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デーモンの探していたものと異空間の謎




子猫たちはデーモンに心身を乗っ取られていたようで目がうつろになる、

それを無視するかのようにデーモンは俺達に向かってゆっくり語り出す、

どこで知ったのか・・日本語で話してきた。




「我らは長い間ずっと君達を見てきた、そのためこの言葉も知っている」




ずっと見てきた?



この言葉に反応したのがベアトリスやシャーロット達白黒天使族。



「そんなはずはないわ!私達広範囲に魔法で敵を感知していたのよ!

私達の魔法を掻い潜ったとでも言うの?信じられないわ!」

 


「現に我らはここにいる・・これが揺るがぬ証拠と言えよう・・」



「ど・・どうやったのよ?説明しなさい!」



「我らに被害を加えないと約束してくれたら・・すべてを話そう・・」



天使族は俺達を見て・・



俺達は天使族に任せることを了承、頷き合図を送る、天使族も静かに頷いた。



「わかったわ、被害を加えないことを約束するわ!」



「わかった、今からここを出て説明する」



すると子猫の口から煙が出てきて・・それらが集まり人の形となる、

見た目は・・俺が漫画などで見た気味の悪いデーモンそのものだった、

ただ礼儀正しく言葉も丁寧なので・・意外と紳士なのかもしれない。



子猫達はそのまま崩れその場で眠る、疲れてはいるが命に別状はない、

デーモンたちはもう猫に戻る気は無いようで子猫たちを回収する、

すぐさまメイドさん達が連れて行き治療を施していた。



デーモンたちは・・静かに語り出す。



「我らはその昔裏世界の出入り口を見つけたがフェニックスの監視があった、

そこで我らは小動物に入り込み監視をかいくぐって各地を視察してきた、

そうして探してきた・・我らが望む技術を持つ者を・・」



「技術?具体的に説明して!」



別のデーモンがこの質問に答える。



「まず水です、我らの地の水は濁っているのが多く飲み水に困っている、

数少ない良質な水脈を求め戦争が起こる始末、それが未だに続いている・・

それをきれいにする方法はないものかと探していたのです」



別のデーモンが語り出す・・



「君達の世界を見て、浄化装置から出てきた美しい水に感激したのです、

この技術・・水を浄化できる技術があれば我らの望みは叶えられる、

そう思ったので・・話し合いをしたく正体を明かしたのです」



「他には?」



他のデーモンが答える・・



「一時期の君達と同じだよ・・我らも食糧難で苦しんでいる、

なぜかはわからないが・・我らの大地ではろくな作物が育たない、

そのため他の地に移って栽培をと考えていたんだが・・」



「それって・・もしかして各地に侵攻する気だったの?」



「相手にもよる、争いばかり繰り返して救いようがない場合だな、

そんなのと付き合ってもろくな事はない、まあ一度戦ったが・・」



「えっ?それは誰と?」



「まあ昔の話ですよ・・それより我らが正体を明かした理由・・

それはあなた方のとてつもない技術と知恵、それと素晴らしい団結力、

これこそ我らデーモンが探していたものなのです」



「技術と知恵はわかるけど・・団結力?」



「はい、我らデーモン一族は分裂して内乱を繰り返している状態です、

このままでは来たるべき脅威に太刀打ちできません、なので・・

あなた方の経験を参考に・・再びデーモン一族を団結させたいのです」



「その驚異って・・なによ?」



「エニウェアドラゴンですよ!」



「えっ?エニウェア?」



この言葉を聞いたサーラとエマツー、他の初級エニウェアは驚いた、

すぐさまデーモンたちに質問、自分達はデーモンと交戦したことはない、

それをどうして脅威と言うのか?この質問にデーモンは静かに語る。



「エニウェアドラゴンは異空間に自分の身体を収納できますよね?」



「えっ?ええ・・その通りですが?」



「一部のエニウェアは・・自在にその異空間を通ることが出来るのです、

これは特級・・もしくはそれ以上の能力者に限られると思います」



「そんな話聞いたことがありません!」



「当然です、当の能力者もそのことを知らない者もいますので・・」



「もう少し詳しく説明して!」



「はるか昔デーモンの世界に特級エニウェアが迷い込んだ事がありました、

その力は驚異的で・・我らデーモン一族はその数を半分以下にされました、

切羽詰まった我々は当時最強のデーモンに皆の力を結集し何とか撃退しました」



そんなことがあったのか・・



「あなた方初級エニウェアを見て驚愕しました、人間姿で生活してますよね?

これは本体を異空間に収納した状態で意識はこの世界に留められる、つまり・・

逆の行動をすれば異空間にいる状態で意識を戻せれば行動できる・・」



「それって・・つまり・・」



「そう!我らが住むデーモンの世界は異空間の穴が各地にあるのです!

その中の一つからエニウェアが出てきました」



これを聞いて各種族は驚愕、それは当然だろう、自分達も使っているからな、

サーラ達が教えた魔法は本体だけ異空間で他は人間姿でこの世界に留まるもの、

本体を異空間に収めたままで自分の意識を戻すと・・



「それは無理だと思います、我らも試しましたが異空間移動は出来ません、

おそらく異空間を通ることが出来るのは超特級エニウェアだけだと思います、

実際初級の皆様は異空間に自分の意思は送れない、そうですよね?」



サーラ達は・・静かに頷いた。



要するに・・



異空間に自分の本体は収納できるが・・意識は異空間に送れない、

そのためサーラ達は人間姿を造りだしその擬態の中で生活している、

ガルーダなどの種族も同様で・・同じように人間姿で生活している。



ここでワイバーンの若者から発言が出た、自分達が面白半分に試したらしい、

彼らは上級レベルではあるが・・色々試しても意識は送れなかったそうだ、

他の種族も一部試したそうだが・・帰れなくなることを恐れ中断したらしい。



ならば・・



特級レベルのサユミとタケシにも尋ねてみた。



「私は試したことはありませんが・・本体は青い空間の中、

そこで浮きながら寝ている感覚はなんとなくあります」



「俺も同じです、青い空間の中で単独寝ている感じです」



「それは?他のドラゴンとか・・近くに感じないの?」



「それはありません、単独で浮いている感じです」



サユミとタケシが異空間移動を試そうかと提案があったが皆が猛反対した、

もし意識が異空間から戻れなくなったら2人は死ぬかもしれないからだ、

デーモンも賛同できないと言っている、そのため俺の権限で中止させた。



外を見ると・・すっかり日が暮れて満月が出ている。



もう午後8時過ぎたので本日の会議はここまで、明日再開することにした、

皆はホテル等に移動、そこには食事も用意されている、ちなみに・・

デーモンに尋ねたら空腹だと言うので俺の権限で食事を与えることにした。



「美味い!」



「これは美味い!おかわり頼みます!」



「これは・・酒か?こんな美味いの初めてだ!」



「水割りがメチャ美味い!水がこんなに美味しいだなんて!」



・・・



デーモンも俺達と同じ味覚なんだな・・



酒が効いたのか・・



デーモンたちは食事の後そのまま爆睡、相当疲れていたようだが・・



・・・



今迄子猫にとりついていたせいか・・猫に似た格好で寝ている、

1人・・の呼び方でいいのかな?まあいいか・・



4人は大股あけて、1人は横向きで1人は逆さで1人はうつぶせ、

敵かもしれない俺達の前で・・これだけ無防備だと逆に感心する、

敵意は無さそうなので・・空いてる団体部屋に寝かせておいた。



見た目は怖いが・・



案外いい奴らなのかもしれない。



だが念の為部屋の外に結界を展開し逃げられないようにはしてある。



俺達も疲れたので寝る・・



久しぶりに会ったアトラス達の宴会に招待された。



俺達は・・



何故かわからないが・・



・・・



宴会の後しっかり眠ることが出来た。




翌日・・




部屋の結界を解除し入ってみると・・




「おはようございます!!!!」




・・・



目の前には・・



爽やかな笑顔で・・



朝食を楽しみに待ってるデーモンたちがいた。















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― 新着の感想 ―
[一言] まずは胃袋をつかみましたね?
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