無理やりの誕生祝いと戦闘機の操縦を習うデーモン達
リンの処刑は回避され・・他の仲間たちもアレスが開放を求めてきた、
彼女達は戦艦紀伊の甲板にいた兵たちを襲ったが・・すぐに一網打尽、
まあ中の上レベルの特殊部隊たちが上級以上の天使族に敵う訳がない。
そのため紀伊には被害が無く兵たちも無傷なので被害は皆無に等しい、
俺達としてはセイアも生き返ったしリンの処刑も回避されたし言う事はない、
このまま皆ブルーデーモンの領地に帰ってもらっても構わないと伝えたが・・
・・・
アレス達は複雑な顔をしている、自分は特攻で特殊部隊は死魔法を放った、
おそらく故郷では自分は戦死、特殊部隊も蹴散らされたと思われているだろう、
そのため・・特殊部隊もアレス達も帰る場所を失っていた。
・・・
気まずい空気が辺りを包む、それを察したエリーナがアレスに声をかける。
「まずは何か食べましょ!お腹が空いていたら落ち込むだけよ!」
「それはありがたい、ぜひお願いしたい!」
一行は武蔵・・ではなくなぜか大和に移動、全員食堂室に集まった、
なぜかイエローとホワイトの王や兵たちも同行、食堂は満室となった、
ここでエリーナは席を外す、武蔵で何か準備をするらしい。
大和の料理人ライアン達がカレーライスを用意、今日は金曜日だからかな?
痩せ細ったリンたちには特別に極上カツを乗せている、とても美味しそうだ、
だがリンたちは・・空腹のはずなのになぜか手をつけていない。
彼女達は・・3日間何も食べていないそうだ。
俺達の味を知る王や兵たちは喜んでカレーライスを食べている、
それとアレス達も俺達の味を知っているので喜んで食べているが・・
リンたちは俺達の食事を知らないので警戒しているようだ。
それを見たアレスが・・リンたちに指示を出す!
「心配せずに食え!この食事は美味いんだぞ!」
「でも・・私達は・・」
彼女達はブルーデーモン王の直属なので基本王以外の命令は聞けない、
王からの命令は・・
「息子を守れ!」
なので・・
食事もとらず急ぎ戦場に駆け付け俺達と交戦、全員捕まり捕虜となる、
極度の空腹状態だが・・任務を果たせてない負い目なのか食べる気配がない、
それを察したアレスが・・リンたちに問いかける。
「お前たちは俺の親父・・つまり王になんと命令された?」
「ア・・アレスさまを守れと言われました」
「それならなぜ食べない?そんな空腹状態で俺を守れるのか?
俺を守りたいのなら今すぐに食べて元気になれ!そして任務を全うしろ!」
単刀直入すぎるだろ・・
だが・・それが彼女達の心に響いたようでスプーンを手に取った、
そして一口・・・
・・・
・・・
リンたちは大粒の涙を流す、そして・・
「お・・・美味しい・・こんなの初めて・・嬉しい・・」
「そうか!それならしっかり食え!これは王からの代理命令だ!」
このアレスの命を聞いたことで安心したのか・・リンたちは食事に夢中、
あっという間に完食、おかわりを何度か繰り返した後にコックたちが集合!
リンたちの生い立ちを知った料理人達が意気な計らいを計画していた!
「リンちゃん達!!!お誕生日おめでとう!!」
全然誕生日ではないのだが・・
「今日は俺達異世界人との運命の出会いの日です!新たな日の始まりです!」
無理やり感満載の誕生パーティが始まる、そしてタケシ達が集まり花束を贈呈!
そして特大のケーキを持ってきた、その周りにはロウソクが彼女達の人数分、
1人一本吹き消すようになっていて・・リン達は目を丸くして驚いていた。
その後アレスが誕生日の意味を説明、それを理解したリンたちは笑顔となる、
そして1人1人ケーキに近づきロウソクを一本一本吹き消していく、最後に・・
リンがロウソクの火を吹き消した瞬間・・大和では大拍手が起こる。
リンたちは大感激、そしてケーキが人数分に分割され皆がそれを喜んで食べる、
初めて食べるケーキに感無量!満面の笑顔の彼女達に次のサプライズ!!
彼女達を武蔵に移動させて・・ジェニー達が気合い入れて待ち構えていた。
うろたえるリンたち、だがアレスの命は・・
「彼女たちの指示に従え、俺を守るために必要だからな」
どうやらアレスはエリーナから詳細を聞かされていたようだ。
リンたちは・・静かに頷く。
するとジェニー達はリン達を抱え風呂に一直線!洗濯機のようにリン達を洗う、
それが済んだら美容コース、エステにマッサージと美の限りを尽しまくる、
しばらくしたら・・心地いいのかリンたちはそのまま目を閉じ・・爆睡!
エステとマッサージが済んだジェニー達はリン達を用意してあったベットに移動、
リン達はそのままベットで眠る、余程疲れていたのか起きる気配が全く無い、
そのためそのまま寝かせることに・・リン達が目覚めたのは2日後のことだった。
リン達の寝顔は・・
初めて自分達が祝福されたことがとても嬉しかったのだろう、皆笑顔だ。
その間俺は・・
アレスやイエローとホワイトの王達、サユミやタケシ達幹部と今後を話し合う、
現時点リン達は俺達が保護するのでどこかに移住させよう考えている、
だがアレス達は本国が気になるようでここに留まりたい考えだ。
というのも・・
アレスは泣き喚く部下に強制命令を下し本国の状況を調べるように命じた、
それがフェニックスの島に行く前、2日経過したが部下が戻る気配はない、
泣き喚く別の部下にも命じ戻らせたが・・こちらも戻る気配は全然ない。
ちなみに部下が泣き喚いたのは・・俺達の食事が出来なくなるから、
なぜか部下達は和歌山ラーメンが気に入り隙あれば頻繁に食べていた、
そのため少しお腹が・・それを見たアレスが本国に戻るよう命令したからだ。
部下達は泣きながら・・渡り鳥にとりつき本国に向かったそうだ。
そして・・
部下の為にと・・
アレスが代わりに和歌山ラーメンを頻繁に食べていた。
・・・
アレスのお腹も少し・・
これ以上は俺の口からは言えない。
それはさておき・・
それだけ気に入ったラーメンがここにあるんだから必ず戻ってくるはず・・
アレスはそう考え部下に命じたのだが・・戻らないのですごく気になる、
もしかしたら・・なにかあったのかもしれない。
だが・・
それを調べる手段が無い、この裏世界にはまだ人工衛星は打ち上げていない、
ここからブルーの北裏大陸までは距離があるので大和武蔵のレーダーも届かない、
となると直接行くしかないのだが・・さてどうするか・・
ここでアレスから懇願、自分達を攻めてきた戦闘機の操縦を習いたいそうだ、
あのスピードなら4時間あれば北裏大陸にいけるそうだ。
そこで俺は管制官ライアンに質問、ブルーの領地までの魔力消費を調べた、
すると・・行くことは可能だが帰りが心細いため迎えに行く必要がある、
アレス自身の魔力を使う方法も考えたが魔力切れの心配もあり断念した。
俺はアレスに大雑把な地図を描いてもらう、途中に島が複数あった、
だがどれも荒れた無人島らしく戦闘機の補給も整備も出来る環境ではなかった、
そのため艦が途中まで移動して戦闘機を飛ばす方法が一番合理的と判断した。
なぜか王達も戦闘機の操縦がしたいらしく習わせてほしいと言い出した、
彼らは鳥などに取りつき自分も空を飛べるが体力消耗はかなりキツイそうだ、
戦闘機なら今のデーモン姿のままでも操縦できるので負担は軽いらしい。
それならばと・・王達も操縦を習っておけば先で使えるかもしれない、
そう考え戦闘機の講習を希望、俺はサユミに講習可能か尋ねた。
「操縦を教えることは容易いです、ただ戦闘機の空きがありません」
信濃の戦闘機は全部ブルーシャーク隊が使っているので空きが無い、
それならば・・大和にある垂直戦闘機3機を訓練用に使うことにした、
訓練に関してはブルーシャーク隊が引き受けてくれた。
アレスと王達はすぐに訓練に入る、驚くことに3人ともすごく優秀だ、
あっさりと戦闘機の操縦を覚え自分の手足のように扱っていた。
2日後・・
リン達が目覚めた時・・アレスが本国に放った部下が一人だけ帰ってきた、
だがケガを負っていたので急ぎ治療、部下の身体は完全回復したが・・
・・・
その部下が・・衝撃の言葉を語る!
・・・
ブルーデーモンの領地、北の裏大陸では・・
・・・
クーデターが起こっていた。