裏世界への進出と勘違いパニックのデーモン妻たち
イエローデーモン王とその部下20人を大和の食堂室に招待する、
当初は艦橋室を考えていたが・・王の甥と姪が食堂を強くリクエスト、
王もそれでお願いしたいと言うので食堂に案内した。
俺達からは俺と妻のエリーナとエマ、今回ソニアは子供の守のため留守番、
天使族からはホリーとアヤカ、それとタケシとサユミが代表として並ぶ、
まずはお互い挨拶の前に・・
・・・
甥と姪がジェスチャーで俺達に食事を先にと訴えてきた。
・・・
まだ午前9時だけど?
昼には早すぎないかな?
それに甥と姪は一番に朝食食べてなかったか?
なぜかイエローデーモンの王も目で訴えてきた、甥と姪から聞いたのだろう、
お供もワクワクしていたので・・
・・・
俺はコックさん達に指示して今出来る定食をお願いした。
「昼食準備中なのでこれしか用意できませんがご了承ください」
コックさん達が急ぎ作ってくれたのは・・ある濃厚な料理!
どんぶりの中にあったかいご飯を乗せて、ふりかけをしっかりかける、
焼いた豚もも肉をたっぷり乗せてその上に目玉焼き、そして濃厚ソース、
さらにマヨネーズをたっぷりかけた「肉玉ライス」の大盛りが出てきた。
さらに野菜たっぷりの野菜コロッケ、天然水で作った爽やかサイダー、
さすがにお酒は出さない・・アルコールが無い冷やし甘酒が出てきた、
そして・・各種族が愛してやまないプリンア・ラ・モードが並んでいる。
・・・
濃厚すぎないかな?
まだ朝の9時だぞ?
これだけ濃厚でボリューム満点を今食べたら昼食べられなくなるぞ?
「いただきま~~~~す!」
俺の疑問を無視するかのように王たちは喜んで肉玉ライスを食べていた、
それを見たサユミ達も欲しがり・・コックさんが急ぎ追加を作ってくれた、
当初の緊張はどこへやら・・皆和やかな顔で食事を楽しんでいた。
「おかわりお願いします!!!!!!!!!!!」
デーモン達は全員おかわりを要求、負けじとタケシ達もおかわりを連発、
なぜか大食い大会のようになり・・共に5人分食べた後締めのプリン、
これも3回おかわりして・・やっと落ち着いたらしい。
「ごちそうさまでした!」
同じように5人分食べたサユミやホリー、アヤカ達にそっと尋ねる。
「そんなに食べて昼大丈夫なのか?」
「ご心配なく、この程度なら昼も問題なく食べられます!」
・・・
デーモン達も問題ないという顔で俺に微笑んでいた。
・・・
深く考えるのはやめることにした。
ちなみに俺とエリーナとエマは小盛の一杯だけ、だが妻達は追加のデザート、
サイダーとバニラアイスをミキサーでミックスしたシェイクを別に頼んでいた、
これを見たデーモン達もリクエスト、締めの一杯として美味しく飲んでいた。
やっと落ち着いたので・・
改めてお互い挨拶、デーモン達は王と甥と姪と重要部下が勢揃いしていた、
王の妻をはじめ女性陣は領地を守り男たちは各地を監視・食糧探しが主らしい、
食料を探しているうちに裏世界の出入り口を見つけ偵察していたそうだ。
俺達の存在に気付いた王が甥と姪達に偵察命令、ある程度の権限を持たせていた、
交流するに値する存在なら正体を明かし交渉するように指示していたようだ、
そして大会議の時に正体を明かし俺達と共にここに戻ってきたと・・
なるほど!
さらに王が語る。
「甥と姪から聞いていると思いますが・・正直我らは食糧難に陥っています、
幸い今は耐えてますが・・今後これが続くと間違いなく餓死者が出るでしょう、
それを防ぐために各地を偵察していたら・・あなた達を知ったのです」
王の話はその後も続き・・
俺達からの食糧援助を強く希望していて・・早く欲しいと言っている、
その代わり自分の領地にある天然素材は環境に影響がない範囲なら・・
好きに使っていいと言っている。
・・・
悪い話ではないが・・
ここでエリーナがデーモンの王に返答する。
「わかりました!食糧は可能な限り供給します、でも条件があります」
「それは・・どういうものですか?」
「あなた達の領地の視察と王の妻たちと面談することを希望します」
エリーナは王の妻達女性陣を見たいと考えたようだ、それには理由がある、
女性が領地を守る位だから相当な実力者のはず、もしかしたら・・
あらゆる意味で王より強さや権限は上かもしれないからだ。
デーモンの王はこの条件をあっさり了承した、余程切羽詰まってるのだろう、
さらにエマが提案、このまま先にデーモンの領地に出向き視察と食糧の提供、
その後地底人の裏世界に出向いて腐葉土石を埋める作業を視察してもらう。
これに関しては地底人の意見も聞きたいので急ぎ呼んだ、返事は快諾だった、
地底人も一度デーモンの領地を見たいそうだ、何かが埋まっているかもしれない、
それを自分達が発掘出来れば食糧難を緩和できるかもしれないと言っていた。
全員の了承が得られたので急ぎ大和・武蔵・信濃・紀伊は出港準備、
4隻に分散して乗っていたライアン達がフェニックスの島に降りていく、
ここはライアン達の土魔法が使えるので急ぎ造船所などを造るそうだ。
念のための護衛として白黒天使族約100人も降りている。
4隻は港を離れ裏世界の出入り口に急ぐ、しばらくしたら出入り口が見えてきた、
正面から見て右が人間のいる裏世界、真ん中がフェニックスと地底人の裏世界、
そして左側が・・デーモンが支配する裏世界に続く出入り口となっていた。
今回も通過の際有線ケーブルを通しこの世界と裏世界の通信が出来るようにする、
フェニックスの島を監視していた通信衛星を使い各地と通話が出来るようになった、
これで万一の時は俺達の世界からの応援が呼べるようになったが・・
第2陣である第1艦隊があるトラブル、クリスティーナの出産が早まったのだ、
夫であるデーヴィドは妻の傍から離れない、俺の経緯を知ってるので動かない、
もし出撃したら俺のように当面子供に会えなくなるのを嫌がっているのだ。
他の妻たちも動くのをためらう、難産のようで万一に備え傍に居たいそうだ。
仕方がないので代わりに第5艦隊が第2陣として出撃することとなった、
第5艦隊は急ぎルーム国に戻りソニアとレティシア達を乗せて出港、
戦艦榛名の艦長レイミをサポートするためソニアが臨時副艦長となった。
アリエノール・シャーロット達は残って・・
急ぎ第1艦隊の臨時艦長としてモンタナ・アリゾナ・オクラハマに乗り込む、
エニウェアが攻めてきた時に備え彼女達が第5艦隊の代わりに警備する。
俺達は裏世界に入る、4隻とも特に問題なく裏世界に入れたようだ、
1時間ほど王の指示する方角に巡航していると大きな島が見えてきた、
4隻は島に近づき・・
「な・・なにあれ?島が動いているの?」
「う・・嘘・・4つもあるわ?」
「あ・・あんなのが来るなんて聞いてないわよ?」
「王から使者が来るとは聞いてたけど・・あれは聞いてないわよ!」
「ど・・どうするの?あんなのが来たらひとたまりもないわよ!」
「こ・・こうなれば先手必勝よ!皆よ攻撃準備を!!!」
デーモンの妻たちは急ぎ攻撃準備、俺達を未知の敵だと勘違いしたようだ、
彼女達は巨大化し万一の時に準備していた岩や石などを手に持ち・・
それらを抱えて海岸に急ぎ・・戦闘準備を始めている。
俺達はそんなことは・・・当然わからない。
当然ながら俺達は艦をイエローデーモンの港に向けて舵を切っていた。
というのも・・
イエローデーモンの王は・・・
部下に俺達が伺うから妻たちに急ぎ伝えろとは言ったが・・
見たことも無い巨大な艦で伺うからと詳細は一言も言ってない。
これは王が・・・
俺達が緊急援助の為用意した食糧の山を見てとても喜んでいたからだ、
これなら飢えは凌げると確信した王は嬉しさで頭が一杯になっていた、
そのため妻たちに詳細を伝えることをすっかり忘れていたのだ。
その為・・
妻たちが俺達の艦を見て仰天してるとは夢にも思わなかった。
4隻はゆっくりと進み・・
島がはっきり見えてきたな~と思っていたら・・
・・・
!!!
無数の石や岩がこちらに向かって飛んできた。
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