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地底人の主張と皆で考える現状の打開策




謎の物体から出てきた小学生位の女の子を見て・・皆驚きを隠せない、

見た感じ小学5年生位で肌は浅黒く原始時代っぽい服を着ている、

どうやって出てきたのか気になるが・・ブラックのお姉さまが尋ねる。



「あなたは誰?どうやって出てきたの?」



「あ~おねえちゃん私と似ているわ~~ねえねえどこから来たの?」



質問返しは困るのだが・・



「話をはぐらかさずに聞いてくれる?ねえどこから来たの?」



少し怖めのお姉さまの笑顔に怯む謎の女の子だった。




「グゥゥゥゥゥゥゥ・・・」




女の子のお腹の虫の叫びがあたりに響く・・・



「お腹すいた~~」



呆れるお姉さまが自分の鞄から非常用の菓子パンを出して与えた。



「これめちゃ美味しい~~~甘いのはじめて~~~!」



「そうでしょ!そうでしょ!」



なぜかフェニックスの女王がタケシと腕を組み大きく頷いていた。



ちなみに・・



フェニックス達には食事は与えたが・・甘い物は一切出していない、

理由はすぐ虜になるのが見え見えだから、これ以上懐かれると困る、

ただでさえ厄介なのに・・これ以上懐かれると全員が落ち着かなくなる。



そのため・・おやつは皆隠れて食べていた。



ただ甘い匂いを敏感に察知した女王はその隙を模索していた。



しかし俺達が女王達を警戒していることも承知していたので・・

ある程度上の立場の者で・・自分好みの男性にねだろうと考えた、

自分の色気を最大限に使って虜にすれば甘い物を貰えるかもしれない・・



それに加え・・



パートナーが出来れば俺達も自分を無下にはしないだろう・・

そうなれば自分も俺達の仲間となれて地位も得ることが出来る・・



そう思いながら艦内を探し・・いた!



フェニックスの女王は艦長室で隠れておやつを食べていたタケシを見つける、

女王に見つかったタケシは急ぎおやつを隠し距離を置こうとしたが付き纏う、

女王もタケシを見て・・この男性なら自分に相応しいと考え付き纏っていた。



タケシは・・



逃げても逃げても付き纏われ根負けして一口だけの条件で与えたが・・




「美味しい~~!甘い~幸せ~~!もっと~~!!!!」




当然そんな条件など即座に木端微塵に吹き飛ばされ・・



タケシのおやつは女王に全部食べられた。



タケシは・・・



この時点では人生最大の失敗だったと思ったようだが・・もう遅かった。



以降フェニックスの女王はタケシにベッタリとなり離れなくなった、

まるで亭主のようにタケシを慕う女王はすっかり奥様気分・・

以降タケシのおやつは女王のものとなりタケシはその都度嘆いて・・ない?



あれ?



腕組みを嫌がらないタケシを・・皆は心の中で驚いていた、

幼少から仲が良いサユミが腕組みしてもすぐ離れるタケシ、

ソニアが濃厚なキスをしても無頓着ですぐ離れるタケシが・・



女性に興味がなさそうだったタケシが・・



・・・



フェニックスの女王の腕組みを嫌がらない?



・・・



この場にいた皆は地底人の女の子を見た時より驚いていた。



・・・



場の雰囲気を感じたタケシは・・一旦女王から離れ・・られない?



「あなた離れたらダメじゃない!妻を置き去りにする気なの?」



・・・



タケシは空気を察し・・女王を連れて紀伊の艦長室に戻っていった、

現地に残った天使族が代わりに女の子に質問を繰り返す。



「あなたは誰なの?」



「わたし~この辺に住んでる地底人だよ?」



そのまんまなのかい!



「それで?どうして地底から出てきたのよ?」



ツッコミはないんかい!



「あのね~この岩私の家なんだけど地震で出てきちゃったの!、

この家すぐ植物に絡まれるから魔法で枯らしていたんだけどね~、

突然すごい音がして揺れたから驚いて出てきたの~~!」



俺達が撃った銃やバズーカだな・・



「植物に絡まれる?どういう事よ?」



要約すると・・



この物質は良質の腐葉土の塊らしく植物が好んで養分を取るらしい、

それを防ぐため地中では地底人が植物を寄せ付けない魔法を乱射、

地底人はこの腐葉土の塊から栄養分を貰い地底で生きてきた。



500年ほど前に突然大地震が起きこの物質が地上に放り出された、

付近の植物は栄養分を求めこの塊に一斉に群がってきたので超焦る、

地底人は家を守るため魔法を乱射、裏世界一帯の植物を殲滅させた。



ただ風で植物の欠片が飛んできて物質に付着したら急成長するらしい、

それを防ぐため常に魔法を乱射して物質・・家を守っていたらしい、

ちなみに地底人は養分でも生きられるが人間のように飲食もできる。



女の子を含む各地底人は物質を地底に戻そうとしたが重すぎて動かせず、

仕方がないのでその中で生活、養分を貰いながら物質の中で生きてきた、

普段は寝てることが多いが・・俺達が攻撃したので驚き出てきたと・・



・・・



岩みたいな物質の中で・・普通生き物が住んでるとは思わないよな?



俺達の疑問を無視するかのごとく女の子が訴える!




「とにかく家を壊さないで!私達何もしてないんだから~~!」




いや十分やってるだろ?



君達の魔法のせいでフェニックスの主食が全滅したんだから・・

それに関しては何も思わないのかな?




「それなら地震に文句言ってよ!私達も迷惑されたんだから~~」




ごもっともです!



八方ふさがりのような雰囲気の中、物質の中から30代位の男女が現れた、

どうやらこの女の子の両親らしく落ち着いた雰囲気を漂わせている、

ただ今まで寝ていたようで状況を把握できてないようだ。



「あなた達はどなたですか?何か御用ですか?」



と尋ねてきたので今までの経緯を説明、申し訳なさそうな顔をしていた。



「そうなんですか・・フェニックスさんに迷惑かけたのですね」



話が早かったのでありがたい!



天使族が俺にスマホで詳細を連絡してきた、ちなみに圏内なので通話可能、

今いる世界と裏世界の出入り口には有線ケーブルで中継器を繋いでいる、

途中は海にブイを浮かべそれにも中継器を搭載させて通話可能とした。



天使族からの報告を聞いた俺とレイナとアデールは打開策を考えた、

フェニックスの行いは一旦棚に置いて・・根本問題をどう解決するか?

問題の発覚は大地震のせいなので・・どちらも非はないから難しい問題だ。



そこで・・



艦にいる全員に詳細を説明、一緒に打開策を考えてもらうことにした、

その結果下記の案が浮かんだのでフェニックスの女王も加え話し合った。



① 地底人に魔法照射を止めてもらう代わりに新たな家を提供する。



② 腐葉土の塊を俺達が一か所に集め、そこだけ地底人の領地とする。



③ 艦の砲撃などで横に大穴を開けそこに腐葉土の塊を地中に沈める。



④ 現状のまま何もしない。



⑤ 地下都市を造り腐葉土を分割して収納魔法で運び現地で組み立てる。



⑥ 裏世界を結界で区切り半分づつ地底人とフェニックスの領地とする。



・・・



①に関しては地底人が反対した、理由は普通の家だと養分が貰えないからだ、

②に関しても地底人が反対、その場所に住んでいるので動きたくないらしい、

③は地底人は前向き、フェニックスも主食の栽培が出来ればいいそうだ。



④は論外となり⑤は手間が膨大にかかるのと②と同じ理由で断念となる、

残った⑥に関しても②が絡むので断念することとなった。



この結果③の案を採用することとなった。



となると・・



各地に住む地底人にこのことを報告・・即座に出来てしまった!

なんでも地底人は仲間同士と土を通して拡散テレパシーを送れるそうだ、

そのため俺達とのやりとりは一瞬にして全地底人が知ることとなる。



ほぼ全部の地底人は③の案に賛成、出来るだけ早く埋めてほしいそうだ、

というのも・・地中は湿気も多いので乾くことは少ないが地上は違う、

地底人は乾燥に弱いそうなので地上に長時間いると干からびるそうだ。



そのため地中に戻りたいが・・家が地上に出たので止む無く住んでいた。



早速行動・・と行きたいがすでに日も暮れはじめたので今日はここまで、

全員各艦に戻り夕食・・地底人の親子も招待して一緒に食事したが・・



「美味しい!美味しすぎる」



「これ食べたら・・養分なんてカビ臭くて受け付けないわ!」



「う~ん美味しい!おかわり!」



・・・



地底人の生活環境が変わりそうで・・



不安が尽きない俺達だった。






















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