輸送重巡洋艦の製造とレイミの恐るべき透明主砲弾
第5艦隊が頑張り原材料を運んでくれたおかげで量産の目途が立つ!
まずは1隻目の輸送重巡洋艦を造り様々な試験運行を行い様子を見る、
特に問題は無いようなのでチューリップの港まで巡航させることにした。
輸送重巡洋艦は重巡アトラスと俺達と共に召喚された重巡最上を参考に建造、
全長は200m、最大幅は20.6m、主砲は20.3cm連装砲とほぼ同じ、
だが最上は主砲塔が前に3基あるが建造艦は前2基だけになっている。
主砲を減らしたのは・・俺達が求める輸送スペースを確保するため、
その分輸送スペースは拡大したが当然攻撃力は落ちる、そのため・・
輸送重巡洋艦には上級クラスが最低3人乗ることで攻撃量を補ってもらう。
それと・・
重巡アトラスに加え最上を参考にしたのは・・
単純に・・
目の前にあったから!
第5艦隊に所属している最上の後部甲板を見たからだ!というのも・・
最上は昔の戦いの時損傷し後部主砲を撤去し航空巡洋艦になっている。
この異世界に召喚された最上は大幅な改装を受け能力は格段とアップした、
現時点後部甲板は少し短くなり垂直戦闘機2機とヘリ1機を搭載している、
空いたスペースにはイージスミサイルやロケットランチャー等を追加装備。
輸送重巡洋艦はさらに短くして垂直戦闘機1機とヘリ2機を搭載させた、
島など港が小さい場合に備えて2機分のヘリの離発着を重点に対応させた、
これで収納スペースもしっかり確保でき理想に近い重巡輸送艦が完成した。
早速1号艦が・・試験運行に合格し完全完成!
処女航海・・いや運行と言うのかな?1号艦が動きだし港を出る、
それを皆が盛大に盛り上げ1号艦の船出を祝福した!
1号艦には目覚めたフェニックスの若者も乗っている、結界対策だ、
なんでも新たに展開した強力結界にはある工夫を付け加えたらしい、
それは・・フェニックスが乗る艦隊は無条件で結界を通過できるそうだ。
第5艦隊に関しては女王か上級フェニックスが常に乗艦していたが・・
目覚めた大勢のフェニックスの仕事先も必要なので艦に乗せることにした、
彼ら彼女達は交代で輸送重巡洋艦に乗り込み通信などを勉強している。
1号艦の護衛には第5艦隊が同行、そのままルーム国に帰るためでもある、
第1艦隊が現在ルーム国の周辺を警備しているので俺達が交代する、
気になるクリスティーナの容態だが・・
何とか落ち着きもうすぐ出産するそうだ。
俺達はルーム国を出て東の大陸を経由してチューリップの港まで移動した、
ここで第5艦隊と交代、第5艦隊はお役御免となりルーム国に帰る、
輸送重巡洋艦はミアが預かり近隣の島を往復して使い勝手を試してもらう。
今回・・・
第5艦隊を率いた戦艦榛名と霧島、この2隻の活躍は予想を超えていた、
霧島の艦長ショウはアズミと事務員3人と無駄のない段取りを組み行動、
地底人と連携を取りながら原材料を区分けして効率よく運ばせていた。
具体的には・・
骨組みに必要な鋼材は先に発掘させ運搬、銅などの原材料は別に固める、
その際ステンレスなどを造る・・耐食性を高める元素も教え発掘させていた、
それらは別の艦が他の工場に送る、そうして電装品等を別途製造させる。
艦を一から製造するため多種多様の部品を工期に合わせ製造する必要がある、
製造段階で重要な部品が間に合わず工期が遅れることを防ぐ大切な作業だ、
この区分け作業のおかげで効率よく艦を製造することが可能となった。
それと榛名艦長のレイミは氷の船を造り榛名に牽引させ大量の原材料を運搬する、
途中白熊系の魔物が海から無数に現れ攻めてきたが氷の弾丸で魔物を追い払う。
これは榛名の主副砲にレイミが造った氷の弾丸を装填して発射させたものだ、
具体的には破裂用の氷と弾丸用の氷を装填して無音で発射するというもの、
まず砲身に弾丸氷を装填、次に破裂氷を装填し魔法で内部破裂させる。
すると・・
砲の発射の際に出る強烈な火薬爆音は・・ほとんど無かった。
今迄の主砲弾は・・
火薬を爆発させるため超高温となり砲身をある程度冷ます必要があった、
だがレイミが造った透明主砲弾は氷の為砲身を冷ます必要がほとんどない、
多少摩擦熱で熱を持っても次の装填で冷えるため理論上無限に撃てる。
砲身を利用することで回転を起こし・・ほぼ直線で氷弾丸を飛ばし相手を狙う、
これにより主砲弾の威力と吹き矢の無音が合わさった無音主砲弾が完成した、
原材料は水・・海水でも可能らしくほぼ無限に弾を撃つことが出来る。
さらにレイミの展開する氷は・・
限りなく澄んでいる透明弾を造ることも出来る。
目印をつけないと目の前にあってもわからないほどだ。
このため魔物は・・
「プシュ!!」
「グェエエエ???」
まるで透明な吹き矢で攻撃されたように突然ダメージを受け次々と倒れる、
他の魔物は・・どこから攻撃されたのか見当もつかず焦り隙だらけになる、
隙だらけの魔物は格好の的となり次々と撃ち倒され残りは焦って逃げた。
無数に出てきた魔物を・・
榛名一隻で・・
備えていた主副砲弾を一切使わず自身の魔法と海水だけで蹴散らした、
これには榛名に乗り込んでいたライアンとジェニーが仰天していた。
これが全艦で可能なら・・
誘爆の可能性がある危険な主砲弾を備える必要が無い!
すごぐ魅力的なので全艦に配備できないか検討してみた。
だが・・そう甘くはないようだ。
今回榛名と共に第5艦隊を率いた霧島も同様の攻撃が可能ではあるが・・
それは同じスノードラゴンであるショウが艦長だから出来ること、
スノードラゴンがいないと無理だと聞いた俺は・・ガッカリした。
現時点で無音主砲弾を撃てる戦艦は榛名・霧島とタケシの紀伊だけとなる。
俺は第5艦隊と合流、幹部を集め労いと感謝の意を表した、特にレイミ、
彼女の活躍を聞き特別賞としてダイヤモンドのネックレスを進呈した。
するとレイミが一言!
「・・結婚指輪が欲しかった・・」
・・・
サユミはタケシと結ばせることは出来たが・・
レイミは俺と結婚する気満々のようだ。
・・・
今は深く考えるのはやめることにした。
翌日・・
第5艦隊はルーム国に帰島し俺達はミアと輸送重巡洋艦の話し合い、
実際に運行してもらい感想を聞いたところ・・
「もう少し小さくできませんか?」
?
「どういうことだ?」
「はい、輸送重巡洋艦の輸送能力は素晴らしいのですが問題があります」
「それは?」
「艦の大きさですね、少し大きいのでもう少し小さければ・・」
「それはどうしてだ?艦が大きい方が沢山輸送出来るだろう?」
「仰る通りですが・・島の近くは浅瀬が多いので座礁の危険もあります、
ですが輸送駆逐艦だと少し小さく輸送重巡洋艦だと少し大きいのです、
そのため中間の艦があれば島近郊に関しては効率よく輸送が可能かと・・」
なるほどな・・
俺達はこの意見を受け入れ中間の艦・・輸送軽巡洋艦を建造することにした。
● 輸送駆逐艦が全長約120m!
● 輸送重巡洋艦が全長約200m!
この真ん中に当てはまりそうな軽巡洋艦・・第6艦隊の神通等が該当、
これらが約160m位の全長なので・・これらを参考に試験艦1隻を製造、
これをミアに預け試験運行、このサイズが丁度いいと言うので採用となった。
輸送軽巡洋艦は一度フェニックスの島に持ち帰り改めて武装等を設置する、
具体的には15cm連装主砲を前に2基、最大幅は15m、甲板にはヘリ、
もしくは垂直戦闘機1機と小型のヘリ1機を搭載できるようになっている。
小型ヘリに関しては定員4人、機銃も備えていて主に艦の護衛用として使う、
荷物は限られるが・・小回りが利くので山奥の小民族等に荷物を運んでもらう、
他にもイージスミサイルやロケットランチャー等も装備している。
ちなみに・・
商人や海賊たちの要望に応え・・
簡易駆逐艦も建造することとなった。
全長は80m位、主砲は10cm2連装主砲を前に1基で幅は10m位、
他にも5mm単装機銃8挺、後部甲板はヘリ一機が離発着可能だが・・
搭載はされていない、あくまで荷卸しの為の甲板となっている。
かなりの小型だが・・
彼らが乗っていた帆船は全長約40m位なので倍の大きさになる、
それとヘリやイージスミサイルなどの装備はあえて搭載していない、
これは彼ら彼女達はそれらの整備が出来ないというので省いた。
その分収納スペースが大きいので・・海賊や商人たちは喜んでいた。
武装に関しては・・
自分達が帆船に装備している大砲などを設置したいと言っていた、
そのため扱いなれた武器を各所に置けるような構造となっている、
主砲などに関してはミアやホリーたちに定期点検を依頼するそうだ。
フェニックスの島では・・
これらの艦の製造が急ピッチで進んでいた。