ガルーダの名前と醜い口喧嘩
航空母艦大鳳が洋上で待っている、その甲板にガルーダがいる、
俺たちは改装が済んだ戦艦長門・陸奥・伊勢・日向で向かう、
伊勢は大鳳の右、日向が左、陸奥が前に出て大鳳を囲み護衛する。
俺たちが乗る長門が大鳳に接触、橋をかけ大鳳に乗り移る。
「待っていたぞ!」
特級ガルーダが男性の姿となり出迎えてくれた、
前に会った双子の女性も左右にいる。ただ・・
口には言えないが・・ちんちくりんな女性たちだ。
俺たちは大鳳の食堂に向かいそこで話し合うことになった。
どうして食堂なんだろう・・?
早速ケーキと紅茶が出た、ガルーダの顔の表情の変化はないが・・
それぞれ目線はしっかりケーキに向け野生の目を光らせていた。
・・・
先に食べてから話そうか?
この世界では甘いものはほとんど無く超貴重品だそうだ。
それとガルーダたちが味覚を感じるのは人の姿だけのようだ。
本体の時はどうなんだろう?
試しに尋ねてみた。
「獲物はほとんど丸飲みだ、味など感じない」
・・・
それはそうと大鳳の船尾で別のガルーダが人の姿で喧嘩してる、
何してるんだろう?
「このケーキは俺のだ!お前はさっき食べただろう」
「お兄ちゃんの物は私の物、私の物は私の物よ!」
・・・
うん!、マジの魔法攻撃はやめようか・・
大鳳が壊れるから・・
「それでは話を始めよう」
その前に口元についてるクリームを拭こうね。
「勿体ない」
口元のクリームを舌を伸ばし器用に食べていた。
「待たせてすまなかったな、では改めて話を始めたい」
「その前に」
「どうしたんだ?」
「お互い名乗ってないだろう、まずは自己紹介したい、
俺はルーカス・ コウ・ウィリアムズ、コウと呼んでくれ、
こちらは相方のデーヴィド・クロフォードだ」
「そしてこちらの女性はエリーナ・マリア・レティシアさん、
こちらが妹のクリスティーナ・マリア・レティシアさんだ」
「これはご丁寧に・・我の名は・・」
・・・・・・・・
「・・・だ!」
名前聞くだけで5分以上時間を費やした。
「人間の姿での名前はないのか?」
「特に決めてないな、何かいいのがあるのか?」
俺たちは思いつく名前を紙いっぱいに書きガルーダに見せた、
その中にあった自分に関連する名前が気に入ったようだ。
「この名前がいい」
特級ガルーダ(男性)命名!
カオス・ルミエール・レティフォード!
・・・
一応言葉の意味をガルーダに伝えた。
カオスはギリシャ語で「混沌、もしくは無秩序の状態」
ルミエールはフランス語で「光」
レティフォードは・・
何故かデーヴィドとエリーナたちの苗字をそれぞれ半分取ってくっつけた。
「我に相応しい名前だ!我こそ混沌とした世界の光だからな」
・・・
まあ本人が納得すればそれでいいんだけどね。
この名前を聞き極度に反応したのが左右にいる双子女性のガルーダ。
「私たちにも人間の名前を考えてください!」
「爽やかでカッコいい名前をお願いします!」
俺たちは再び思いつく女性の名前を紙に書きまくった。
その結果・・
ガルーダの双子の姉
「シルヴィ・ルミエール・レティフォード!
ガルーダの双子の妹
ソフィア・ルミエール・レティフォード!
姉が選んだシルヴィとはフランス語で「森からの」という意味、
自分は山脈の森に住んでるからと・・この言葉を選んだ。
妹が選んだソフィアとはフランス語で「知恵・聡明な」という意味、
勤勉で知恵が溢れてる私に相応しいと豪語しているが・・?
ガルーダたちの口喧嘩が始まった。
「なんで我と同じ苗字なのだ?お前たちは苗字を変えろ!」
「なに言ってるのお兄ちゃん!兄妹なんだから当たり前でしょ!」
「そうよそうよ!これで決まり!」
「なにが兄妹だ!お前たちは従妹だろうが!別でも問題ない!」
「それならお兄ちゃんが変えればいいじゃない!」
「そうよ!多数決でお兄ちゃんが変えれば済むことよ!」
「何言ってるんだ!我が厳選した苗字だぞ!変えるのはお前たちだ!」
・・・
え~っと・・
ガルーダたちの口喧嘩が収まるまで30分以上待たされた。
・・・
それでも口喧嘩が収まりそうもないので俺が割り込んだ!
「小さいことに拘ってどうするんだ?君たちは勇敢で聡明で寛大、
仁義高く万人に優しいガルーダなんだろう?なら喧嘩はやめよう」
この一言が効いたのか?
すぐにガルーダたちは襟を但し話し合う姿勢になった。