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拭えない疑問




裏山の鍾乳洞の中が慌ただしく作業を行っている、

ガルーダからある要望があったからだ。



「我らがルーム王国島に上陸するのは控えた方がいいと思う」



ドラゴンへの警戒だな。



「どうすればいい?」



「先般我らが降りた平べったい艦、あれをいくつか譲ってほしい、

あれなら我らは降りられるし休憩も出来る」



航空母艦のことだな。



ここで祖父木人形が特級ガルーダに提案してきた。



「希望があれば何隻かガルーダ仕様に変更するぞ?」



「それはありがたい、ぜひ宜しく頼む」



「では何隻か用意する、現物を見て要望を言ってくれ」



祖父木人形はまだ手つかずの大鳳、千歳、千代田を出港させた、

島からある程度離れた所に碇を降ろしガルーダたちを待つ、

しばらくすると特級ガルーダはじめ複数が各艦に降りてきた。



特級ガルーダはじめ上級ガルーダが人の姿となり艦内を視察する、

聞いた話によるとガルーダは人に変化できるが本体はそのまま、

本体は睡眠状態となり意識は人の姿の分身に移り動けるそうだ。



「この上下に動く板をこう変更してほしい」



「この部屋の仕切りは邪魔だから外してほしい」



「甲板に魔法の盾があると眩しいから着陸時蓋で塞いでほしい」



「出来ればガルーダの姿でも操縦できるとありがたい」



「我らは人間姿の時本体は無防備なので守護武装を強化してほしい」



大鳳、千歳、千代田はガルーダの要望に応え大幅に姿を変えた。



「中身空っぽじゃない!」



エリーナが驚いていた。



そりゃガルーダの巨体を収納するとこうなるよ。



大鳳・千歳・千代田の内部にあった航空機の格納庫や整備機械、

予備の部品や兵士の部屋等が撤去され大きな空間だけになっていた。



アンパンの餡だけを取り除いたと言った方がわかりやすいかな?



強化を求められたのが各部の装甲、特に甲板は離着陸に関わるからと、

そりゃ戦闘機に比べたらあんたたちは・・



この言葉は俺の中で封印した。



「この部屋はなんです?」



双子のガルーダの一人が質問してきた。



「ここは食堂です!」



中に入ると美味そうな匂いが充満している、立て看板に何か書いてある。



「本日のメニューはカレーです!」



今日は金曜日なのか?



俺の心のツッコミを皆無視してカレーに群がり食事時間となる、

あっという間に食堂は満席となりコック木人形がカレーを運ぶ、

どこから材料を調達したのかは不明だが見事なカレーだった。



「美味い!」



「初めて食べる味だ!」



「なんだこれ?おかわりを頼む」



「あ~これこれ!昔食べたカレーの味よ!」



俺を無視してガルーダたちと一緒にカレーを食べるエリーナがいた。



・・・



「この部屋は残してくれ!いや拡大を望む!」



「他にも美味しい料理があるの?それも是非お願いします」



「天然石に加えて料理の材料とコックも加えてくれ」



大鳳・千歳・千代田はガルーダたちのレストランと化していた。



ちなみに・・



鍾乳洞で武蔵の修理見学に来たルーム国王たちも食堂に招いた、

こちらはお好み焼きと・・なぜか回転すしの設備が整っていた、

武蔵の木人形コックが回転すしの説明を力説する!



「一度に取れるお皿は2枚まで、食べてから次を取ってください」



「わさびは別に用意してあるのでお好みでどうぞ!」



「生魚が苦手な人は言ってください、炙ります」



「飲み物はラムネ・お茶・天然水とビールを用意しております、

こちらは別途お席に運びますのでお申し付けください」



「お好み焼きは熱いので食べる時は注意してください、

麺はうどんとそばを用意してますのでお好みでどうぞ」



見たこともない料理と飲み物に歓喜するルーム国王たち、

余程食事に困っていたのか・・皆涙を流しながら食事を楽しむ、

いつのまにかルーム国民全員が裏山の鍾乳洞に集まっていた。



「皆さん並んでください、心配しないで!皆座れますから!」



武蔵の食堂はすぐに満席となったので大和の食堂も開放した、

それでも足りないので改造中の艦の食堂も全部開放した。



「お姉ちゃん美味しい!」



「よかったわね~一杯食べるのよ!」



クリスティーナが大和の中で少女たちに食べ方の説明をしていた。



それにしても・・



俺とデーヴィドは・・



どうしても拭えない疑問があった・・



「これらの材料はどこから調達したのだろう?」



デーヴィドが祖母木人形に尋ねた。



「あら言ってなかった?私たち木人形は土から情報取れるのよ」



それは聞いているんだが・・



「お祖母さん、俺が聞きたいのはあの膨大な食糧の調達方法なんだ」



「あら聞きたいの?・・でも今はダメよ、夜待ってるわ」



孫を口説くような口調はやめてほしい。



「あはは・・わかったわ、でも今は国民達が食事してるからダメよ、

明日ある場所に案内するから自分の目で確かめなさい」



「わかりました」



「とりあえずあなた達も食事しなさい!」



「よっしゃ~~!」



俺とデーヴィドは大和の食堂に向かって走り出した。












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