イエローデーモンの領地視察と腐葉土石の埋め立て射撃
イエローデーモン達は俺達が支給した緊急食糧のおかげでお腹いっぱい、
持ってきた4分の1が一気に消えたが・・まだ4分の1が残っている、
残りの半分は地底人達の食糧なのでこれは降ろさず艦内に保存している。
当然ながら・・
これだけで食糧難を凌げるとは誰も思ってはいない、新たな生産が必須、
その為に地底人とライアン達をこの地に連れてきた、早速視察を行う、
王に許可を貰い各地の畑に出向く・・なぜか王族全員がついてきた。
移動は信濃に載せている6機の大型ヘリ、今回視察のための新鋭機だ、
10人程度が乗れて各部にカメラが備わっていて360度撮影が出来る、
この画像を各専門家ライアン達が閲覧して各地の状況を細かく分析する。
ヘリは分散・・ではなく団体で移動し念の為ブルーシャーク隊が護衛、
王族たちが全員乗り込みたいと言ってきたので急ぎ追加のヘリを用意、
大和・武蔵・紀伊のヘリは出す予定は無かったが・・やむを得ない。
というのも・・・
王族は各地の状況を細かく知りたいと言うから無理やりついてきた、
というか・・普段は鳥にとりついたり自分の翼で飛んでくるそうだが・・
初めての乗り物に乗りたくて乗りたくてたまらない・・が本音だと思う。
10機のヘリは皆を乗せて離陸、各地の畑に出向きサンプルの土を持ち帰る、
まるで観光気分の王族たちはほっといて地底人とライアンは土の分析を急ぐ、
ある程度状況を把握したら次に移動し同じ調査を繰り返す。
3時間後・・・
規模が大きい畑の視察がほぼ終わり調査隊は戻ってきた、王族は満面の笑み、
初めて乗ったヘリが余程楽しかったのか皆興奮状態で感想を語っていた、
それを横目にライアンと地底人が俺に調査報告をしてきた。
「作物が育ちにくいのは特定の植物ばかりを育てていたことが主な原因です、
そのため土地が痩せ細り栄養分も補充しなかったことでさらに悪化してます、
対策としては各地の森から腐葉土などを蒔き別の植物を育てることを推奨します」
ある程度予想してはいたが・・その通りのようだ。
ここで豆知識!
異世界物語にありがちな・・同一植物を毎年育てていると土地が痩せ細る、
同じ土地に毎年同じ植物を育てていると当然ながらその養分は減少する、
前の世界の場合・・例えば田んぼは対策として一定期間休耕田としている。
ただこの異世界及び裏世界では・・
その特定の植物以外・・
大規模に栽培が可能で皆の食欲を満たせる植物はそれほど多くない。
さらに野生の魔物、病原菌等がそれらを好んで狙うので収穫量は大幅に減る、
それに加えて環境によくないからと殺虫剤などは一切使わない。
手間暇かけて育てても収穫量が大幅に減るからと特定の植物に偏りがち、
同じ手間なら扱いやすい方がいいからと毎年休まず同じ植物を育ててしまう、
それを常に繰り返すので土地は痩せ細り最悪何も育たなくなる。
今回の場合は・・まさにその通りだった。
では俺達がなぜ・・
膨大にいる各種族の腹を満たせるだけの食料を栽培できるのか?
大きな理由は3つある。
1つ目は・・ライアンとジェニー達が栽培する植物はこの世界に無い物、
そのため野生の魔物も病原体も得体のしれない植物には近寄らない、
さらに土魔法ですぐに育つので狙われる前に収穫できるからだ。
2つ目は・・環境にうるさい各種族のおかげで各地の森林は手付かず、
森林に多い植物の栽培に不可欠な栄養分・・腐葉土等がほぼ無限にある、
それらを痩せた土地に蒔くことで俺達の世界の植物を栽培できるからだ。
3つ目は・・痩せた畑が多いことも大きい、栽培場所に困らないからだ、
今迄栽培していた植物に関しては・・当然ながら痩せた土地では育たない、
だが俺達の世界の植物は良質な森林の栄養分があればすぐに育つからだ。
この3つのおかげで俺達は膨大な量の食料を栽培・収穫することが出来る、
それらはすぐに加工・保存・提供することで膨大な数の胃袋を満たしている、
さらに多くの家畜や魚介類等も養殖しているので様々な料理も可能なのだ。
豆知識はここまで!
今回デーモン達が住むこの裏世界では・・今までの植物は栽培不可レベル、
そのためサツマイモやカボチャなど俺達の世界の植物を育てる方が有効、
幸い森林が各地にあったので・・そこから腐葉土を集めれば十分栽培できる。
俺達はこの結果を紙にまとめて王たちの待つ屋敷・・宮殿かな?
急ぎ出向いて経緯を説明、王たちはなぜ主食が育たなかったのか・・
その原因がようやくわかったようだ。
ちなみに王妃達も日本語と英語がある程度理解できる、甥と姪が教えていた。
ここで質問があった、腐葉土を蒔けば今迄の植物も栽培できるのでは?
これの返事は・・
「可能ではあるが相当難しい」
理由は上記の通り、痩せ細りすぎて今迄の植物には栄養分が足りないから、
この異世界も裏世界もそうだが基本弱肉強食、それは植物の世界でも同じ、
栽培してきた植物は他に獲られまいと土の養分を過剰に取っていたからだ。
ここで俺が提案!
しばらく裏世界の植物栽培は控えて俺達の植物を育てることを推奨する、
おそらく3~5年後には俺達の植物からの養分が土に溜まっていくだろう、
ある程度土地が肥えてから改めてそれらを栽培してはどうか?と・・
この案に・・デーモン達は賛同した。
デーモンが住む裏世界は地中の障害物はほとんど無かったのが幸いした、
このためライアン・ジェニーと地底人の魔法が全部使えたので仕事が早い、
あっという間にサツマイモやカボチャ等を収穫、飢えの心配が無くなった。
民衆たちは目の色を輝かせてそれらを収穫、料理法をジェニー達が教える、
醤油などの調味料を提供することでさらに旨味が増しとても喜んでいた、
デーモン達はあっさり料理法を覚え各自様々な料理を作っていた。
あと水に関してだが・・これは意外と簡単に問題が解決した。
まず飲み水に関しては浄水器を造ることで解決、その素材が十分にあった、
川などの水は濁ってはいるが毒物などはなかったので上下水道の設備を整えた、
さらに各地に浄化槽を設置、川に汚物が流れなくなったので澄んだ水となった。
これでイエローデーモンの食料問題は・・ある程度解決した。
俺達は一旦ここを離れ・・
地底人の裏世界に移動することにした。
4隻は出港、裏世界の出入り口に急ぐ、デーモン王の甥と姪達が同行する、
王がこの4人を俺達との使者に任命したので艦に常駐することとなった、
なにかあれば使者を通じてお互い報告・連絡・相談する。
しばらくしたら裏世界の出入り口が見えてきた、まずは異世界に戻る、
そして別の入り口から地底人の裏世界に入り親子の住んでいた家・・
腐葉土石の所まで移動、ここからある準備を始める。
それは腐葉土石を埋める作業、試しに親子の家を埋めることにした。
腐葉土石の隣に円状の結界を展開、ここに主砲弾を撃ちこんでみる、
一度主砲弾を上空に撃ち上げ落下地点の結界内に特殊弾を撃ち込む、
この特殊弾は一定方向だけに爆破衝撃が伝わるように調整されている。
狙撃艦である紀伊が移動、ある程度離れて特殊弾を装填、発射準備、
紀伊の2番主砲が動き角度調整、思ったより調整に手間取っていた、
これが数ミリでも狂うと弾が結界外に逸れるから細心の注意を払う。
他の3隻は紀伊から離れデーター収集、紀伊からのデーターを分析、
それを参考に各艦再調整、同型艦とはいえ構造に違いがあるからだ、
ただ信濃に関してはブルーシャーク隊が発進して精密爆撃を行う。
紀伊の調整が済んだとの連絡、発射までのカウントダウンが始まる、
俺達はもちろん地底人やデーモン達も見守りその時を待つ、そして・・
ファイブ!
フォー!
スリー!
ツー!
ワン!
ファイヤーー!!!
ドーーーーーーーーーーーン!
紀伊の主砲から一発だけ特殊弾が放たれ・・結界内に弾が着弾した!
ボコ~~~~~~~~~~ン!!!
俺達はヘリに乗り急ぎ着弾点に移動、結界内には見事な大穴が開いていた、
すぐさま結界を解除、腐葉土石の根元にダイナマイトを仕掛け急ぎ離れる、
そして爆破準備、なぜか全員ヘルメットを被り作業服に着かえている。
「爆破!」
ド~~~~~~~~~~~ン!
腐葉土石の根元が崩れ・・
ゴロゴロ・・ズシ~~~ン!
腐葉土石は大穴の中に転がり落ちた!
すぐさま地底人が土魔法を展開、あっという間に腐葉土石を埋めてしまう、
重い腐葉土石は動かせないが・・周りの土なら動かせるとなぜか自慢、
皆は空気を察し・・地底人の女の子だけを褒め称えていた!
女の子の両親は・・
「私達も褒めてよ~~!!」
と・・言いたげそうな顔をしていた。
2回目のコロナワクチン接種後・・夜に多少の体調不良、
さらに左手が痛いので(我慢できる程度)用心のため家で休んでいます。
このことを考えると・・ワクチン接種の翌日は空けた方がいいかもしれません。
あなたも無理せず・・用心してくださいね。
私も無理せず頑張りますので・・応援宜しくお願いします。