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タケシの猛烈な怒りとフェニックス夫の死を賭けた愛




白目をむいて倒れたセイアお姉さまを見たタケシは・・青ざめている、

すぐさまブルーデーモンが次の即死魔法をタケシに向け・・



「この野郎~~~~~!!!!!」



ドカ~~~~!!!!!!!!



怒り狂ったタケシがデーモンを瞬時に蹴り飛ばし壁に叩きつけた、

ブルーデーモンは瀕死状態、怒り狂うタケシはトドメを・・



「それはやめて!!」



セーラーがタケシに抱きつき・・泣きながらタケシを説得する、



「今は殺してはダメ!生き返らせる方法を聞くのよ!」



この言葉を聞いたタケシはブルーデーモンを掴み方法を問う、

どうやらこのデーモンは女性のようで・・若いデーモンだった、

タケシの質問に・・苦しみながらも笑って答える。



「ふふふ・・あの魔法にかかったらもう駄目よ、生き返らせる方法?

そんなの・・まああるけどあなた達には無理な話だからね・・ふふふ、

フェニックスなら可能かもしれないけど・・もう手遅れよ」



ブルーデーモンの女性は嘲笑いながら・・そのまま意識を失った、

すぐさま天使族が艦を調査、他にも侵入者がいたので一網打尽にした。



「おかあさん!おかあさ~~~ん!」



泣きながら叫ぶ子供達、だがセイアは白目をむいたまま動かない、

タケシはすぐさま俺に連絡してきた、相当パニックになっている、

俺はタケシに緊急命令、セイアをフェニックスの島に送るよう指示した。



「どうしてですか?」



「前に聞いたことがある、フェニックスは死者蘇生が可能だ!」



その内容は以下の通り。



● 死者蘇生はその生物一体につき蘇生は一度だけ。



● 死後2時間以内で身体が行動可能な状態であること。



● 寿命での死は蘇生できない。



● フェニックスの住処内でないと蘇生魔法が使えない。



● 死者蘇生の確率は30%位、魔法が効かない事もある。



今回は突然の死魔法なのでフェニックスの蘇生魔法は有効なはず、

そう思い出した俺は急ぎタケシに指示・・いや命令した!」



「その状態なら・・フェニックスなら蘇生魔法で生き返らせられるはずだ、

だが時間が限られている、どんな方法でもいい、急ぎ送るんだ~!」



「わ・・わかりました!」



タケシは異空間から自分の本体を召喚、セイアを抱えて空に飛び立つ、

その姿を見たサユミとセーラー達も本体を召喚、タケシの後を追う、

艦長不在の紀伊と信濃を俺は下がらせ武蔵と大和が前に出る。



うかつだった・・



完全に盲点だった・・



実体のない敵がいるんだから・・



即死魔法があることも想定にいれるべきだった、完全に俺のミスだ、

後悔と焦り、自分への甘さへの怒りが取り乱れ悔やむ俺に・・

武蔵からエリーナが励ましの言葉が来る。



「今は嘆いてもしょうがないわ、とにかく目の前の敵を倒すべきよ、

でも相手は殺しちゃダメよ、まだイエロー達も解放されていないわ、

セイアさんはフェニックスに任せて!私達に出来ることはそれしかないわ!」



「あ・・ああそうだな、わかった!」



冷静なエリーナがいてくれて助かった、この言葉が無かったら俺は錯乱してた、

おそらく怒りに我をまかせ・・相手を殲滅する行動に出ただろう、だが・・

まだイエロー達の防衛隊も敵に捕獲されてる、まずは彼らを助けよう。



と思った矢先・・・



イエローとホワイトの防衛隊が解放されこちらに向かってくる・・



「約束通り同胞たちは開放する!」



アレスが拡散テレパシーで訴える、防衛隊たちはケガが多いが皆生きている、

この対応を見た俺達は疑問に思う、アレス達は完全劣勢なのに約束は守った、

だが奇襲でセイアを殺している、この矛盾にエマが仮説を唱えた。



「奇襲した・・セイアさんを狙った部隊は別働隊、たぶん王の側近でしょう、

息子・・アレスはおそらくこのことは知らないはずです、考えられるのは・・

息子が劣勢になったら奇襲しろと命令され行動に移したのかと・・」



この言葉を聞いた俺達は・・



状況を理解し怒りが薄れ落ち着きを取り戻した。



そして急ぎ防衛隊達を回収、大勢のケガ人の治療を最優先に行う。

ちなみにブルーシャーク隊はすでに信濃に帰還、補給と整備を受けている。



目線は変わり・・



アレスは部下に撤退命令、生き残りの軍船に部下を乗せケガ人優先、

俺達は後方の10隻だけは攻撃を避けた、撤退するための配慮だ。



アレスは部下からの報告で死者はいないこと、後方10隻は無傷と知る、

これを聞いた彼は・・完全敗北を悟り部下達に撤退するように命じた、

部下達は急ぎ生き残りの船に移動、順次自分達の領地に帰っていく。



「アレスさまはどうするのですか?」



「俺は問題ない、お前たちも早く撤退しろ!」



アレスは傷ついた旗艦一隻だけで俺達に特攻する決意を固めている、

せめて一太刀でもと・・ブルーデーモンの誇りをかけて戦うようだ、

だが側近たちを巻き添えにはできないと全員撤退を命令したが・・



「我らも残ります!一緒に戦わせてください!」



「それはダメだ!お前たちは戻って国の為に尽せ!これは命令だ!」



「嫌です!殺されても一緒に戦います!」



アレスを慕う20名ほどがその場にとどまる、帰る気配は全くない。



・・・



「・・・馬鹿だな・・好きにしろ!」



アレスは涙を浮かべながら・・旗艦を動かし俺達に向かってきた。




そのころ・・




大急ぎでフェニックスの島に着いたタケシ達、死後1時間が経過、

青ざめたフェニックスの女王と・・セイアの夫は急ぎ蘇生魔法をかける、

だが効果が無い、かけられた死の魔法は想像以上の威力だった。



「何度も繰り返すのよ!セイアを必ず生き返らせるのよ!」



女王の言葉に奮起した他のフェニックス達も加勢、蘇生魔法を乱射、

だが効果なくセイアは動かない、何度も蘇生魔法を乱射したが反応なし、

女王はじめ部下達は限界ギリギリまで蘇生魔法を繰り返した。



しかしセイアは動かない、体力が尽きた部下達が倒れ医務室に運ばれていく、

女王も踏ん張り蘇生魔法を・なぜかセイアには効果なく時間だけが過ぎていく、

女王も限界・・そのなかで夫だけが繰り返し蘇生魔法を繰り返す。



「絶対!絶対生き返らせる!」



こう唱えながら夫は・・号泣しながら魔法を繰り返す、もうボロボロだ、

身体は痩せ細り・・目は充血して鼻血、顔から出る物は全部出し尽くした、

このままだと夫の方が危ないが・・お構いなしとばかりに魔法を繰り返す。



手段はともかく・・



フェニックスの夫は・・



心の底からセイアを愛していたのは間違いないようだ。



父親のすざましい執念を見た子供達は・・ただ母親の生還を祈った。




「俺は死んでもいい!だが妻だけは絶対生き返らせる!」



渾身の魔法を乱射するフェニックスの夫、だがセイアは全然動かない、

それでも諦めずに魔法を繰り返すが・・時だけが過ぎていく・・



そして死後2時間が近づく、セイアはまだ変化が無い、このままでは完全な死だ、

それは絶対させないと・・夫は自分の生命力全部を最後の魔法に注ぎ込む!



すると・・



「ピクッ・・」



セイアの指が・・かすかに動いた!



夫は力尽きその場に崩れる、その時だった!



ちいさな光の球が現れ・・それがセイアの身体に吸い込まれていく、

子供達は急ぎ父親に回復魔法、疲弊が限界に達した夫に治療を行う、

意識を取り戻した夫は妻を見て・・一筋の涙を流していた。



次の瞬間・・・



セイアの白目は消え・・ゆっくりと立ち上がり・・



・・・



そして一言!




「私・・生き返ったの?」




この言葉を聞いた子供達は・・父親をその場に落とし母の傍に行く、

子供達は大歓喜、タケシとサユミは号泣しその場に膝をついた、

セイアも泣きながら子供達を抱く、副作用などは全く無いようだ。



そして・・



夫は落とされた衝撃で・・頭に特大のたんこぶが出来ていたが・・



・・・



その痛みよりも・・



愛する妻を蘇生出来たことが・・



・・・


心の底から嬉しかった。




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