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裏世界の海底資源採掘・採取とフェニックス女王の涙




地底人の親子の腐葉土石を埋めた後俺達の植物を育てることにした、

試しに種だけ蒔く、だが栄養が足りないのか育ちが遅い、なので・・

ライアン達の土魔法・・これらもすべて弾かれ植物は育つ気配はない。



ここで地底人親子が土魔法を展開、スピードは遅いがなんとか育っている、

この裏世界は地底人達が魔法を乱射していたこともあり森林が全然ない状態、

そのため栄養源である腐葉土もないので・・俺達の植物でも育ちが悪い。



その後植物は枯れた、栄養がほとんどない状態だから当然ではあるが・・



・・・



さてどうするか?



俺は幹部を大和に集め経過報告、皆で知恵を出し合い対策案が3つ出た。



① 俺達が住む異世界から腐葉土を集め輸送艦で運搬する。



② 同じ裏世界のデーモン領地から腐葉土を集め輸送艦で運搬する。



③ 海を調査して海底にある海草等の栄養分を地上に蒔き植物を育てる。




①と②に関しては現時点無理、まだ輸送重巡洋艦は一隻も出来ていない、

それに大和等の軍艦は輸送艦ではないので倉庫の大きさは限られている、

これらを輸送仕様にするといざ戦闘の時動きが鈍くなり危険だからだ。



輸送駆逐艦は東の大陸およびブラック達が海賊や商人との取引で使用中、

何隻か無理にでも回せないか尋ねたら逆に足りないと怒られ増産を要請された、

となると③しかないのだが・・さてどうやって採掘・採取するかな?



俺達には海底を調査できる潜水艦があるが全隻ルーム国周辺に配置している、

潜水艦は戦艦などに比べ遅いのでこちらに着くまでに相当時間を要する、

浮上して巡航すれは速いが武装が弱いので遠距離巡航は危険なので却下。



それに潜水艦は海底調査はできるが海底資源の採掘・採取は出来ない。



さてどうするか・・・



・・・



・・・





俺はフェニックスの女王の言葉を思い出した、例の七色の真珠・・

あれはたしか数少ない魔物が海に潜り海産物を食べた後に出てきている、

それらの魔物に海の資源を採掘・採取してもらったらどうだろう・・



俺は急ぎフェニックスの女王に尋ねた。



「それは可能だと思うわ、ただ何かしらの対価が必要になるけど・・」



「具体的には?」



「そうね・・例えば魔物が魔力蓄積に欲しがる天然石かしら?」



それなら各艦に大量に積んである!



俺はフェニックスの女王に魔物達の通訳を依頼、女王も快諾してくれた、

女王は急ぎ魔物達を集め事情を説明、海底の資源を運ぶよう要請した、

その代わり魔物1頭につき天然石1kgを対価として渡すことを約束した。



4隻の軍艦には天然石が大量に積んである、影響のない範囲で分割する、

その結界約1トンの天然石が用意できたので先に魔物達に対価として渡す、

魔物達は大喜びで海に潜り海草や海底の土、魚の骨等を大量に獲ってきた。



ちなみに魔物達の天然石平均蓄積量は・・おおよそ10~50グラム、

ルーム国には大量にあるが他の大陸では微々たる量しか採掘できない、

そのため原石を見つけると・・奪い合いになる位魔物には貴重なのだ。



今回俺達が約束した天然石の量は・・



20倍を超える量の天然石は・・魔物には破格の報酬だった。



俺達の感覚で言うと1000万円相当、いやもっとかもしれない、

突然宝くじに当たったような感覚なので大喜びも当然なのだ。



念の為魔物達に海に影響があるか調べてもらう・・までもなかった。



海は地底人の魔法を遮断していたので海草等が山ほどある、むしろ過剰、

どうかしたら共食いする位密集していたので今回の収穫はありがたいそうだ、

これで密集から普通の生態系に戻れると魔物達も喜ぶほどだった。



収集した海草類は各種族の風魔法で乾燥後塩抜き、その後ミキサーのように砕く、

砕いた海草類を土に混ぜ・・そこに俺達の植物を植えて地底人が魔法をかける、

すると・・植物は一気に育ち見事な果実を実らせていた。



これを見た他の地底人達は大歓声!



問題が解決したと大喜びしている。



4隻は分散して各地に移動、同じ作業を繰り返し腐葉土石を穴に落とす、

それらを地底人が穴を埋め海草等を乾燥・破砕・攪拌かくはんしていく、

そして植物の種を蒔く、土魔法で一気に育ち各地は緑に覆われていた。



近隣はある程度埋めたが・・



遠方はどうしようか考えてたら・・地底人から爆薬の造り方を聞かれた、

大穴さえ出来れば後は自分達で何とかなると言われたので作り方を教える、

幸い爆薬の原材料の石炭などが各地に埋まってたので材料は問題なかった。



あとは海からの海草等を取る作業・・これも遠方の魔物達が対応するそうだ、

魔物達は俺達の野菜・果物を見て興味を示したので何点かサンプルを提供、

魔物達はそれを試食、これなら喜ばれると太鼓判を押された。



ただテレパシーで爆薬の造り方は教えられるが・・



俺達の植物の種をどう運ぼうか・・



これもあっさり解決!



魔物達の仲間に渡り鳥系がいたので運んでくれるそうだ。



これで地底人の問題はある程度解決、持ってきた食料は・・



・・・



地底人の女の子たちが欲しそうにしてたので贈呈することにした、

地底人達が急ぎ港と巨大な倉庫を建設、ここに食料を降ろし保存するそうだ、

俺達は食料を降ろした後・・





地底人が約束通り鋼材等の原材料を・・大量に港に集めてくれた!



それを各艦に乗せる、ほぼ満杯になったので出港!フェニックスの島に急ぐ、

地底人達はここで全員降り・・なぜか最初に会った親子が俺達と同行した、

地底人達はイエローデーモンと同じく使者を俺達の世界に常駐させる気でいる。



相談の結果・・地底人親子が選ばれ大和に乗り込んできた。



・・・



それならこの親子の腐葉土石そのままでよかったのでは?



「また先で使うのよ!」



女の子の元気な返事に・・納得の俺だった。



ちなみにこの世界でも通信は可能にしてある、設備はデーモン達と同じ、

今は港までしか通話は出来ないが・・先では列車も通して各地を結ぶそうだ、

白の大陸と同じように高速列車と通信網を開通させると意気込んでいた。



ここに残る地底人にスマホ10台を渡しておいた、当面は共同で使ってもらう、

フェニックスの島が落ち着いたら通信衛星を打ち上げ各大陸と同じようにする、

その時までに出来ることは進めておくと地底人達は気合いを入れていた。



俺達は鋼材を運ぶべく・・急ぎフェニックスの島に戻る。



しばらくして・・



俺達はフェニックス島に戻った、すでに港や造船所、住居や事務所等々・・

農地と森林を除き全ての設備が新しくなっていた、いい仕事をしている!

4隻はそのまま新港に入る、大和クラスでも5隻は入る大型の港だ。



ライアン達が急ぎ鋼材にする原材料を降ろし加工を始めた、相当な量だが・・

残念ながら今回運んだ量では2隻しか造れないらしい、ならもう一度・・



・・・



第5艦隊のソニア達がこちらに向かっていると連絡があった。



俺達は一旦お役御免、第5艦隊と交代してルーム国に戻っていく、

第5艦隊は地底人の世界に向かい鋼材の原材料を何度か往復して運ぶ、

とりあえず5隻分の鋼材が運ばれ・・輸送重巡洋艦の製造が始まった。



後日・・



フェニックスの女王は夫部下達と共に・・本体に戻り裏世界に帰る、

そこには・・もうかつての何も無い世界は消え緑あふれる世界が広がる、

そこで地底人達は様々な植物を育て・・女王に気づき手を振っている。



女王も空中で手を振って応える。



港の上空を飛んでいると・・



綺麗に整備された港の周りには・・



たくさんの桜や梅が咲き誇っていた。



これは地底人達がメディの両親像を見に行った時に見つけたもの・・

美しく咲き誇る俺達の世界の桜や梅に一目ぼれして種を持ち帰っていた、

それを土魔法で再現、見事に咲き誇る桜と梅に仕上げていた。



それを見た女王は・・



もう・・



あの苦しい世界から解放されたと・・



心の底からそう思えて・・



・・・



涙が止まらなかった。




女王達は・・



仲間が眠る洞窟の方角に向かって・・



ゆっくりと飛んでいった。












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