での愉快な偵察観光




天聖族の聖級隊長ヘミニ・ヴァレンシアは闇に紛れルーム国に降り立った、

自分の力は封印して周りと同じ位の強さ・・中級レベルまで下げた、

このこともあり・・俺達は全くヘミニに気付かなかった。



ヘミニをはじめ天聖族は皆髪で顔を隠してはいるが・・全員かなりの美女、

今回ヘミニは目立たないよう落ち着いた雰囲気の普通の女性に変装している、

警備の目をかいくぐり島に上陸・・夜明けが近づいてきた。



ちょうど東の大陸から来た輸送重巡5隻がルーム国に入港してきた、、

そこからヘミニと同じ位の女性・・20代位かな?相当の人数が降りてくる、

どうやら団体旅行のようだが・・個人旅行で来た者も複数いるようだ。



ちなみに現時点行動規制はかけていない、物流を止めることに反対された、

天聖族のことは各種族とも相談したが・・どこに居ても戦闘の時は戦闘になる、

万一の時は近くの部隊に合流して戦うからと言うので規制はかけなかった。



ヘミニはその中に紛れ・・早速検問に引っかかる!



「あなた身分証明書は?」



「えっ?ええ・・あの・・」



俺達はスパイ対策の為身分証明書を造りそれを各種族に渡していた、

だが数が多すぎるので全員にはまだ行き届いていない、そのため・・



「え~~まだもらっていないんですけど~~!!」



ヘミニの3つ隣の女性が必死に訴える、この女性は本当にもらってない、

そのため・・



「そう・・わかったわ!仮の証明書を出すからこっちに来て!」



「ありがとうございます~~!」



どうやらこの女性は友人がルーム国に行くからと無理やりついてきた、

そのため身分証明書を貰う前に輸送重巡に搭乗、あとから気づいたらしい、

それを見て瞬時に状況を把握したヘミニは・・涙目のフリ・・



「すみません、私も駆け込みで乗ったので身分証明書貰ってないのです・・」



わざとらしい演技だが・・



おばさん検査官はこの手の扱いが多かったので疑わなかった!



「そう・・じゃああなたもこっちに来て!仮の証明書を発行するわ!」



「ありがとうございます~~~」



ヘミニは別室に連れて行かれ・・



「あなたお名前は?」




「えっ?ああ・・ヘミニ・ヴァレンシアと申します」




仮の名前そのまま使うのかよ・・




「ヘミニさん写真撮るからそこに座って!」



まずは証明写真を撮る、自分の顔の写真に驚いていた!!



次に住所、どこに住んでいるかと聞かれ思わず聖い・・



「いえいえ東の大陸のヤマダさんの村です~~!」



これは以前部下が偵察の為東の大陸のヤマダさんの村に行ったらしい、

そこで・・なぜかアニメキャラを描く仕事に夢中になって偵察を忘れた、

上司のカンセェが怒っていたのを見ていて思い出したらしい。



「わかったわ!ところであなたスマホは無いの?」



「えっ??スマホですか?」



これに関してはヘミニは知らない、1人一台手渡ししていたから当然、

身分証明書より早くスマホを支給しているので全員に行き届いているはず、

疑いの目を向ける検査官、まずいと感じたヘミニは・・苦し紛れ!



「じ・・実は・・スマホを海に落としたのです・・」



当然真っ赤なウソ、だが検査官はヘミニが輸送重巡で来た者と思いこむ、

実際戦闘などでスマホを海に落とす者は数多くいるので・・・



「そう・・わかったわ!スマホも新しく支給します!」



「あ・・ありがとうございます」



「そうなればスマホチャージも消えたようね、あなた今お金持ってるの?」



「えっ・・いいえ全然持っていません」



「そう・・緊急支援金として10万ギルチャージしておくわ!」



「えっ??・・・あ・・ありがとうございます」



ギルの意味がよくわからないヘミニだったが・・貰えるなら貰いましょう、

なぜかしたたかな気分となりスマホと仮の証明書をGET!内心ウフフ顔、

そして検問を出る、目の先には駅が見えた、そこに向かったヘミニは・・



グゥゥゥゥゥゥ・・



美味しそうな匂いに思わず腹が鳴る、ここは城下町駅だ、ここには・・

ハンバーグとステーキ、鶏からもどきの匂いが辺りを包んでいた、

質素な料理ばかり食べていたヘミニは・・思わず店に入り席に座る。



「いらっしゃいませ~~なにになさいますか?」



店員さんがメニューを持ってきた、ステーキや鳥からが載っている、

ヘミニは・・よくわからないので適当に美味しそうなものを指さす!



「こ・・これお願いします」



「ありがとうございます~~2千ギルとなります!」



「えっ・・??2千ギル??」



「スマホ決算が便利ですよ~~」



「えっ??どういうこと?」



店員さんはヘミニからスマホを預かり手際よく決算!



チャリ~~ン!!!



支払いが完了した。



「ありがとうございます~~しばらくお待ちください~~」



しばらくしたらステーキセットが目の前に並ぶ、ヘミニは目を丸くした、

肉なんて何年ぶりだろう・・それも前に食べた肉はしゃぶしゃぶの感じ、

タレはないのでそのまま食べて水っぽい味だったのを思い出したが・・



・・・



目の前のステーキは濃厚で特製のタレがたっぷり、ヘミニは唾を飲む、

他の席を見ると・・ナイフとフォークを使い肉を切って食べている、

それを真似するヘミニ、そしてステーキを口の中に入れると・・・



・・・



・・・



!!!!!!!!!!!!!!!




「ウ・・ウウウウウウウ~~~ン!!!」



言葉では表せない位美味しかったのだろう、その後は無我夢中で食べる、

気が付けば皿まで舐めていた、即座に追加注文、3人前を一気に食べた、

それを見ていた店員さんが呆れながらも笑顔で粋なサービス!



「お客様~~このアイスはサ~ビスです~~、よかったらどうぞ!」



・・・



ヘミニは初めて見るアイスに目を丸くする、これは一体何なんだろう??

恐る恐るスプーンでアイスをすくいゆっくり口に運ぶ・・そして・・



・・・



・・・



!!!!!!



「あ・・甘い!甘すぎるわ!!!!!」



猛烈に感動したヘミニは無我夢中で食べる、一瞬のうちに完食し店を出る、

ある程度流れが理解できたので出店で買い食い、椅子に座りながら食べまくる、

一息ついたらスマホで調べ・・驚くことに1時間で俺達の全体を把握したようだ。



ちなみにヘミニは軍艦整備港駅も立ち寄った、停泊中の軍艦が多数・・

彼女は食べ物に夢中、カレーとパンケーキもどきに視線が集中していた、

そのため本来の目的は・・完全に忘れていた。



その後はスマホを使いきっぷを買い各地を視察・・と言う名の食べ歩き、

細身の身体のどこにそんなに入るんだろう・・と思える位食べている、

次にエステやマッサージ、ホテルに泊まり露天風呂まで楽しんでいた。



ふんわりベットに感激のヘミニ、子供のように飛び跳ねて遊んでいる、

さらにTVをつけ恋愛ドラマに釘付け、徹夜で最終話までしっかり見ていた、

そうして・・ドラマに出てきた王子様と結婚する夢を見ながら爆睡していた。



このような状況が3日ほど続き・・



10万ギルが無くなったので急ぎ聖域に戻るが・・・



・・・



「で?あなた何しにルーム国に行ってきたの?」



エスコルピォが冷めた目でヘミニを見つめる、ヘミニは顔を下げたまま、

戦うかもしれない相手の領地で遊んでいたとは口が裂けても言えなかった、

なんとか筋の通る言い訳を・・スマホを手に入れたのを思い出した。



「エスコルピォ!私偵察ですごい物を手に入れたのよ!ほらこれよ!」



ヘミニは急ぎ収納魔法からスマホを取り出したが・・



・・・



「なによこの板みたいなもの?全然動かないわ、何なのコレ?」



ヘミニは充電を忘れていたのでスマホは電池切れを起こしていた。



・・・



気まずい空気の中・・カンセェがこちらに気付き歩いてきた。



「あらヘミニ?あなた気になる軍人を調べに行ったんじゃないの?」





「すっかり忘れていたわ・・」



ヘミニは・・



「エスコルピォごめんなさい!私もう一度ルーム国に行ってくるわ!」



急ぎダッシュ!エスコルピォを振り払うかのように高速移動を開始した。



「待ちなさいヘミニ!まだ話は済んでいないわ!」



エスコルピォも負けじと追いかける、彼女はかなりの生真面目のようだ、

ヘミニの態度からして遊んでいたのは明白、これでは部下に示しがつかない、

とっ捕まえて独房に・・一瞬の差でヘミニは聖域からの脱出に成功した。



ヘミニはそのまま落下、エスコルピォは聖域の中で悔しがっていた、

何とか危機を脱したヘミニは・・ほっと一安心もつかの間、今は昼間、

そして落下した先には・・



・・・



「天聖族は攻めてくるかな?」



「それはわからないわ、でも万一に備えないとね」



「そうですね、いきなり来るかもしれないし・・」



「そういう事!しっかり見張りましょう!」



デーヴィド率いる第1艦隊が待ち構えていた。

















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[一言] 天聖族の攻略は胃袋から!(今までと全然変わらない?)
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