マンゴーの町の問題点と魔物達の正直な行動
ぐてんぐてんに酔っぱらったホリーたちだが・・見事な復活!
先般紹介した青汁を飲んだら一気に酔いが冷めたそうだ、なんでも・・
青汁に入っている成分には強烈な酔い冷ましが入っていたそうだ。
ホリーたちは安心して・・
ビールを飲んでまた青汁を飲むことを繰り返していた。
・・・
身体に悪いぞ!
「大丈夫ですよ!私も先でコウさんの妻になるんだから・・」
「そういう問題じゃない!」
俺は次のマンゴーステーションに移動するため駅に移動した、
あっさり酔いを冷ましたホリーとはここでお別れ・・
・・・
ホリーはキスを求めてきたが・・メイドさんたちが俺を列車に放り込む、
列車はそのまま発進!ホリーが駅で名残惜し・・笑顔でビールを飲んでいた。
「ほんんとうに~~コウさんは油断も隙もありませんね!」
なぜか俺が怒られた。
列車は経由地のマンゴーステーションに移動、3時間ほどで到着した、
その間俺は席を倒し居眠り・・なぜかメイドさんたちが寄り添って寝てる、
左右の腕に美人がもたれ胸を当て寄り添っているのは嬉しいが・・
「ほんんとうに~~コウさんは油断も隙もありませんね!」
なんで俺が怒られるんだ?
「マンゴーステーション!マンゴーステーションです!」
俺は・・なぜか照れて距離を取るメイドさんたちに先導され外に出る、
ここは地下資源が豊富な事もあり各地から商売人が大勢詰めかけている、
駅ではすでに大勢のブラック達が様々な店を開き忙しそうにしていた。
「お待ちしてました!マンゴーの町にようこそ!」
管理者のリサが俺達に挨拶に来た、爽やかな笑顔で・・
「ここは繁盛してるようだな」
この言葉を聞いたリサの表情が一変する。
「そうですね、今は儲かっていますが地下資源は永遠ではありません、
今栄えているうちに次の手を打たないと枯渇する恐れがありますので・・」
しっかりしているな・・
「それで・・コウさんにお願いしたいのが新たな特産品の開発です、
カレン達に聞いたら・・コウさんのおかげで儲かっているって聞きました、
ぜひこの地でも次なる特産品を考えて頂きたいのです」
「わかった、この地で獲れる地下資源以外のものを教えてくれ!」
「それは・・その前にこの地の現実を見てください」
リサの心配がよくわかった、この地では地下資源に頼りすぎていた、
そのため他の産業は他所からの仕入れに頼りすぎてほとんど進展が無い、
駅近郊以外は耕作放棄地となり大きなモグラのような魔物があくびをしていた。
これは・・かなりヤバそうだな・・
「皆は地下資源の儲けばかりに気を取られ他の産業は衰退しています、
もし突然地下資源が切れたら・・おそらく極貧の生活が来るかと思います、
今は他の地に比べ食に関する特産品がないから猶更心配なんです」
なるほどな・・
しかし現状だと地元民はいう事を聞かないだろう、儲かっているからな、
ただ前の世界でも地下資源が尽きた所は一気に衰退して荒れ果てていた、
おそらくここも例外ではないだろう、さてどうするか・・
俺達は一度駅に戻りリサの専用室で話し合った、俺が今思いついてるもの、
これが実現できるかライアンやジェニー達に調べさせその返事を待つ、
返事は・・どれも実現可能ということで簡単に一覧を書いてリサに見せた。
● 空き地を観光地として娯楽施設(遊園地など)を建設する。
● 土地を一本化して小麦やトウモロコシなどの広大な畑にする。
● 土地の配置はそのままで芋等の根菜類を重点に生産する。
「これがいいですね!」
彼女が興味を示したのは・・意外にも根菜類だった。
「これなら仮に地下資源が尽きても穴を掘る作業が継続できます、
それと・・さっき見て頂いたモグラの魔物も私の配下なんです」
「そうなのか?」
「はい、あれらは大人しく穴掘りが得意なので地下資源も発掘しています、
ただ最近地下資源の発掘には関わりたくないと言ってくるので・・」
「は?どうしてだ?」
「地下資源は食べられないので・・」
納得しました。
「それと地下資源は硬いから掘る爪が痛むと嘆いていました」
それは可哀想だな・・
「私も今までは儲けばかり考えて魔物の苦しみは無視していました、
ですが・・コウさんたちが種族関係なく大切にしてるの見ていて・・
今迄の自分が恥かしくなり・・魔物達の悩みを聞くようにしました」
その心がけは大切ですぞ!
その後リサはモグラの魔物の代表を呼んで俺に挨拶、握手もした、
俺はサツマイモや大根、ゴボウなどの根菜類の見本を見せた、そして・・
これらを傷つけずに収穫できるかを尋ねた、するとリサが代弁・・
「無理だそうです」
「えっ?どうしてだ?」
「あまりにも美味しそうだから収穫の前に食べてしまうからと・・」
それは本末転倒だな・・
しょうがないので俺は別の案を実行しようかと考えた、すると・・
「待ってください!、魔物が何とかすると言っています!」
「えっ?どういうことだ?」
「他の案をされると自分達の楽しみが無くなるからと・・」
単なる食いしん坊なんじゃないか?
とりあえず・・
「それなら試してみたいことがある、土地を一部借りるぞ!」
「はい!わかりました、どうぞ!」
俺は一部の土地を借りライアン達にサツマイモを大量に育てさせた、すると・・
ライアン達の土魔法によりサツマイモは一気に成長し収穫できる大きさになる、
これらをモグラの魔物達が収穫・・大半は食べられたがある程度収穫出来た。
「収穫出来たのは半分ほどですね・・」
リサが嘆き・・モグラの魔物達は申し訳なさそうな顔をしていた。
まあこれは想定内・・
俺は残りのサツマイモを調理させ・・ある食べ物を作らせた。
「リサこれを食べてみろ!」
「あっ・・これは!はい!」
パリパリパリパリ・・・
「美味しいです~これはポテトチップスですね」
「そうだ、これなら様々な種類が出来るから特産品にもなるぞ!」
リサはワクワクしながらポテトチップスを食べている、それを見た魔物達、
自分達も食べたいと言うので与えてみた、すると・・すぐ完食、そして・・
相当気に行ったようでサツマイモなどを自分で育てると言い出した。
これに関しては想定外だったが・・モグラの魔物は数多く労力は問題ない、
配下のほとんどは地下資源に夢中だがモグラの魔物はこっちの方がいいらしい、
土地は余っているから当面は分業で凌いだらどうかとリサに提案してみた。
「そうですね、徐々に流れを変えればいいと思います」
翌日・・
モグラの魔物達はライアン達に教えてもらいながら根菜類を育てている、
今迄発掘作業をしていた仲間も駆け付け耕作放棄地は瞬く間に畑となった、
それに合わせてライアン達がポテトチップスの工場を建てている。
すると・・
その工場で働きたいと言う配下達が次々と訪れリサが驚いていた。
それらから話を聞くと・・
資源の発掘は儲かるがすごく汚れるので・・特に女性の魔物が嫌がっていた、
今迄は他に選択肢が無かったので仕方なく働いていた者も多かったらしい、
だがポテトチップスの工場が出来たことで・・これ幸いと駆け込んできた。
それならばと・・
俺は余った土地をまとめて借り小麦や大豆・トウモロコシ畑を作らせた、
それと並行して水路の整備、近くに大きな川がありそこから水を送る、
環境も考えて森は開拓せず手間でも分散してそれらを栽培させた。
そしてパン工場を建設、新鮮なパンを駅で売ろうと考えたのだが・・
意外にも近辺の魔物達が主食として欲しがるので格安で提供した、
予想通りパン工場で働きたいと言う魔物が殺到してパニックになる。
「えっ?えっ?どうして地下資源よりこっちの方がいいの?」
リサが驚きが隠せない、遙かに安い賃金なのにパン工場で働きたい魔物達、
魔物達は・・儲けよりも美味しく身体に無理が無く楽しい方がいいようだ、
これにより耕作放棄地はほぼ無くなりマンゴーの町は畑で溢れていた。
ちなみに・・
今後も地下資源は一部の魔物達が無理せず発掘するそうだ。
儲けは減ったが地下資源に頼る生活から脱却できたとリサは喜ぶ、
これなら地下資源が枯渇しても問題なく生活を送れそうだ。
俺は安心して・・
建設した工場の儲けを計算しようとすると・・
「コウさん、それは任せてください、私の領地ですから」
・・・
リサは帳簿を全部持っていった、ただ工場の建設費は俺に任せたらしい、
彼女は部下と共に笑顔で工場の経費と儲けだけを計算していた。
・・・
えっ?
俺はタダ働きなの?
さらに土地代と工場の建設費用は俺持ちなの・・?
・・・
俺は10年ローンで工場の建設費関連を補う事となった。
いつも御閲覧いただきありがとうございます。
すごい大雨が降っていますがあなた様は大丈夫でしょうか?
無理せず危険と感じたらすぐに離れてくださいね。
私は幸い大雨の被害は無かったので時間見ては小説書いています。
あなた様のご無事を心から願っております。