表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
185/792

デーモンと商人と海賊の複雑な事情とコウの欲しいもの




輸送重巡・軽巡・駆逐艦そして商人や海賊達のリクエストの簡易駆逐艦、

これらを使って今後どうするか・・近隣の幹部が集まり個々の意見を述べる、

まず経由や中継基地になるチューリップとマスカットの管理者ミアとホリー。



この2人が心境を語る!



「私達としては港の整備や管理の為入港の際手数料を頂きたいのです、

具体的には重巡3万ギル、軽巡2万ギル・駆逐艦1万ギルを要求します、

ですが・・これはあくまで通常の取引での話、軍務は全て免除です」



「待ってくれ!それは困るんだが・・」



すぐに異論を唱えたのがイエローデーモンと海賊と商人たちだ。

彼らの考えとしては・・距離があるので輸送重巡等での取引が主だ、

だがその都度入港するたびに手数料がかかるのは困ると言われた。



というのも・・



この3種族の領地は・・まだまだ発展途上で一枚岩ではないからだ、

各大陸のような鉄道網が無いので取引先が限られ現状維持が精一杯、

そのため3万ギルでもかなり苦しいので免除をお願いしてきた。



ちなみにフェニックスと地底人とは同盟が成立してるが・・



デーモンに関しては取引先で留めている、理由は他のデーモンの存在だ、

王達は同盟を希望していたがエリーナが妻たちの話を聞いて保留扱いにした、

妻たちが危惧しているのは・・俺達と同盟を締結したらややこしくなるからだ。



例えば・・



まだイエローの配下種族の一部が俺達を知らないので混乱するかもしれない、

それと隣のホワイトデーモンに関してはイエローと同盟が成立している、

この状態でホワイトがもし俺達に敵意を持ったら・・イエローは板挟みとなる。



最悪自分達の戦力を2つに分け・・どちらとも戦うかもしれないからだ、

それは絶対避けたいから・・今は取引先で留めてほしいと妻たちが懇願した、

その気持ちを理解した俺達はイエローとの同盟一時保留、取引先の間柄となる。



商人と海賊に関しては・・



チューリップとマスカットに近い島の商人・海賊達とはとても友好的、

そのためブラック達も取引を歓迎、頻繁に往来し商談を繰り返している、

輸送駆逐艦が手に入ってからは・・さらに事業を拡大している。



商人と海賊たちはブラックとの取引でかなり儲けてはいるが・・



・・・



反面出費がものすごく・・どうかしたら赤字になることも多い!



それはなぜか?



それは商人と海賊の領域には・・貧しい種族が数多くいるからだ、

彼ら彼女達はそれらに援助しているので儲けはほとんどない。



ブラックの領域に近い島々は大繁盛しているが・・



距離が離れた所は・・



貧困の種族が多く商人と海賊が援助しないと成り立たない。



これらは各島に点在してることもあり大規模な産業が構築出来ないのだ、

そのため小規模農家が多く・・土地も痩せてるので収穫も少ない、

魚等の海産物も少なく日銭を稼ぐのも苦しい状況らしい。



商人と海賊が俺達の艦を欲しがったのはそれらに援助物資を運ぶため、

簡易駆逐艦なら・・ある程度の嵐でも運行できるからだ。



この異世界・裏世界も四季があり・・



雨も降れば雪も降り台風や地震等もある。



商人や海賊たちが持つ船は帆船、風任せと人力での運行なので嵐に弱い、

そのため天候が悪いと島から出られないので備蓄食料で過ごすのだが・・

異世界恒例の特定植物ばかり育てているので農地は痩せ細っている。



この話の途中・・俺は商人と海賊達にある質問をした。



「どうして貧しい種族たちは移住しないのですか?」



「それが出来れば苦労しないのですが・・動けない理由があるのです」



「その理由を教えて頂けませんか?」



「はい!実は・・」



話をまとめると・・・



例えるなら東日本大震災、各地が被害を受け住民たちが止む無く移住、

人間の気配が消えた住居を見つけたネズミなど小動物が住み込んでしまう、

他にも猪や犬猫、どうかしたら牛などが我が物顔で占拠してしまう。



だがこの異世界では・・その先がある。



仮に島を放棄すると・・小型の魔物が住みつきそれを狙って中級が来る、

最悪なのは・・それを狙って上級や特級クラスが住みついたら手に負えない、

そうなると自分達の住む島にも間違いなく攻めてくる。



商人達が危惧しているのは・・まさにこれだった。



援助を怠れば島に住む種族は・・島から逃げるか餓死するかのどちらかだ、

どちらにせよその先は驚異でしかないので苦しくても援助を続ける必要がある、

そのため出費は出来るだけ抑えたいのが本音のようだ。



商人と海賊達の事情を知っているブラックエンジェル達は・・



今迄は人海戦術で荷物を運び各地に出向いて取引をしていたが・・

彼女達もエニウェア等の敵に備える必要があるので伺うのは月一程度、

今は俺達が提供した輸送軽巡・駆逐艦があるので少人数でも可能となった。



そのため・・今は特に問題はないらしい。



ただ俺達の前にいる・・



近隣の商人と海賊はある意味イエローデーモンと似た環境にあった。



それは遠方に住む商人と海賊達、これらはブラックと戦い敗走している、

その為ブラックと取引している近隣の商人・海賊達を快くは思っていない、

だか食料が乏しいこの異世界では止む無く取引せざるを得ないこともある。



近隣の商人と海賊たちは・・



遠方の商人・海賊達とブラックエンジェル達の間なので板挟み状態でもある、

そのため片方に偏ると片方から攻撃されるのでどちらとも付き合う必要がある、

本来は俺達と同盟を結びたいが・・こういう事情なので取引先に留まっている。



ちなみに簡易駆逐艦に関してはリース契約でお互い同意している、

商人と海賊が一隻に付き月々10万ギルを支払うことで契約成立、

破格の値段でのリースではあるが・・事情を考慮してこの額で落ち着いた。



ブラックのミアとホリーが別にデーモンと商人・海賊に手数料を求めた理由、

それは同盟を締結していない相手に優遇すると各種族からの反感を恐れたため、

同盟に貢献していない種族を優遇するわけにはいかないので発言したそうだ。



デーモン達もそれは理解しているが・・



現金を要求は困るので物品でもいいか尋ねてきた。



その言葉に俺が反応、毒物など危険物以外なら俺が買い取ると提案した、

これには全員が驚いていたが・・俺にはある考えがあった。



以前チューリップの町でタピオカの材料が雑な扱いをされていた、

俺が気付いたが・・その時はミアに見破られ根こそぎ旨味を横取りされた、

だが俺が買い取れば・・横取りの心配もなくその中に宝があるかもしれない。



俺は各地に視察する度に・・



なんだかんだと請求され手取りが極端に減っている。



このままではすっからかんになるので新たな収入を得る必要がある、

もしかしたらデーモン達の物品の中に驚異の逸材があるかもしれない、

それを加工・販売すれば俺の懐を増やせると思ったからだ。



デーモン達は喜んで俺の提案を了承!ミア達もそれならいいと頷いた、

ここで話し合いは一旦終了、状況を見ながら後日また集まることにした。



後日・・・



デーモン達から現地で獲れる様々な物品が届き俺の倉庫に納入された、

ほとんどがガラクタだったが・・



・・・





思わぬ宝が・・



俺の目の前にあった。


















評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ