デーモンブレンドの誕生と裏世界の例えた勢力図
爽やかな笑顔で朝食を食べてるデーモンを見ていると・・なぜか和む、
今迄は得体のしれない相手という意識が強すぎて過剰に緊張してたからだ、
だが目の前のデーモンは・・顔こそ怖いが振る舞いは紳士そのものだった。
ちなみにこの日の朝食はちりめんごはんと豆腐入り味噌汁、なぜかステーキ・・
朝からこんなボリュームのあるもの・・皆当たり前のように食べている、
俺のステーキはなぜか女王に獲られたのでサバの塩焼きを代わりに食べた。
「ごちそうさまでした!!!!」
4人のデーモンは食後の挨拶も丁寧だ、見事な日本語で合唱して・・
「こ・・これはなんという食べ物ですか????」
女性陣が別に頼んだプリンアラモードを見て・・欲しそうな顔をしている、
この異世界では甘い物は超貴重と聞いていたが裏世界ではどうなんだろう?
尋ねてみると・・
「甘い物????お・・親が一度だけ食べたと聞いたことがあります!」
どうやら同じようだ。
ちなみに地底人にも同様の質問をしてみると・・感無量らしく泣いている。
・・・
聞くまでもなかったな。
1人が平均5人前を完食して・・やっと落ち着いたらしい、
そのまま至高の気分のまま猫のように寝る・・わけにはいきませんよ!
これから会議があるんだからな!
すげ~眠そうな顔をしたデーモンと地底人を連れて会議場に急ぐ、
すでに各種族揃い踏み、だが皆眠いのかコーヒーを飲んで眠気さまし!
俺の隣で居眠りしているデーモンにもコーヒーを出してみたが・・
「こ・・これは苦いけど美味しい!」
「こんなに目が覚める飲み物は初めてです!」
「このクリープと言うものは・・味をまろやかにしてくれますね」
「あっ・・豆が選べるのですか?それならこの組み合わせで・・」
デーモンがブレンドしたコーヒーが・・なぜかめちゃ美味そうだ、
試しに俺も飲んでみたが・・斬新な味がしてとても美味しかった、
各種族も真似て飲んでみたが・・超がつく大好評だった。
以降・・
この組み合わせは・・
「デーモンブレンド」
と命名されこの異世界と裏世界のコーヒー好きに愛された。
それはさておき・・
皆の目が覚めたので会議の再開、デーモンへの質問から始まった、
まず東の大陸からメディがデーモンに質問する。
「デーモンさん、あなた方の勢力図を教えてくれませんか?」
これに対し・・デーモンたちは左手の手首を俺達に見せる、よく見ると・・
黄色の腕輪のようなものがついているようだが・・
「あなた方の言葉で語ると・・我らはイエローデーモンという種族です、
我らはフェニックスの出入り口近郊に住んでいて主に農業をしています」
隣のデーモンが語る・・
「我らは私達イエローの他にレッド・ブラック・ホワイト・ブルー・、
グリーン・パープルと7種類います、これらの王が各地を治めています」
この返答を皮切りに各種族が質問の嵐、戸惑いながらも返答するデーモン、
質問のほとんどがデーモンの性格に関してなので簡単にまとめると・・
● レッド・ブラックは戦闘系、頻繁に喧嘩をしている。
● ブルーとグリーンは技術系、弓や槍などの武器を造るのが得意。
● パープルは・・俺達で言う科学者らしく様々な研究をしている。
● 自分達イエローとホワイトは・・俺達で言う漁師や農家の扱いらしい。
地形に関しては・・この異世界に似ていて東西南北に分かれているようだ。
次に勢力だが・・
これに関してはデーモンの遊び心なのか・・日本の武将で例えてくれた、
各武将が単独で活躍していた頃の状況だけを頭で描いてくれと言われた。
各種族は俺達の歴史の本も読んでいるので大体の感じはわかるそうだ、
特に戦国時代は人気なので観賞用の刀や鎧の作成依頼も頻繁にきている。
レッドは・・織田信長。
ブラックは・・徳川家康。
ブルーは・・武田信玄。
グリーンは・・上杉謙信。
パープルは・・毛利元就。
ホワイトは・・伊達正宗。
そして自分達イエローは・・明智光秀だそうだ。
・・・
最後の例えが凄く気になるが・・
・・・
あんたたち裏切ったりしないよね?
「それは絶対にありません!」
デーモン達は自信満々に・・胸を叩いていた!
・・・
それなら・・なぜその例えを出したのだろう?
・・・
深く考えることはやめることにした。
ちなみにデーモン達はネズミや小鳥などの小動物にとりつくことが出来る、
ただ初級以下の生き物にしかとりつくことは出来ず魔法も能力も使えない、
本来は中級以上の強さがあるが・・とりつくことで自分達も初級以下となる。
とりついてる間は自分の意志で小動物を支配できるが動きがちと鈍くなる、
自分の身体ではないので・・自在に扱えるまでにかなりの時間を要する、
その間狙われやすいので頻繁に移動しないと食べられることもあるそうだ。
先程ブラックが助けた子猫達にとりついたのは・・たまたまそこにいたから、
その前は小鳥にとりついていたが大型の鳥に襲われ急ぎ逃げたが捕まった、
食べられる前に煙となり急ぎ離脱、移動していた先に子猫たちがいたそうだ。
フェニックスや天使族がデーモンを探知できなかったのはそのため、
彼女達は無数にいる小動物を調べたらきりがないので区切りをつけていた、
中級以上の能力を感知したら危険を感じるが・・それ以下は無視していた。
他に関しても同様で・・小動物ということで無視・放置していた、
デーモンもそれは理解していたので本体を隠しこの世界を偵察していた。
俺達の言語や技術・歴史等を知っているのは小動物の時に調べたから、
例えば皆が寝ているときにネズミにとりつき本をこっそり読んでいた、
他にも子供達の授業中に小鳥にとりつき窓際で授業を聞いていたそうだ。
・・・
待てよ?
と言うことは・・・
「いえいえ着替えや夜の営みなどの時にはそこから離れてましたよ」
ホントかな・・?
「それはお約束できます、というかそういう時に見つかるとまずいのです」
それはどうしてだ?
「営み等の時は興奮状態ですから気が張っていて攻撃されることが多いのです、
着替えもそうですが・・そういう時に見つかると覚えられる確率が高いのです、
そうなると動きにくいでしょう?駆除されるかもしれないですから・・」
なるほどな・・
話は変わりデーモン単体の強さの質問が出たのでデーモンがそれに答える、
自分達もこの世界と同じ初級・中級・上級・特級と有り基本強い者が上、
それぞれの王が一番強いらしく全員が特級クラスだそうだ。
デーモンの主な能力としては・・
小動物にとりつけること!
巨大化できること!
人間に変身できること!
それと俺達と同じ魔法が使えるそうだ、他にもあるがほとんど謎らしい、
個々の生まれ持った能力に関しては秘密なのでわからないらしい、
ちなみに人間に変身できるのは・・あらゆる意味で便利だから。
人間は裏世界を含むあらゆる地に住んでるので紛れるために変身する、
それと物作り等に適した身体なので魔物達はこれを求めて人間に変身する、
ガルーダなどの本体の手は翼が多く精密な作業が難しいためだ。
今俺たちの前にいるイエローデーモン達は若者らしく上級クラスらしい、
自分達の王の甥と姪らしく将来は幹部候補として期待されてるそうだ、
彼らに関しては上記の能力の他に仲間を指揮できる統率能力があるそうだ。
・・・
えっ?甥と姪?
女性もいたの????
「はい!私とこの子が王の姪となります」
・・・
どう見ても容姿は一緒にしか見えないが・・・
「これならどうですか?」
2体のデーモンは光り輝き・・そこから高校生位の美人女子が出てきた、
感じとしてはZA●Dの坂井●水さんのようで落ち着いた雰囲気がある、
この姿を見た各種族の若者が大歓声、好みのタイプだと絶賛していた。
2体の女子デーモンは歓声に応え・・照れながら小さく手を振っていた。
それを見て・・
なぜか対抗心を燃やす2体の男子デーモン!
「じ・・自分達はこんな感じです!」
2体のデーモンは光り輝き・・そこから高校生位の美男子が出てきた、
感じとしては氷●きよしさんのような感じで爽やかな雰囲気がある、
これを見た各種族の女性・・なぜか既婚のオバさん連中が大興奮していた!
「キャ~~~キャ~~!!!!!!!!!」
ただ若い女性達はあまり関心が無いらしく一部が声援を送る程度、
かっこよく爽やかだが・・あまり強そうには見えないので関心は薄い、
子供っぽく見えるから恋愛対象よりも弟のような目で見られていた。
若い女性の声援が少ないからか・・
男子デーモンは・・ガッカリしていた。
・・・
あの~~みなさま・・
今は会議中なんですけど?
「ウォォォォォォオォォォ…!!!!」
「キャァァァァァァァァァ・・!!!!」
・・・
各種族の若い男性・オバさんの興奮が収まったのは昼前のことだった。