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フェニックスからの小舟と意外と弱そうな謎の女王




ショウはすっかり自信を持って・・アズミと意気投合したようだ、

頻繁に電話していて満面の笑みで日々を過ごしている、これ以降・・

彼は俺の部屋にベットを持ち込み籠ることは完全に無くなった。



彼は今戦艦霧島の艦長として日々訓練に励んでいる、その姿に皆が驚く、

今迄は気分次第ですぐどこかに逃げていたが・・その様子は微塵もない、

アズミという守る家族を得た彼の顔は・・たくましい男の顔になっていた。



後日・・



アズミのスマホにある3人からのお礼のメールが届く、差出人は・・

ショウの祖母のソニア、それと妹のサユミとレイミからだった。



3人はなんだかんだとショウを気にしていたが・・



自分達が絡むとショウが図に乗るので距離を取るしかなかった、

肉親としては心配だったが・・異性としては受け入れられない、

どうしたらいいのか悩んでいたが・・アズミが救世主となった。



その感謝のメールを貰ったアズミは・・・感激して微笑んでいた。



この2人の交際は早々に進み・・



近いうちに結婚式を挙げるそうだ。




そのころ・・



フェニックスの島で動きがあったようだ、なにやら大勢の人影が見える、

どうやら収穫がままならないようで裏世界から応援・・ではないらしい、

夫たちがなにやら偉そうな女性に叱咤されてる様子が映っていた、となると・・



俺はセーラーたちを呼び画像を見せて感想を聞く。



「おそらくこの女性がフェニックスの女王だと思います、たぶんですが・・

女王に対する貢物が止まったことによる叱咤だと思います、なにしろ・・

収穫物があっという間に消えていたので大半は貢物だったようですね」



「友好は結べそうか?」



「何とも言えませんね、あの疫病神のボスですから相当厄介だと思います」



「となると・・放置でいいかな?」



「それでいいんじゃないですか?結界砕くだけ手間だと思います」



なるほど・・



念の為各種族にこの状況とセーラーたちの意見を伝え放置することを報告、

各種族も移民たちの話を聞いていて取引するに値しないと思っていたようだ、

誰の反対意見もなかったので放置、一応監視だけは続けさせた。



3日後・・・



輸送駆逐艦に乗って周辺警戒していた上級ブラック達が何かを見つけた、

それは小舟で手紙が乗せてあった、すぐさま回収して内容を確かめる、

すると・・フェニックスの夫たちの懇願が山ほど書かれてあった。



簡単にまとめると・・・



自分達が悪かったから・・謝るから島民全員に戻ってほしいという内容、

ただ文章は長いが自己擁護的な書き方も多かったので各種族は呆れた、

口だけで反省する様子がほとんどないと判断し・・無視することに決めた。



2日後・・



別の輸送駆逐艦で警戒していたブラック達がまた手紙入りの小舟を発見した、

一応回収して内容を見たが・・似たような内容だったが一応報告はしてきた、

当然各種族は無視を選択、小舟をフェニックスの島に魔法で飛ばし返した。



その後も懲りずに似たような内容の小舟が流れてきた、その都度飛ばし返す、

しつこいのでその中の1隻に返事を書いた手紙を同封、こう記載しておいた。



● 島民たち散々苦しめておいて何言ってるのですか。



● 貴殿たちは口だけで反省の様子が全く見えません。



● 移民たちはこちらで幸せに暮らしています、戻る気はありません。



● あなた達の妻は全員離婚を断言しています。



● 子どもたちも全員絶縁を断言しています。



● こちらは貴殿たちと交渉する気はありません。



● どうしてもと言うのなら女王様が詫びに来た時のみ話に応じます。




かなりキツイ内容だが・・まあ今までの行いを考えたらこの位妥当だろう、

画像を見る限りだが女王様はかなりプライドが高そうに見えた、なので・・

自分から愚かな部下のためにこちらに来るとは思えない・・・



と俺達は見ていた。



実際この返事を書いた小舟を送り返した以降・・



新たな小舟が来ることは無くなった。



これで実質・・絶縁が出来たと皆は喜んでいた。




2日後・・・



輸送駆逐艦に乗っていた上級ブラック達が結界方面を見ていたら・・



なにやら大きな鳥が10m位の丸い結界を引っ張ってこちらに飛んでくる、

駆逐艦は即座に戦闘態勢、乗せていたヘリを離陸させ反転、主砲を向ける、

ブラック達もライフルランチャーを手に取り急ぎ離陸して構えた。



「総員戦闘態勢!」



乗務員もすぐさま配置につき迎撃態勢、付近の味方に援護を仰いだ、

近くの輸送駆逐艦は現場に急行、空港では垂直戦闘機が次々と離陸、

すぐさま現場に駆けつけ未確認物体に備えたが・・




「待って待って~~話がしたいのよ~~!」




広範囲テレパシーが皆の頭に響く。




「お願い話を聞いて~~私は敵じゃないわ!」



・・・



よく見ると・・



後ろの丸い結界の中にはボコボコにされたフェニックスの夫たちがいた、

相当ボコッたらしく意識不明で痙攣を起こしていた、だが皆は・・

フェニックスがこの程度で死ぬことはないと思いそれらは無視した。



「わかったわ、この駆逐艦の後ろに降りなさい!」



「わかったわ!」



謎の鳥は白く見事なフェニックス、俺が漫画で見た姿そのものだった、

身体は光り輝き見るからに気品漂う姿に皆見惚れていた。



フェニックスは駆逐艦のヘリポートに降りて・・人間姿になる、

白と金が混ざったような髪色でモデルのような見事なプロポーション、

落ち着いた感じの超美人で・・ナターシャお姉さまになんとなく似ている。




「出迎えご苦労!さあ膝をつき我を称えるがよい!」




次の瞬間・・



フェニックス達はブラックお姉さま達に非常用ボートに放り込まれた。




「全速前進!」




ブラックお姉さまたちはフェニックス女王を無視して帰ろうとする・・




「ご・・ごめんなさい~~お願いもう一度チャンスを・・」




泣きながらオールを漕いで追いかけてくるフェニックスの女王。



当然ながらブラックお姉さま達は怒り心頭。



フェニックス女王を睨んでライフルランチャーを向け追い返そうと・・




「あ・・謝るからもう一度チャンスをちょうだい~~!」




号泣するフェニックスの女王、なりふり構わぬ謝りに呆れる乗務員たち、

さすがに自分達では決められないと・・なぜかエリーナに助言を仰ぐ。



「話ぐらいは聞いてあげましょう、でも攻撃力は封じてね」



「わかりました」



ブラックお姉さま達は女王にそのことを伝えると・・女王は泣きながら頷く、

そして駆逐艦に乗せ戦闘力封印・・というか女王は中級程度の攻撃力だった、

フェニックスの女王だから特級クラスかと思ったが・・中級と聞いて驚いた。



中級・・弱すぎないかな?



部下の方が強いようだが・・ボコボコの姿を見ると何か特殊能力がありそうだ。



念の為それを含む攻撃力は封じたそうだ。



ちなみに・・



何故俺やデーヴィドに助言を聞かなかったのかを裏で尋ねた。



「ナターシャ様に似ている女王を無条件で許しそうだったので・・」



・・・



まあ否定はしない。




女王は駆逐艦の艦長室に連れて行くが・・部下の夫たちはそのまま放置、

すごく邪魔なので非常用ボートに乗せたまま牽引ロープで引っ張るようだ、

そしてヘリが着陸、駆逐艦はゆっくり動きだしチューリップの港に向かう。



俺は東の大陸にいたので急ぎ高速列車に乗りチューリップの町に向かった、

夕方には到着したが・・今日は女王との面談を避け別のホテルに宿泊した、

今回はレイナとアデールも応対すると言うので彼女達を待っていた。



翌日の夕方・・



特級グリフォンのレイナと特級ワイバーンのアデールが高速列車で来た、

てっきり飛んでくるかと思ったが・・なぜか手荷物が異常に多い、

これは自分達が欲しかった物らしく各地で買い物をしてきたようだ。



・・・



待つ必要なかったな・・



俺はアデール達と合流してフェニックスの女王の待つホテルの会議室へと急ぐ、

部屋に入ったら・・お情けである程度回復していたフェニックスの夫たち、

彼らは臨時の檻に入れられていたが・・サバの味噌焼き定食を喜んで食べていた。



女王は・・



「う~んこれ美味しい!ねえおかわりしてもいい?お願いお願い!」



・・・



お情けで出したサバの味噌焼き定食を目の色変えて食べてる女王がいた、

女王だけはこれで5人分だが・・まだ足りないと催告を繰り返していた、

檻の中の夫たちもおかわりを催促、とにかくうるさかった。



10分後・・・



あと一人分だけをそれぞれ追加して彼女達は味わいながら定食を完食、

やっと話し合いが出来る状態となり女王が席に座り俺達を一瞬睨むが・・



・・・



「私の部下が失礼をいたしました!お詫びするので話を聞いてください!」



・・・



俺達は女王の詫びを聞いた後・・



女王から深刻な事情を聞かされていた。






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