フェニックス自慢の結界爆破と総攻撃に怯む島民たち
サユミとタケシが号泣している、無理もない・・実の親はもう・・
立つこともできない2人を見て急ぎアリエノール達が会議室に来た、
6天王とシャーロット達が一斉に睡眠魔法をかけ・・2人を眠らせた。
強制的に眠らせた二人を6天王達が別室に連れて行く、目には涙、
彼女達だけでなく・・俺もデーヴィドも涙が止まらなかった、そして・・
各地にこのことを報告、ソニアとレイミ、ショウも号泣していた。
そして・・
彼女達の氷の盾で何度も命を救われた各種族も・・
命の恩人とも言えるスノードラゴン達の親が・・皆が涙を流している、
各地で哀悼の意を表し・・安らかな眠りをと・・空に祈る各種族たち、
全ての軍艦は・・上空に空砲を撃ち乗組員は全員甲板に並び空に敬礼した。
俺は涙をふき・・白いドラゴンと会話を再開する。
「取り乱してすまなかった、質問の続きをさせてくれ」
「はっ・・はい、わかりました」
俺は白いドラゴンに尋ねる。
「今回の事をフェニックス達はどう考えているんだ?」
「何も報告していません、フェニックス達はこのことを知りません」
「それは・・どうしてだ?」
「結界の外に関しては私達に任されているので・・」
「そうなのよ~敵が来たら追い払うのが私達の仕事!」
「私達怒りたい位なのよ~!攻撃のヒドラが全部殺されたんだから~」
・・・
この言葉を聞いた俺達は・・怒りが頂点に近づく。
「君達は・・自分のしたことを理解しているのか?」
「えっ・・ええ・・謝罪はしましたが・・」
「なにか勘違いしていないか?」
「えっ?どういう事ですか?」
「君達は俺達に「宣戦布告」しているんだぞ?」
「えっ?そんなつもりはありませんが・・」
「100を超えるヒドラに攻撃させて・・宣戦布告以外に何がある?」
「そんなつもりはないわよ~言ったじゃない試させてもらうって!」
あれだけのヒドラに襲わせといて・・試すだと?
小部隊なら全滅で食い殺されていたんだぞ?
それを・・
俺の怒りは頂点に達した。
「なら俺達も試させてもらう、君達が共に手と結ぶに値するかどうかをな!」
俺の怒りを察知したのか・・天使族達が銃を構え・・攻撃体制に入る、
睨みながら白ドラゴンとイリュージョンフェアリー達に銃口を向ける。
「えっ・・えっ・・?」
「なんで~~・・私達謝ったじゃないのよ~~ 」
「ふざけるな!!!!!」
俺の一喝に・・イリュージョンフェアリー達は委縮した。
「いいかよく聞け!俺達は話し合いを求めたが君達は凶暴な魔物に攻撃をさせた、
これは試す次元を超えた宣戦布告だ、さらにフェニックスに報告もしていない、
俺達にしてみたら・・君達のふざけた行動は挑発以外の何物でもない!」
「そ・・そういうつもりでは・・」
「それ以外に何が考えられる?小馬鹿にするならこちらも容赦しない、
だがスノードラゴンの情報を提供してくれたことを考慮して2日待つ!
明後日の正午までに君達の代表の返事が無ければ攻撃を開始する!」
「そ・・そんな・・」
「今から君達を開放する、戻ってフェニックス達に今までの経緯を説明しろ!
そして俺達の納得できる返答が無い場合は結界を破壊する!そして・・
君達の領地を徹底的に攻撃する!これは君達が招いた事だ!責任を取れ!」
「・・・」
「わかったか!!!!」
「わ・・わかりました・・」
俺達がなぜ怒っているのか・・彼女達はやっと理解したようだ。
自分達の浅はかな行動のせいで火に油を注いたことを・・・
後悔しても遅かった。
白いドラゴン達は青ざめた顔をして大急ぎで結界方面に飛んでいった。
・・・
俺は怒りを静めて・・急ぎサユミとタケシの様子を見に行った、
2人とも涙を流しながら深く眠っていたのでそのままにしておいた、
急ぎ大和の艦橋に戻り・・各地の代表に今までの経緯を説明した。
翌日・・
天使族はじめ空を飛べる者は結界近くを飛んで弱そうな箇所を探す、
あえて目立つように飛んで結界内にいる種族に威嚇も兼ねている、
出来れば攻撃したくはないが・・それは返答次第だ。
次の日・・
正午までに返事が無い場合は攻撃を仕掛けるが・・現時点音沙汰が無い、
おそらくフェニックス達は俺達が結界を破れないと見ているのだろう、
そう考えていたら・・デーヴィドが横に来てこう呟く・・
「性格に問題があるイリュージョンフェアリー達に結界を管理させてる位だ、
となるとフェニックスも相当傲慢な性格かもしれない、もしかしたら・・
あの白いドラゴンもそれを知ってるから報告しなかったのかもな・・」
なるほど!
デーヴィドの予想は的中していた。
急ぎ戻った白いドラゴンは必死にフェニックス・・自分の父に危機を訴えていた、
だがフェニックスは大笑い、あの結界が人間や天使族には破れないと自信満々、
愛しの娘だから話は聞いていたが・・返事はせず無視することに決めたようだ。
・・・
正午が近づいてきた、だがフェニックス達からの返答は来る気配はない、
俺は幹部を集め・・時刻が来たら結界を破壊し領地を攻めるように命じる、
だが・・・
「大丈夫よ、あなたの言いたいことはわかるから」
「誰も殺さないように・・でしょ?」
「その辺はみんなわかっているわ、眠らせて安全地帯に放り込むから」
・・・
皆の言葉が・・とても嬉しかった。
「只今より午後12時・・正午をお知らせします!」
一応結界付近を探索したが・・誰もいなので俺達は動き出した。
「全艦・全戦闘員砲撃用意!フェニックスの結界をぶち壊す!」
「了解!」
18隻の戦艦は前進し射程距離までゆっくり移動を開始する。
航空母艦は戦闘機を全機出撃、分割した結界増幅弾を装填している。
重巡や駆逐艦などは結界増幅機能を持たせたイージスミサイルを発射準備。
天使族や配下のハービ―などが離陸、ライフルランチャーを身構える、
ハーピーなどには足で持てるように改良したランチャーを持たせている、
全員所定の配置についたようだ、全員結界攻撃の準備は完了した!
「総員・・攻撃を開始せよ!」
「了解!攻撃を開始します!!!!!!!」
ドッコーン!!!!!!!!!!
ズガ~ン!!!!!!!!
ズカカカカカカカカカカ!!!
無数の結界増幅弾が放たれフェニックスの結界に向かって飛んでいく、
次々と結界弾が炸裂したが・・今のところ結界はビクともしない。
「攻撃を継続せよ!」
全員結界増幅弾を次々と放つ、弾切れの天使族達は魔法攻撃に切り替える、
各戦艦の集中砲火が結界に次々と命中、しばらくは変化がなかったが・・
時が経つにつれ・・結界の色に変化が現れた!
「各戦艦副砲発射!特級魔法で結界を吹き飛ばせ!」
キィ~~~~~ン!!!!!!
主砲攻撃に加え増幅された特級魔法が各艦の副砲から放たれる、
ちなみに長門を始め各戦艦も副砲で特級魔法が撃てるようになっている、
白黒天使族はじめ各種族の特級クラスが乗り込むことで可能となった。
紀伊は今までは前副砲だけに特級魔法発射装置をつけていた、
だが白黒天使族に特級クラスが複数いるので後部も発射機能を追加した、
タケシが忍びで出撃する際には彼女達が艦長席に座り魔法を送る。
重巡や軽巡、駆逐艦は主副砲で特級に限りなく近い上級魔法が撃てる、
これらには簡易的な魔法増幅装置を搭載することで実現可能となった、
航空母艦は信濃を除き同じ装置を搭載して魔力供給能力がアップした。
信濃に関しては大和クラスの魔法増幅機が既に配備されている、
この装置を使い戦闘機の魔力供給などに使っている。
それらの魔法や結界弾等で結界攻撃を繰り返した。
すると・・
「結界に変化あり!」
透明な結界が赤く変色して・・
・・・
「パァァァァァァァァァァァ~~ン!!!!!」
フェニックスの誇る結界が・・
粉々に吹き飛んだ!
「全艦全速前進!フェニックスの島を総攻撃しろ!」
「了解!」
戦艦が先行して前進、天使族や配下達は航空母艦に戻り補給を受ける、
すぐさま麻酔拳銃を持ち離陸、戦闘機の背中に乗りフェニックスの島に向かう、
戦闘機隊も交代で空母に戻り麻酔弾を装填して再び離陸して島に向かう。
フェニックスの島では・・
「パァァァァァァァァァァァ~~ン!!!!!」
突如耳を塞ぐような巨大音が鳴り・・・
島に住む各種族は・・急ぎ外に出て結界方面を見る。
「嘘・・結界が消えてるわ・・」
フェニックス達も急ぎ外に出て結界方面を見るが・・
すでに結界は俺達が粉砕しているので影も形も無い。
「し・・信じられん・・あの結界が壊されるなんて・・」
島では結界が消えたことで大パニック、皆が結界方面を見ると・・
「な・・なにあれ?あんなのが攻めてくるの?」
「嘘・・私達殺されるの?」
「も・・もう終わりよ、どうすることも出来ないわ・・」
島民の視線の先には・・
無数の戦闘機と天使族達が上空を埋め尽くしていて・・
「各艦攻撃用意!」
結界を吹き飛ばした俺達の連合艦隊が・・
島に向けて砲を構えていた。