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聖域の存在とエニウェアドラゴンとの新たな取引




天使族はその昔「聖域」と呼ばれる空中に浮かぶ大陸にいたらしい、

そこには天聖族はじめ様々な種族が住んでいて日々を過ごしていた。



だが・・



ベアトリスやシャーロットの親達は幼い彼女達を連れて白の大陸に移住、

そこに住む魔物達を無理やり配下にして贅沢三昧の生活を楽しんでいた、

それがどんどんエスカレートして・・ブラック達と喧嘩別れしていた。



天使族が横暴な生活を続けたことで配下達は飢えて苦しい日々が続く、

配下達の恨みは極限に達したが・・天使族には敵わず我慢するしかなかった、

白の大陸は荒れて・・配下達は全滅を覚悟していた位諦めの空気が漂った。



その後俺達が来て天使族を懲らしめることで白の大陸は急回復を遂げる、

今では一日3食は当たり前で高速鉄道で各地に旅行にも行ける治安の改善、

さらに各地の大陸との貿易も盛んとなり配下達は笑顔で日々を楽しんでいた。



と・・



複雑な心境で今迄の経緯を簡単に語るアヤカたちがいた。



・・・



「なにそれ?天使族って問題児だったの?」



と・・



なぜかアイスシェイクを片手にアヤカ達にツッコミを入れるリリトとリリス、

なぜかなぜか・・その横で一緒に食べてるエニウェアのカラミティもいた、

この経緯はカラミティが尋ねたのでアヤカ達はしぶしぶ答えていた。



一行は現在戦艦比叡の会議室に集まり天聖族の事で話し合いをしている、

巨大なカラス達と戦っていた天聖族とエニウェアがそれらを蹴散らした、

その後エニウェアは撤退、天聖族は上空に飛びどこかへ消えていった。



人工衛星で録画していた画像には・・・



天聖族10人ほどがカラス達を撃退、どうやら末端の兵士だったようだが・・

その中の一人だけ飛び抜けた強さの天聖族がいた、どうやら隊長のようだ、

彼女?は・・人工衛星に気付いたようで去り際こちらに手を振っていた。



この画像を見たカオスがカラミティに尋ねる。



「君達と天聖族・・かな?どういう付き合いなんだ?」



「もう隠す必要はないな・・仰る通り彼女達は天聖族だ、

俺達は彼女達とは昔からの付き合い・・まあ俺達が配下みたいなものだ」



この言葉を聞いた一行は驚いた、強大な力を持つエニウェアドラゴン、

それが天聖族の配下状態、この言葉だけで天聖族の強さが理解できた。



「彼女達は強大な力を持つが戦いをあまり好まない、普段は上空にいる、

そこで俺達を監視していて・・まあほとんど放置状態なんだけどな、ただ・・

今回のように得体のしれないものが召喚されたら動き出すんだ」



「それは・・危険と判断した・・と見ていいのかな?」



「ああその通りだ、今回は数が多いから俺達にも協力要請が来たんだ、

親父・・俺達の首領はしぶしぶその要請に応えていたよ、あとが大変だった、

親父は天聖族を嫌っているからな、大暴れして屋敷が一つ吹っ飛んだよ」



「どうやって落ち着かせたんだ?」



「それに関しては・・君達に礼を言わないといけないな・・」



「どういう意味だ?」



「先般貰ったワインがあっただろう?あれを使ったんだよ、

私達の兄弟が宥めて親父を落ち着かせるため一回人間状態にしたんだ、

すぐさま私がワインを飲ませた、それ以降は落ち着き飲みまくったよ」



「君の親父は酒好きなのか?」



「ああ相当なものだ、だが漆黒の大陸では酒は造れない、そのため・・

部下が人間姿になり極秘に海賊や商人達と取引して手に入れていたんだが・・

あまり旨くは無いと文句ばかり言ってたが・・それでも全部飲んでいた」



「ワインはどうだったんだ?」



「絶賛していたよ、もっとよこせと私の備えを全部飲んでしまってな、

おかげで私の飲む分は全部消えた、だから追加を頼む」



頼むって・・



「それはまずいんじゃないのか?俺達との取引を暴露してるようなものだ、

君の親父は俺達を嫌っているんじゃないのか?」



そうそう・・嫌な予感しかないので断りの流れに持っていって!



「もうバレてるよ、確かに親父は君達を嫌っていたが天聖族ほどじゃない、

極秘指令が出たんだ、今迄の経緯があるから表立っての行動は出来ないが・・

俺と妹たちに君達と極秘に取引してあらゆる酒を手に入れろ!ってな」



俺達は・・・結果的に首領を酒で釣ったということ?



「それは構わないが・・当然その分の対価は貰うぞ!」



受け入れていいのかな?



「それはもちろん、魔封石と上質の魔物の肉を持ってきたので頼む」



どんな魔物の肉なんだろう?



「わかった!急ぎ試飲用の酒を用意しよう、それらから選んでくれ」



肉を確認しなくていいのかな?



俺のツッコミを完全無視したカオスは部下に命じ様々な試飲用の酒を用意、

具体的には日本酒、ワイン、ウイスキー、テキーラ、ビール、リキュール等、

カラミティが・・リリスとリリトもしっかりと試飲、全部欲しいそうだ。



・・・



試飲の意味あるのかな?



その後カオスが魔物の肉を確認、すごく驚いていたので相応の肉なんだろう、

すぐさま取引成立、とりあえず各艦に積んである酒を集めそれらを渡した、

魔物の肉はライアンコック達が預かり・・驚愕して調理に入っていた。



・・・



魔物の肉が気になる。



酒の取引が済んだので天聖族の話に戻る、レイナがカラミティに尋ねる。



「聞きたいことがあるんだけど・・」



「ええどうぞ!」



酒が手に入ったのでカラミティ達は上機嫌、ちなみにあるアイテムを用意、

それは収納魔法機能がある魔法の鞄、自分達の分を隠して持ち帰るそうだ。



「天聖族の目的はなんなの?単なる監視員とは思えないんだけど?」



「彼女達は基本「神」の聖域を司る役割を担う種族ですよ」



「えっ?「神」がいるの?」



「それはもちろん、私は会ったことはありませんがね」



「具体的には・・どのような事をするの?」



「一度だけ親父の代わりに「聖域」に行ったことがあるんですが・・

皆が規律正しく言葉使いも丁寧でお祈りかな?・・あれを繰り返していました、

食事も呼ばれましたが・・薄味すぎて正直もう食べたいとは思いませんでしたね」



「聖域は・・どうやったら行けるの?」



「基本天聖族など聖域に住む種族が同行すれば聖域には入れます、ただ・・

普段は透明化されているのでこちらから確認する事は不可能だと思います」



「それなら!!天使族は以前聖域にいたんでしょう?なら行けるはずよ?」



レイナは天使族達に目を向けたが・・



この言葉を聞いた天使族達は・・



なぜかブラック達までレイナから目を逸らす。



「あれ?どうして目を逸らすの?」



・・・



・・・



なぜか・・何も語りたくないとばかりに天使族が会議室から急ぎ出ようと・・

それを急いで遮るレイナ達、天使族達を無理やり戻して席に座らせる、

そしてレイナが深く尋ねるが・・ベアトリス達は無言を貫いていた。



それを見たレイナ達は・・



「そう・・しょうがないわね・・」



なぜかレイナは調理人コックを呼び・・ある料理を作るようにと指示、

しばらくしたらコック達が・・なぜかかつ丼を持ってきた。



「つらかったのでしょう?まあこれでも食べなさい・・」



レイナは・・背広を着てベアトリス達にこう優しく訴える。



まるで刑事ドラマのように会議室は取調室の雰囲気となり天使族は泣きだした、

そしてかつ丼を泣きながら食べるベアトリス達、泣いてはいるがしっかり完食、

そして・・レイナの目を見ながら・・隠していたことを語り出す。



「じ・・実は私達の親は・・聖域のしきたりに耐えられず逃げたのです・・」



そのしきたりとは・・



● 神に使える私達は暴飲暴食を控え無駄なく食を取ること。



● 一日3回神に祈りを捧げる事。



● 地上を監視し危険な輩に天誅を加える事。



● 規律正しく日々を過ごし各種族の模範となること。



● 贅沢は厳禁、最小限の衣食住で日々を過ごす事。



● 色恋事は厳禁、神が認めた相手と子孫を残す事。



などなど・・



・・・



俺達の世界で言う・・お寺などで悟りを開く修業みたいな毎日のようだ。



これを聞いたレイナは・・



涙を流す天使族達を見て・・



彼女達が聖域から逃げ出したことに・・



納得した。



この世界の天使族は・・



派手を好み我侭で自分が華やかな位置にいないと気が済まない目立ちたがり屋、

そのため聖域は彼女達にしてみれば地獄でしかなく逃げたくて仕方なかった、

だが強さでは天聖族に敵わないので従い・・秘かにチャンスを狙っていた。



そして・・



ある日地上で召喚を繰り返す輩たちが意味不明な化け物を次々と召喚した、

それらは聖域近くまで来たので天聖族が急ぎ出陣してそれらを蹴散らした、

留守となった聖域、その隙に天使族達は急ぎ白の大陸に逃げたのだった。



そうして・・



今迄の鬱憤晴らしにと・・



白の大陸で我侭を尽していた。














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