「特級」を超えた「聖級」天聖族に決闘を仕掛けるレイミ
天使族達は聖域のしきたりに耐えられなくなり白の大陸に逃げ込んだ、
だが・・なぜ天聖族は天使族達を連れ戻さなかったのだろう?
カオスもこれに疑問を抱いたようでベアトリス達に尋ねていた。
「戻るようにとのお告げはあったらしいのですが・・親達は拒否しました、
もう戻りたくないと泣きながら駄々こねて・・天聖族も諦めたようです」
「えっ?そんなにあっさりと?」
「はい、天聖族からすると天使族はしきたりを守らない問題児・・
そのため深く追求せず好きにしろと言われたそうです、おそらく・・
天聖族も天使族がいなくなったので内心ほっとしていたようです」
・・・
マジで問題児だったんだな。
ちなみに・・
「天聖族」
は天の聖域を守る聖なる存在と位置づけされていた、それもあり神に次ぐ存在、
そのため力も強大で特級を超える「聖級」クラスが多数存在しているらしい。
「天使族」
は天に使える者として扱われ、その文字の通り使い扱いで天聖族の一つ下の存在、
その力は中級から特級までと幅広く、欲望が強いので規律を守らないこともある。
天聖族から見ると・・
天使族は我侭で規律を守らない困った存在なので正直うっとおしいと考えてた、
そのため逃げ出したことは天聖族達にも・・内心すごく喜んでいたらしい。
これを聞いたレイナが・・即座にベアトリス達に尋ねる。
「でも天使族は白の大陸で我侭尽していたのでしょう?
なぜ介入しなかったの?監視してたはずだからわかっていたはずよ」
これに関しては・・アリエノールが答える。
「天聖族は私達に戻ってほしくなかったのです、そのため放置してました、
もし介入すると・・降伏した天使族を養うため聖域に戻さないといけない・・
せっかく追い出したのに戻ってこられたら迷惑と考えたのでしょう」
なんじゃそれ?
「要するに・・天聖族達も厄介払い出来たと?」
「そう親から聞いております、でも親達のその後の行方は分かりません、
おそらく・・私達は幼いので天聖族は放置することにしたのでしょう・・
それ以降は・・ご存じの通りです」
これを聞いたカオスは・・一旦会議を切り上げ解散、カラミティ達は帰った、
現時点天聖族は全員聖域に戻ったらしい、天使族たちも各艦に移動する、
だが・・ベアトリスとレティシア、それとレイナが会議室に残る。
カオスは俺とデーヴィド、エリーナやサユミ、タケシ等とリモート会談を希望、
だが俺達第7艦隊の面々は裏世界でブルーデーモンと交戦中のため連絡取れず、
そこでカオスはデーヴィド等通信が可能な面々と会議、これらを録画していた。
後日そのやりとりは・・
届いたDVDを見て俺達は知ることとなる。
その内容はこうだった!
「なるほどな、天使族の上がいたわけか・・それらは攻めてくるのか?」
「カラミティの話だとそれは低いらしいが・・こちらの動き次第では話は別だ」
「ちょっと待って!私達が天聖族を攻める理由はないのですが・・」
この会議には・・出産を終えたクリスティーナも参加、男の子を出産していた、
その名前は・・
「カオル・クロフォード」
当初はデーヴィド・ジュニアと命名しようとしたデーヴィドだが妻たちが却下、
クリスティーナが秘かに考えていた名前、この時代を生きる魁となってほしい・・
それを夫の言語・・英訳したらカオルと聞いたのでそう名付けたそうだ。
名前を却下されたデーヴィドは・・
しばらく部屋で拗ねていた。
それはさておき・・
現在カオルはメイドさん達が面倒を見ているようだ。
クリスティーナがさらにベアトリスとレティシアに尋ねる。
「こちらの動き次第だと言う根拠はなんですか?」
「今私達の同盟や貿易関係は数多い、その中に隠れて召喚を繰り返す者が・・
もし先で見つかれば天聖族は我々を警戒します、最悪攻めてくることも」
「それは・・貿易が盛んな相手・・海賊や商人達が可能性高いな」
「それもありますが・・」
ベアトリスはなぜか・・その先は言わなかった。
クリスティーナが空気を察知して・・話題を変えあることを尋ねる、
それはカラスの巨大版がどうして召喚されたのか?その原因を尋ねた、
ベアトリスが言いにくかったことは・・後で聞こうと考えたようだ。
「そうだな・・それを調べてみるか・・」
カオスが急ぎ人工衛星の軌道を南の大陸の奥に向けた、そこには・・
大量のカラス達の死骸が落ちていた、そして崩れた本拠地らしき建物、
どうやらこの建物の中で怪しい輩たちが召喚を繰り返していたらしい。
その時・・
天聖族らしき人物が数名飛んできて建物の中に入る、調査に来たようだ、
その画像は・・戦艦榛名に乗っていたレイミもしっかり見ていた、
天聖族を見たレイミは・・なぜか方角を確認した後榛名の艦首に向かう。
「あれ?あれレイミさんじゃないのか?なにしてるんだ?」
「さあ・・?」
榛名の乗務員が首をかしげていると・・レイミは本体を異空間から召喚、
本体に乗り移り急ぎ飛んでいく、向かう先は南の大陸の奥の方角のようだ、
驚いた乗務員たちは急ぎレイナたちに報告、レイナ達は驚きを隠せない。
「えっ?レイミさんが?」
「おかしいな、出撃命令は出してはいないが・・」
これを聞いたベアトリスが・・青ざめた顔で艦載機に追うよう指示した、
すぐさま航空母艦蒼龍と飛龍の艦載機が出撃、約60機が急ぎレイミを追う、
青ざめ震えるベアトリス、それをカオス達がなぜかと尋ねる、すると・・
「お・・おそらくレイミさんは天聖族に決闘を仕掛けるつもりだと・・」
「なんだって?なぜそうなるんだ?」
「わ・・私の失言です、レイミさんは自分の強さに自信を持っています、
そのため・・それ以上の存在が許せなかったのだと思います・・」
この知らせを聞いた戦艦霧島のショウも急ぎ本体を呼び出しレイミを追う、
第4艦隊の半分と第5艦隊は全速前進、レイミの後を追った。
「カオス達は増援を要請して!最悪天聖族との戦闘になるわ!」
「わかった、増援が来たら急ぎ後を追う」
カオス率いる第4艦隊の半分はここに留まり増援を要請、他も動き出す、
デーヴィドは第1艦隊に乗り込み出撃、第2艦隊も緊急出撃準備に入る、
第3艦隊と第6艦隊はルーム国に留まり本土防衛に備えた。
他の大陸にも緊急連絡、皆は戦闘態勢となり万一に備えた。
そのころ・・
怪しい輩たちの本拠地を調べる天聖族達、地下で召喚していたらしい、
聖域からは地下は見えないため調査に来たらしい、既に輩たちは全滅された、
そして召喚に関わる道具類が散乱していたので回収、次々と砕いていった。
「隊長!この本拠地は調べ尽くしました」
「わかったわ、全員外に!この建物は完全破壊します!」
「了解!」
天聖族達は全員外に出る、そして隊長が魔法弾らしき弾で本拠地を破壊!
ズズズーーーーーン!!!!!
本拠地は跡形もなく砕け散り・・天聖族達は聖域に帰ろうとした。
その時!
スノードラゴン状態のレイミが到着、そして人型に戻る。
「・・私・・あなた達と戦うわ・・」
状況が理解できない天聖族達は・・
「あら?あなたスノードラゴンなのね、私達と戦う?どうして?」
当然の反応だろう・・
「・・うるさい!・・」
レイミは問答無用で攻撃を仕掛けた、天聖族達は散開し応戦した、
天聖族達は全員特級レベルだが・・どうやら部下は中の下らしい、
特級でも上位のレイミには歯が立たず次々と叩き落されていった。
ギャア!
グェ!!!
部下は・・殺されてはいないが叩き落され相当苦しんでいた、
それを見た隊長が全員に治癒魔法、光の球が次々と現れ部下を治す、
そして・・
「お前たちは手を出すな!私がこのドラゴンを退治する!」
それを聞いたレイミは・・
隊長だけに照準を向け・・
「ハァァァァァァ!!!」
攻撃を仕掛けた。
そのころ・・
急ぎレイミを追った蒼龍と飛龍の艦載機が現地に到着、レイミを探す、
そして戦闘らしき光の衝突が見えたので急ぎその場に駆け付けた、
そこには・・
「う・・嘘だろ・あのレイミさんが・・」
「き・・巨大なゴーレムも吹き飛ばしたレイミさんだぞ・・」
「し・・信じられないな・・」
艦載機隊の目線の先には・・
「うん?このドラゴンの増援か?」
血まみれになった・・
瀕死のレイミがいた。