セイアの恥ずかしい怒りと目立ちたい2人のドラゴン
セイアは見事に蘇り・・念の為医務室に連れて行き精密検査を行う、
医師と看護婦ジェニー達に徹底的に調べられたセイアは超不機嫌となる、
ジェニー達は必死に謝るが・・セイアの怒りは収まりそうにない。
「すみません!すみません!」
「あんな所まで深く調べる必要ないじゃないのよ~~~~!!!
ほんと恥ずかしかったんだから!!!」
「い・・いえ・・でも万一と言うことがあるかも・・」
「何言ってるのよ!笑いながら診察してたじゃないの!!」
医師たちは当初セイアの副作用がないか本気で心配して検査をしていた、
だが見事な生還と副作用なしの状態を知り・・あるひらめきがあった、
この魔法を解析すれば・・死者蘇生が自分達でも出来る可能性があると。
実際セイアが生き返ったことで今後の治療に役立てようと超興奮した医師達、
笑っていたのは・・医学のさらなる進歩の躍進の可能性に心躍り興奮したから、
決してセイアの事ではないんだが・・調子に乗りすぎた。
その気持ちを理解できないセイアは・・さらなる怒り!!!
「絶対許さないんだから~~~~!!!」
余程恥ずかしかったようで・・
診察中は女性しかいなかったのに・・
真っ赤な顔をしてさらに怒る!
「あんな恥ずかしい格好させて~~!絶対許さないわよ~~!」
どんな格好させられたんだろう?
後から聞いた話だが・・四つんばいやM字開脚、腕立て伏せ等々・・
・・・
そりゃ怒るわな・・
怒り狂うセイアに医師看護師ジェニー達は土下座謝罪するも収まらない、
仕方がないのでソニアが助け舟、ある服を差し出すと途端にご機嫌、
それは・・なぜかセーラー服、セレブ高校で着るような豪華な制服だ。
・・・
いや似合うと思うぞ?
この世界の女性は皆若い顔と体格だからな!
だけど・・・
・・・
実年齢は・・俺の口からは到底言えない・・
言ったら・・
・・・
恐ろしいお仕置きが来るのは間違いない!
・・・
セーラー服を喜んで着ているセイアを・・
・・・
俺はだた笑って見守っていた。
ちなみに娘のセーラーたちも豪華なセーラー服を着て別の医務室にいた、
妻を蘇らせようと必死で蘇生魔法を唱え続けたフェニックスの夫の病室、
こちらは極度に疲弊しており治癒魔法の他に点滴なども行っている。
その夫は・・病室のベットの上で娘たちのセーラー服姿を見てご満悦だった。
ここで豆知識!
この世界には治癒魔法など回復魔法は複種類あるが使い方には細心の注意がいる、
ケガや病気などは魔法で治せるが・・体力を完全回復する場合ある問題が出てくる、
その理由は魔力の大量消費、驚くほど消費するのでどちらかに絞る場合もある。
もう一つ・・
受ける側の問題が大きい、弱った状態での強力な治癒魔法は自爆行為に等しい、
疲弊した状態で強烈な治癒が身体にとり込まれたら受け切れず暴走するからだ、
例えばドラ●エなどのゲームでは過剰な治癒量は取り消されているが・・
この世界ではそれはできない、食事と同じで食べた分だけ身体に蓄積される、
ある程度の量なら限度を超えても受け切れるが・・極度に超えると暴走・自爆する、
そうなると本末転倒なので・・調整しながら治癒を行う必要がある。
一応万全の状態まで回復する上・特級魔法もあるが緊急時のみしか使えない、
理由は先ほど書いた通り、術者の負担も大きいので死亡寸前のときだけ使う、
それ以外は中級以下の魔法治療を行い状況に応じて点滴なども追加している。
それと精神の問題、身体は治せても強烈なショックを受けると精神不安定となる、
それを避けるため重傷・重病患者は状況に応じてわざと入院期間を長くする、
その時は何ともなくても・・時間が経過したら思い出し不快になるからだ。
そのため・・
あえて精神治療も追加して治療、症状が出ればその対策も行い影響を抑える、
この異世界の各種族は寿命が長いので焦らさない、時間をかけて治療する、
ショックが頭に残ってると戦場で思い出し隙が出て危険、それを避けるためだ。
ちなみに精神面も含めた治療研究は第8艦隊の航空母艦伊吹で行うことが多い、
伊吹は治療艦として開発された事もあり・・様々な種族が乗り込み研究に没頭、
自分達の体質や性質を客観的に分析して最適な治療を模索・研究している。
豆知識はここまで!
セイアは夫が自分の為に必死で蘇生魔法を行ったことを知ると・・
ご褒美とばかりにセーラー服を着て病室に向かい介護を行っている、
まだ完全に仲直りではないようだが・・復縁になりそうな雰囲気だった。
さて・・・
俺はデーモンの裏世界で戦闘中、大和はブルーデーモンの旗艦と睨みあう、
どう考えても俺達の方が優勢、旗艦は損傷していて動きもままならない、
だが旗艦は全速前進、アレスが腰の剣を抜き雄叫びをあげる!
「全速前進!あの巨大な船に突っ込み白兵戦に持ち込むぞ!」
「了解!」
大和に向かって一直線に向かってくる、格好の的で副砲一発で撃沈は可能だが・・
しかし俺は砲撃は躊躇った、・・あの息子は話が通じるかもしれない、
それと王族を殺すと何かと厄介なので生け捕りにするためあえて白兵戦にした。
ドッカーン!!!!
旗艦は大和に衝突、大和はびくともしなかったが旗艦は大破し航行不能の状態だ、
だがアレスたちは・・それでいいとばかりに大和にとりついで甲板に登ってくる、
当然ながら・・俺達はそれを待ち構えて戦闘準備をしていた。
今までのアレスを見ていて感じたが・・彼も殺戮は好まず部下を大事にしている、
おそらく決闘を申し込んでくるだろう、俺はそう考え聖刀「大和」を装着した、
この聖刀なら相手を殺さず生け捕りに出来るはずだ。
その時・・サユミとタケシがドラゴン姿で帰ってきた、そして大和の艦尾に着陸、
急ぎ人間姿に戻り一番主砲の前で待ち構える俺達と合流した。
約20人のブルーデーモンが大和の艦首付近に陣取り身構える、俺達も身構える、
しばらくの間にらみ合いが続き・・俺達の考えを呼んだアレスが単独前に出る!
「貴殿たちの代表はどなただ?俺と一対一の対決を望む!」
予想通りアレスは決闘を申し込んできた、俺は一歩前に出ようと・・
「コウさん・・・待って!!」
突然後ろからサユミとタケシが抱きついていた、そして俺を主砲後ろに引き込む、
なぜか2人で俺のホッペに自分達の顔をスリスリ、そして懇願してきた!
「こういう時は・・私サユミにお任せください!」
「いえいえ・・危険なので俺タケシが担当します!」
・・・
要するに・・目立ちたいんだな?
「はい!!」
2人は目を輝かせて頷く!!
俺は呆れたが・・ここで片方だけ戦わせると尾を引くことは明らか、
なので・・俺はアレスの待つ艦首に戻り・・アレスに訴える!
「決闘は了解した、だがこちらは2対2の対決を望む!」
「よかろう、こちらは俺の部下最強戦士を加える」
俺は心の中で・・アレスに感謝した。
「聞いての通りだ、サユミ・タケシ頼んだぞ!」
「はい!!」
2人はワクワクしながら艦首の前で戦う・・決闘するにはちと狭いかな?
そこで俺はアレスに提案、ここでは狭いので近くにある島で戦うこと、
アレスも狭いと感じたようで・・あっさり俺の提案を受け入れた。
大和は近くの島に向かう、この間休戦状態となり皆が軽い食事を取る、
それを羨ましそうに見ているアレスとその部下達、相当疲弊しているようだ、
俺は艦にいたイエローとホワイトに頼み簡易食を渡すよう頼んだ。
同胞からの差し入れなら受け入れるはず・・
俺の心配はどこへやら・・
ブルーデーモン達は警戒心0の状態で簡易食を喜んで食べている、
簡易食はすぐエネルギーになるように甘味も加えたビスケットのようなもの、
それと水分補給も兼ねたゼリー飲料とのセットとなっている。
「美味い!甘い!」
「こんな食べ物初めてだ!こんな食べ物があったなんて・・」
「もうないの?おかわり欲しいわ!」
「ああ欲しいな・・」
「欲しいです・・」
・・・
彼らの懇願の眼に負けた俺達は大和の食堂に招待、急ぎ食事を提供した、
彼らは決死の覚悟もあり・・撤退した仲間に食飲料を全部渡していたのだ、
そのため半日以上何も食べず飲まずで苦しんでいた。
ちなみにこの一週間天候は晴れでちと暑い日が続いたことも影響していた、
俺達の艦は冷暖房完備で栄養たっぷりの食事を一日3食食べることができる、
反面ブルーたちは遠距離航行ということもあり最小限の飲食だけだった。
イエローとホワイトが食事の詳細を説明、ブルーたちは真剣な顔で頷いていた、
そして定食が出てきた、なぜかメニューはかつ丼と大きなエビ天うどんと豪華、
それとオレンジサイダーとお茶、ブルー達は喜んで食べて場は和やかだった。
・・・
今なら決闘回避できるんじゃないかな?
「それはそれ!これとは別です!」
俺の心境を瞬時に察したアレスたちとサユミ達に一喝された。
・・・
俺の複雑な気持ちを無視するかのように・・
大和は近くの島に向かって巡航していた。