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異世界を監視する特殊種族と恐るべき刺客の出現





俺達がいた現実世界では悲惨な戦争を繰り返した歴史がある、

様々な理由があるが・・ほとんどが自分達の保身や野望達成の行動、

だがそれは愚かな行為だと条約などで抑制する動きも当然あった。



だが・・



俺のお祖父さん・・ヘイゾウの時代の時日本はその制御から離れた、

主な理由は軍事抑制、ある一定の数以上の軍艦保持を禁止すること、

これに日本は猛反発、条約を破棄し大和など大型艦を次々と製造した。



それを警戒した各国は策を講じ日本をほぼ四面楚歌状態に追い込み・・



日本は開戦、戦争となり甚大な被害を出し大惨敗で終わった。



今でこそ逆転の発想で条約に留まれば悲惨な戦争は避けられたかと思う、

見方を変えれば・・大国でも艦の数を抑制するため人海戦術は使えない、

圧倒的な数で攻められることは無かったから歴史は違ったかもしれない。



さすがに今はその教訓を生かし日本はある程度平和だが・・

残念ながら今でも世界各地で紛争が繰り広げられている、

このような暴走を止める行動はあるが止めるまでには至っていない。



このような暴走を食い止める動きは・・異世界でもあるらしい。



自分達の保身や野望の為・・



未知の力を求め異世界の人物を召喚・転移し圧倒的な力を得ようとしている、

だがそれは諸刃の剣にもなりかねない、空間や力のバランスが崩れるからだ、

最悪自分達が住む異世界そのものが滅びる可能性も否定できない。



そのため暴走を食い止めようとする・・




「特殊種族」




が存在していて監視を行っているそうだ。



ほとんどの召喚や転移は・・



個人や少人数での召喚や転移者が多く、その世界に馴染ながら暮らしている、

強大な力を持った者が多いが非情な事をせず万人に優しい行動をしている、

そのため特殊種族も監視はするが・・関与はせず放置しているようだ。



だが・・



規模が大きく強大・・例えば国の軍事力丸ごと召喚された場合は話は別、

実際俺達を召喚したルーム国がまさにそれ、絶滅寸前から大強国に発展した、

このような事例が増えたら厄介なので・・特殊種族も動き出すそうだ。



ただ俺達の場合は・・



「共存」



をコンセプトにしているので極力殺害は避けている、環境にも配慮、

最小限の発展で留めているので特殊種族も問題は低いと見ているそうだ、

そのため監視はしているが俺達を攻める必要はないと判断しているらしい。



それもあってか・・



その特殊種族と繋がりがあるエニウェアは当初こそ俺達を警戒、攻撃した、

だがサーラの時・・俺達と話が通じ圧倒的な力で攻めてくることも無かった、

むしろ自分達の存在を認めてくれる行動に・・目線が変わったそうだ。



それ以降は俺達を監視はしているが・・



攻める必要は無いと判断したらしい。



カラミティとその部下・・妹と言った方がいいのかな?3人はさらに語る、

今回俺達の所に来たのは・・新たな敵が現れ自分達と特殊種族が対応する、

そのため・・俺達と戦う気は無いから静観してほしいそうだ。



「要するに・・新たな敵と戦うから俺達を攻撃するな!と解釈していいの?」



「ああそうだ、でも我らがもし劣勢なら・・助けてほしい」



「エニウェアの言葉とは思えない気弱さね、それだけ相手は強いの?」



「それはわからない、だが南の大陸の先・・ある島にそいつらが召喚された、

俺達と繋がりのある特殊種族が参戦する位だから相当危険だと思う」



「ねえ・・その特殊種族ってなんなの?」



「今は詳細を語れない、口止めされているから今回は勘弁してくれ、

ただ強大な力を持っているのは確かだ、最低でも特級レベルだからな」



「えっ?それって・・」



「そう、末端の兵士が特級レベルだ」



この言葉を聞いたレイナは・・背中が寒くなった。



「わ・・わかったわ、静観していればいいのね?」



「ああ頼む、だが念の為今後も君達と話が出来ればありがたいんだが・・」



「ちょっと待って!皆と相談してみるわ」



レイナはスマホを取り出し文章作成、その姿にカラミティ達が目を丸くする、

急ぎ緊急メールを作成、内容はカラミティにスマホを提供するというもの、

直接会うと何かと面倒なので・・スマホで情報を提供してもらうという案だ。



もちろん提供するスマホは必要最小限の機能だけに絞った簡易機だ、

緊急メールやサイト閲覧などは利用できない、通話と簡易メールだけだ、

通話は他のエニウェアに聞かれる恐れがあるのでメール機能はつけている。



レイナは緊急メールを送付、すぐに各種族から返答が来る、ほぼ全部が賛成だ、

中には危険ではないか?との声もあったが・・エニウェアの情報は正直欲しい、

得体のしれない敵なら猶更だ、その気持ちが勝り皆はレイナに任せることにした。



レイナは部下に命じ簡易スマホをカラミティに渡す、そして使い方の説明、

殺気を纏っていたカラミティも・・この時ばかりは子供のような顔をしていた、

どうやら殺気は無意識に出ているらしく・・レイナの説明の時は消えていた。



「こうやったら通話できるの、試しに私にかけてきて!」



「あ・・ああ・・こうするんだな・・」



「もしもし・・聞こえる?」



「ああ聞こえる、驚いたな・・こんな小さい物で話が出来るとは・・」



「それは壊れやすいから扱いに注意して!水にも弱いから気をつけて」



「わかった、気をつけよう」



レイナは南の大陸の地図を出し・・この辺なら圏内で話が出来ると説明した、

その地図もカラミティに渡す、カラミティは詳細な地図を貰って喜んでいた、

その横で見ていた2人の妹はとても羨ましそうな顔をして・・



「あの~~私達にもそのスマホ貰えませんか?」



・・・



無視はできなかったレイナは妹2人にもスマホを支給した。



この異世界の各種族は俺達の機器をあっさり理解し使いこなせているが・・

それはエニウェアも同じようで・・なんとこの短時間で日本語もマスターした、

どうやら上級以上のエニウェアは僅かな説明だけで全体を把握できるらしい。



「ありがとう、なにかあったら連絡するわ!」



「ええお願いね、それとそのスマホは半径2km以内ならね・・

あなた達3人となら相互通話できる優れ物よ、情報交換に活用してね」



「それって・・洞窟内でも使えるのですか?」



「私達とは無理だけどね、でも障害物が無ければ洞窟でも使えるはずよ、

その辺は帰ったら試してみて、あと充電は魔力で出来るわ、こんな感じね」



「なるほど・・こうするのですか・・」



カラミティとその妹2人は・・我を忘れスマホの操作に霧中だった

テレパシーは盗聴される恐れがあるが・・通信機器であるスマホは心配無用、

この異世界は人工的に造った電波がないので盗聴の恐れは全くない。



ある程度落ち着いたら・・メイドさんがお茶とケーキを持ってきた。



「お口に合うかわからないけど・・どうぞ!」



「ありがたい、頂くよ」



カラミティ達は疑うこともなく即座にお茶を飲みケーキを食べている、

どうやら瞬時に毒検知ができるようで・・まあ俺達はそんなことはしない、

一瞬のうちにお茶とケーキは消えて・・もっと欲しいと目で訴えてくる。



1時間後・・



なぜかレイナとショウ、レイミも参加して6人で食事会と化していた、

お互い軍事以外のお喋りに夢中になっている、あのレイミまで語っている、

緊迫しながら構えていた各種族は・・その光景を見て呆れ食事を始めた。



その頃・・



ブルーデーモンの息子が出港した後・・ブルーデーモン王がある部下を呼ぶ、

それは俺達で言う特殊部隊、鍛えられた精鋭たちが王の前で膝をつく。



「お呼びですか?」



「ああ・・お前たちはイエローの領地に向かう息子を援護してほしい」



「わかりました、すぐに出撃いたします」



「ああ頼む、だが相手は得体のしれない者らしい、念には念を入れろ」



「それは・・あの禁断魔法を使ってもいいと?」



「うむ、息子が危機に陥ったら迷わず使え!」



「わかりました、それでは!」



特殊部隊たちは・・



闇に紛れイエローデーモンの領地に向かっていた。








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