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白ドラゴンの名前と謎の3つの入口




移民たちを乗せた俺達の艦はチューリップの港に到着した、

さすがに全隻一度には入港出来ないので交代で移民たちを降ろす、

移民を降ろした後各艦は港を離れ急ぎ各地へ帰っていった。



今チューリップの港にいるのは戦艦大和と紀伊、それと信濃の3隻のみ、

武蔵とモンタナ率いる第1艦隊は一度ルーム国に戻りあるものを運んでくる、

それまでの間大和・紀伊・信濃の3隻はチューリップの港で待機する。



移民たちは5つのグループに分かれそれぞれスイカ・パンジー・マンゴー・

そしてマスカットの町に高速列車で次々と移動、用意してあったアパートに入る、

前にマンゴーの町で造ったパン工場を各地に建設してそこで働いてもらうようだ。



パン工場は経済摩擦が起こらない程度の儲けしか考えていないので賃金は安い、

その代わり昼食は工場持ち、希望があれば余ったパンを超格安で販売する、

工場内には加工場もありそこでサンドイッチ等も製造・販売している。



フェニックス島からの移民達は5つのグループに分かれ各地で働いてもらう、

具体的にはパンの製造全般やサンドイッチなどの加工品の作業などを行う、

給与は安いがその代わり一日3食とアパートの家賃はこちらが負担する。



そうして・・作業前に3日ほど俺達の世界に関しての研修を行った。



一週間後・・・



移民たちはあっさりパンつくりの工程を覚え日本語と英語もある程度話せる、

金銭のやり取りもすぐに覚え高速列車で各地に旅行や買い物にも行っている、

今では銃や艦の整備など専門知識も学ぼうと意欲満々に熱望してくる。



・・・



この異世界の住民たち優秀すぎないか?



今迄農業と漁業しかしていないんだろう?



どうして・・こんなにのみこみが早いんだ?



俺は疑問に思い白ドラゴンに尋ねてみた。



「単純に楽しいからです、コウさん達の世界は新鮮で魅力的すぎます、

移民の私達にも出し惜しみせず色々な事を教えてくれるのが嬉しいのです、

今迄はフェニックス達に頭を抑えられてばかりでしたから・・」



そういうことか・・・



ちなみにフェニックス達は目覚めた後自己保身のため結界を再展開した、

前のよりかなり強力らしく偵察部隊が驚いたように報告してきた。



・・・



1つだけ気になることがあるので白ドラゴン・・



言いにくいな・・



本名を尋ねたが・・恒例の訳わからない名前なので・・・



「セーラ―」



と提案してみたところ・・



「いい名前ですね、これからはセーラーと呼んでください!」



あっさり採用された。



ちなみにセーラーは「水兵」という意味もあるが今回はセーラー服から、

なぜかセーラーは美●女戦士セーラー●ーンの漫画にのめり込んでいるので・・

ならセーラーがいいかなと提案してみた。



「猫にかわってお仕置きよ!」




なんなんそれ?




・・・




話を戻して・・



「セーラー尋ねたいことがある!」



「なんですか?」



「君達が住んでいたフェニックスの島に裏世界への入口があるのか?」



「えっと・・入口ですか?ありますけど・・どれですか?」



「どれって・・一つだけじゃないのか?」



「フェニックスの島には裏世界の入り口は3つあるんですけど・・」



「3つ?それは同じ所に行けるのか?」



「いえ全く異なる世界です、一つは人間達の住む世界、一つはデーモンの世界、

それとフェニックスの女王のいる世界だと言われています」



「その入り口は・・大きいのか?」



「そうですね・・大和が通れる大きさが3つあります」



「それは陸地にあるのか?」



「いいえ島の裏側にある海に面した洞窟の中です」



「ということは・・戦艦でも通れるのか?」



「それは大丈夫ですが・・一隻ずつしか入れませんけど・・」



「複数入ると区切られる事はないのか?」



「それはわかりません、試したことはありませんから・・」



俺は至急幹部達を大和の会議室に集める、遠方の幹部はリモートで参加、

セーラーに今までの経緯を話してもらい皆の意見を聞くことにした、

ちなみにセーラーの母や他のスノードラゴン達にも参加してもらった。



彼女達には無理やり攫ったことを詫び希望であれば島に戻すと言ったが・・




「攫ってくれてありがとうございます、これで疫病神から解放されました」




子供を含む全員から満面の笑顔で言われた。



話を戻して・・



セーラーの話のあと彼女に尋ねたのは特級ガルーダのカオスだった。



「その入り口からは頻繁に裏世界の関係者が来るのか?」



「そうですね・・たまにですが使者が来て父親たちと話をしていました、

私達は蚊帳の外扱いされていたので何を話していたのかは知りません、

ただ大声で笑っていたので危険な事ではなかったようです」



「君達はその入り口から裏世界に行ったことはあるのか?」



「その昔好奇心から3つとも入ったことはありますが・・

どれも出口を出たら海だったので急いで戻りました、おそらく・・

かなり離れた場所にそれらが住む島か大陸があるのではないかと・・」



ここでセーラーの母のスノードラゴンが語り出す。



「疫病神が寝言で言っていましたがフェニックスの女王は・・

かなり性格が荒いらしく夢の中にまで出てくる厄介な存在のようです、

もしかしたら結界を再展開したのも女王を恐れているからだと・・」



さらに・・



「想像ではありますが・・この世界からの侵入者を警戒してると思います、

この世界にはエニウェアドラゴンはじめ特級クラスが山ほど住んでいます、

それらが攻めてきたら防ぎようがないので結界を再展開したのかと・・」



それは大いにありそうだ。



距離があるとはいえエニウェアドラゴンは結界が消えたら攻めるだろう、

あの時は俺達がいたからエニウェアも攻めずに様子を見ていたはずだ、

もし俺達が早々に撤退していたら・・間違いなく攻撃していたと思う。



その後も話は続き・・



再度結界を砕いて3つの入り口を調査する案と無視する案が出た、

フェニックスの島にいた住民たちは全員無視する案を俺達に提案、

もう疫病神に会いたくないのと助ける種族はいないのがその理由だ。



俺達も裏世界の事は気になるが・・



現時点急ぐ用事もないし伺う理由もない。



人間が住む裏世界はアズミ達のいる北東の大陸からも行ける、

艦は通れないが・・そこまでする必要もないし取引も順調、

今では上得意様なのでこのままでも問題ないと皆は考えている。



なので・・・



フェニックスの島にある裏世界の入り口に関しては・・



当面無視することで話はまとまった。



念の為ルーム国から追加の人工衛星を運んでもらい結界の近くに放つ、

この人工衛星には特殊なカメラを備えていて結界の中も確認できる、

これを使って結界付近を監視することにした。



後日武蔵と第1艦隊がその人工衛星を運んできて急ぎ打ち上げた、

結界内ではフェニックス達がしぶしぶ畑仕事をしている姿が映し出された、

今のところ結界内にはフェニックスしか確認できていない。



会議が済んだ後・・



セーラの母親がタケシに声をかけてきた。



「タケシ?あなたタケシでしょ?大きくなったわね~」



「えっ?どうして俺の名前を?」



「ああ無理もないわね、あの時はあなた赤ちゃんだったからね、

私はあなたのお母さんの妹よ、叔母さんと言った方がいいのかしら?



「えっ?えっ?」



驚くタケシをセーラーの母が強く抱きしめる!



「ねえ覚えてるかな?小さい頃よく一緒に遊んだわね~~」



セーラーの母は懐かしそうにタケシを抱きしめていた。



タケシは・・



・・・



凄く複雑な顔をして抱きしめられていた。




















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