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サユミとタケシの気付いた愛と気になるデーモンへの対策




ルーム国の来賓室ではタケシとサユミのお見合いの真っ最中・・

とは言っても・・お互い幼少からの付き合いで詳細は把握している、

そのためか全然話が出てこないので・・ここで仲人の出番となる。



タケシにはエリーナ、サユミにはクリスティーナが仲人になっている、

ただクリスティーナは妊娠中の為当初は控えろと周りが言ったが・・

本人が「自分が適しているから」と言って譲らないので任せた。



ちなみに俺とデーヴィドはじめ他は誰も参加していない、カメラもオフ、

4人以外は完全シャットアウト、メイドさんも飲み物等の用意のみ、

すぐに退室して雑音が入らないように来賓室周辺を監視していた。



話が進まない中・・クリスティーナがタケシに尋ねる。



「タケシさん、サユミさんと結婚する気はありますか?」



単刀直入すぎるだろ!



これに対して・・即座にエリーナがサユミに尋ねる」



「サユミさん・・あなたはどうなの?結婚する気はあるの?」



サユミは言葉が出なかったが・・タケシがクリスティーナに尋ねる。



「クリスティーナさんから見て・・俺達をどう思いますか?」



「そうですね・・お似合いだと思いますよ、でもお互い頑固すぎますよね、

もっと気を抜いたらどうですか?今までとは別人のようですよ?」



「それはわかっているんですが・・」



「全然わかっていないんじゃないの?」



エリーナの強烈なツッコミに・・タジタジのタケシ・・



・・・



エリーナよ!



君はタケシの仲人だよね?



何故自分の仲人を追いつめるんだ?



「単刀直入に言うわ!貴方達今更デートしてお互いを確かめ合う・・

そういう仲じゃないでしょ?もう心身とも繋がっているんだからね!

あとは行動だけよ!これにサインすれば万事収まるわ」



「そうですよ!もう遠慮する必要はありません、これにサインを・・」



エリーナとクリスティーナが出したのは・・婚姻届だった。



「えっ?えっ?」



「こ・・これは早いのでは?」



「全然早くないわよ、むしろ遅すぎる位だわ!早くサインしなさい」



「で・・でも私はコウさんとの婚約が・・」



「あんなの無視すればいいのよ!」



あんなのはないだろう・・



「コウには妻がたくさんいるからね、あなた一人抜けても問題はないわ、

むしろコウも貴方とタケシ君が結ばれることを願っているはず・・、

今迄の行動を見ればわかるでしょ?なら遠慮する必要はないわ!」



「で・・でも・・」



ここでクリスティーナがタケシに激をかける!



「タケシさん、あなたはサユミさんがコウに抱かれるのがお望みですか?

一番大切な人が他人に抱かれる・・悔しくないのですか?情けないですよ!

こういう時に動くのが男でしょ!早くサユミさんを捕まえなさいよ!」



普段大人しいクリスティーナの一喝は・・2人の心に響いたようだ。



・・・



・・・



ここでエリーナとクリスティーナは席を外す、部屋には2人っきりとなる、

クリスティーナの喝が効いたのかはわからないが・・



しばらくしたら・・2人は同時にペンを取る。



そして・・・



・・・



10分後・・



2人は手を繋いで・・



口を片手でそっと隠しながら・・



すごく照れた顔をして部屋から出てきた。




「エリーナさん・・これお願いします!」




エリーナは2枚の書類に目を通し・・



「わかったわ!これは私が預かるわね!」



「宜しくお願いします!!」



タケシとサユミは笑顔で・・手を繋いでその場を去って行った、

エリーナが手にした婚姻届には・・2人のサインが書いてあった。




翌日・・・




俺の目の前には号泣するサユミがいた。



「こめんな・・さい・・本当にごめんな・・さい」



俺との婚約解消のために訪れていたんだが・・堪えきれずに泣いている、

そこまで俺を慕ってくれたのは嬉しい限りだが・・俺はこれでいいと思う、

本心が出たのだからそれでいい、タケシと幸せになってほしい・・



そう伝えたら・・



「あ・・ありがとうございます・・」



さらに泣き出して俺に抱きついてきた。



・・・



気持ちは嬉しいが・・タケシが拗ねてるからこのへんで・・




「コラ~~~~ァァァァァァァァァァ!!!!!」




突然メイドさん達が現れ俺を担ぎ上げサユミから離す、そして駆け足、

なぜかわからないが・・



「せ~~~の!!!!!!!!!!!」



ポイ!



ドッパ~~~ン!!!



俺はなぜかプールの中に放り込まれた!



俺は当然ずぶ濡れになり・・メイドさん達に怒る!



「おい何するんだ!俺が何をしたと言うんだ!」



するとメイドさん達が・・



「それはこっちのセリフです!サユミさんを泣かせたから当然ですよ!」



・・・



ふと見ると・・ずぶ濡れの俺を見てサユミが泣きながら微笑む・・

ずぶ濡れの俺の姿を見て・・なぜかおかしくなり吹っ切れたようだ。



・・・



まあサユミの気持ちが切り替わったから・・よしとしよう。



サユミは俺に深々と頭を下げ・・タケシと手を繋いで去っていった、

ずぶ濡れの俺はプールから上がる・・何かに引っ張られ再びプールに落ちる。



ドッパ~~~ン!!!



俺が顔を上げると・・目の前にはフェニックスの女王がいた!



「あんた何てことしてくれたのよ!私の虜を奪うなんて最低よ!」



いやあんたが勝手に決めた事だろ?



「あっ・・あああ・・・」



女王は突然・・うずくまり・・何か呟いていた・・・



「どうしよう・・これからどうしよう・・」



女王はタケシと言う虜を失ったので・・今後の行方をすごく気にしていた、

まあ当然だろう、俺達はまだフェニックス達を信用していないからな、

だが地底人のこともあるので彼女達の力も必要なのは確かだ、なので・・



俺は急ぎ着替えて・・自分の部屋に女王を呼ぶ!



「私を襲う気なの?それなら優しくしてね!は・・初めてなんだから・・」



俺は女王をピコピコハンマーで叩いた。



「エヘヘヘ・・」



なぜか顔を赤らめる女王、俺は無視して女王に俺の考えを説明した。



俺達が同盟を結んでいる各種族は今までの経緯からフェニックス達を警戒、

女王達には広範囲に結界を展開できるため重要箇所を占拠して籠るかもしれない、

こういう状況で権限ある役職を与えると皆は不審を抱き反対することは明らかだ。



だが女王達の視線で見ると・・俺達と交流を深め食料を供給してもらいたい、

すでに島民は去っているので僅かな部下の栽培では枯渇するのは目に見えている、

女王はそのためにタケシに近寄り役職を貰い自分達の居場所を確保しようとした。



ここまでは・・女王もその通りだと納得してくれた。



話を続ける。



俺としては・・もう女王達も地底人たちも放置は出来ない、それには理由がある、

フェニックスの島には裏世界に通じる出入り口が3か所、これは戦艦も通れる、

となれば・・当然エニウェア達も通れるということだ。



一つが人間の世界、北東の大陸の上得意様にエニウェアが攻める事は避けたい、

そのためフェニックスには引き続き結界を展開してもらわないと困るのだ。



次が地底人との交流、俺達の住む世界からは海を跨ぐので列車の開通は不可能、

艦の往来だと時間がかかるので裏世界の環境を整えれば食料の心配はかなり減る、

それらの管理を地底人に任せれば安定供給も可能で島民たちは戻る必要がない。



食料さえ確保できればフェニックス達も引き続き結界を展開することが出来る。



それと・・



今後食糧難が起こるかもしれない、そのため裏世界でも栽培して食料を備えたい、

裏世界への輸送ルートさえ確保できれば・・安心度はさらに増すだろう。



もうひとつ!



一番気になるデーモンの存在、女王も詳しくは知らないと言っている、

ただ出入り口付近にはいないようで・・ほとんど放置状態だったらしい、

念の為半径1km以内に何かが近づくと警報が鳴るようにはしていた。



名前からして危険な存在の可能性は高いので・・



状況次第ではこの出入り口は閉鎖する必要があるのかもしれない・・



これに関しては女王が反対、無理に閉鎖すると空間がねじれ不安定になる、

最悪超爆発を起こす可能性があるそうなので放置せざるを得なかったらしい。



なるほど・・



それだと猶更放置は出来ない。



そうなると・・フェニックスの島にもある程度の武力を備える必要がある、

もしデーモンが島に攻めてきたら今の状態ではひとたまりもないだろう、

地底人たちも戦闘民族ではないので中級程度の戦闘力しか持っていない。



ここが敵に占拠されたら・・あらゆる意味で厄介になりそうだ。



・・・



これは各種族と深く話し合う必要があると俺は考えた。



俺は大至急・・・



各種族代表が集まる大会議を開くことを提案した。









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