決闘状の内容と怪しく企む6天王たち
ある荷物を吊り下げて運ぶヘリとそれを護衛する複数の戦闘機、
それらはシャーロット達がいる山脈の城の手前まで飛んでいく、
そして荷物投下、その後ヘリと戦闘機は引き返した。
シャーロット達は興味津々にその荷物を城に持ち帰る、まずは・・
爆発物など危険な物ではないかと探知魔法で荷物をチェックした、
まあ俺達がそんな過激な物を送ることはないのだが・・
荷物の中身は・・
・・・
クリスティーナ達に任せたのが間違いかもしれない・・
箱の中身は新発売のケーキや各種ジュースやワイン、それとカップ麺、
これは西の大陸で採れる変わった竹で作成したカップラーメンだ、
竹が容器に似た形をしていて耐熱性も優れているので採用となった。
・・・
正式には竹林ラーメンと言うのだろうか?
醤油・味噌・とんこつ味と様々な味が選べるようになっている。
ちなみに俺達異世界人を含む各種族はゴミに対して相当神経質だ、
特にガルーダ等は環境破壊が即体調不良に繋がるためか極度にうるさい、
そのため焼却しても問題ない素材のみで梱包や容器に使っている。
次に各種調味料、籠城に備えた非常食を美味しく食べるためのものだ。
他にもお土産用の饅頭シリーズやキャンデイなど心和む甘味たっぷり、
さらに栄養満点のレトルトカレーや焼きおにぎり・ピザ等も入れている、
念の為それらの美味しい食べ方の説明書も入れていた。
そして最後に・・
決闘状を一番上に・・返信用用紙と封筒も同封している。
シャーロット達は・・
決闘状を一旦机に置いて・・
即座に食べ方の説明書を読みながら甘味に群がり感激しながら食べていた、
俺達の情報はある程度知ってたみたいでどれも違和感なく食べている、
想像以上の美味と甘さと爽やかさに感激の涙を流す幹部もいた。
一応3日分を想定してお菓子類を入れていたのだが・・
シャーロット達は余程ストレスが溜まっていたのか1日で完食した、
それでも足りないようで残った1個のプリンを奪い合いまでする始末、
皆ボコボコになりながらも最後は仲良く5等分してプリンを完食していた。
一息ついたところで・・
やっと決闘状に目を通すシャーロット達、そこには驚くべき文言が!
「今回送った食料関連を一口でも食べたら決闘承認とみなします!」
シャーロット達は・・
決闘状の確認もせず即座に甘味を食べたことを・・
かすかに後悔していた。
というのも・・
決闘の内容を深く見たら・・余裕が出たからだ。
決闘状の内容は以下の通り。
「決闘は5対5の個人戦、武器は刃挽きの剣のみで1試合10分まで、
時間内に決着がつかない場合は引き分けで同点の場合は次回に繰り越し、
魔法制限は無し、だが逃亡や観客への攻撃等非常識行動は反則負けとする」
「こちらの代表はホワイトの6天王で対戦カードはくじ引きで決める、
対戦場所は処刑場がある所として仮の闘技場はこちらで造っておく、尚、
貴殿たちの名前は我らには難しいので仮の名前で呼ぶことを了承願う」
「我らが勝った場合は貴殿たち5人は事務員や部下達に謝罪する事、
その後希望であれば同盟も可とする、そして貴殿たちが勝った場合、
我らは一年間ケーキやプリンなどを無条件で提供することを約束する」
これを見て・・
シャーロット達は大笑いしていた。
「何よ~~この甘々な決闘状は?」
「ほんとにね、私達負けても謝罪だけで済む訳?余裕じゃないの」
「しかも相手は6天王?油断しなければ十分勝てる相手じゃない!」
「これなら決闘受けても大丈夫よ、すぐに返事しましょう!」
・・・
「なにか気になるわね・・」
「えっ?どうして?仮の名で言われる事?」
「それはいいんだけど・・あまりにも条件良すぎない?」
「まあ・・でもあいつら私達を城から引き出したいだけじゃないの?」
「それなら圧倒的な武力があるんだから容易いはずよ?」
「そう言われたら・・」
シャーロットは・・何か罠があると考えていた、だが現状も無視できない、
彼女は俺達が攻撃した住居を修繕したりと民衆の支持を得る活動をしている、
下手に長引かせると民衆は完全に自分達から離れると危機感を抱いていた。
そこでシャーロットはあることを条件に決闘を受け入れることにした、
それは剣に加え一つだけ自分達の得意とする武器を追加することだった、
シャーロット達はあまり剣が得意ではないのがその理由らしい。
シャーロットは返信用用紙にその詳細を書き封筒に入れる。
ミアの配下の魔物・・カラスのような鳥に封筒を俺達に届けさせた。
・・・
詳細を見た6天王達は・・
「うふふふ・・まんまと罠にはまったわね~~」
「ええ・・決闘が楽しみだわ~~!うふふふふ・・」
「うふふ・・日頃の修業の成果が示せる時が来たのね、うふふ・・」
・・・
嫌な予感しかしない俺だった。
6天王達はこの申し出を快諾、さらにお菓子等を追加で送ってご機嫌取り、
そして決闘の日は3日後となり闘技場の準備を着々と進めていた、だが・・
今回のこの戦いは全種族の子供達のスマホでは閲覧出来ないようブロック。
その代わり・・
自分達が見たいアニメなどを希望に応じて配信するようにした。
3日後・・
闘技場の準備が整いシャーロット達も城から出てきた。
「お待たせしました!これより決闘を開催いたします!!!」
闘技場はテニスコート位の大きさで1mほど地上より高くしている、
照明は無しで観客席から10m離れた所に強力な壁面透明結界を設けている、
これは特級魔法等で民家に飛び火しないようにとの配慮だ。
シャーロット達にアウェー感を与えないため観客の声はシャットアウト、
観客席でどれだけ騒いでも闘技場の中には一切届かないようにしてある、
さらに閲覧は出来るが物を投げても壁面結界がそれを遮るらしい。
勝負は一対一、例え味方が不利になっても仲間は援護出来ない、
降参は認めるが相手を殺した場合は負けとして厳罰とした、
相手が生きていて戦闘不能になった場合は勝ちとする。
この条件をシャーロット達にも確認、彼女達も了承した。
そして・・
6天王とシャーロット達の前に番号が書いたボールを入れた箱を用意、
数字が同じで少ない番号同士が戦う事にしてある。
お互い箱の中のボールを取る!
その結果対戦相手と順番は以下の通りとなった。
● 第1試合!(先鋒戦)
サマンヌ 対 カレン!
● 第2試合!(次鋒戦)
ベアトリス 対 ホリー!
● 第3試合!(中堅戦)
レティシア 対 リサ!
● 第4試合!(副将戦)
アヤカ 対 ミア!
● 第5試合 (大将戦)
アリエノール 対 シャーロット!
なかなかの組み合わせだと・・少し期待の俺だった。
早速第1試合が始まる、サマンヌとカレンが闘技場に姿を現す、
今回双子の妹のアリーゼはクジに外れたので観客席に座っている、
ふと見ると・・とても悔しそうな顔をしていた。
両者は睨みあう・・・
するとカレンが鎖鎌のような武器を出してきた。
対するサマンヌは・・少し太めのロープを握っている。
これを見たカレンは・・勝利を確信したようだ、ロープは鎖鎌で切れる、
そう考えたらしく・・余裕の表情で鎖鎌を振り回していた。
サマンヌは・・不敵な笑いをしていた!
「第1試合・・はじめ!」
鎖鎌を振り回しサマンヌを攻めるカレン、だがサマンヌは余裕でかわす、
カレンは長期戦は不利と見て上級魔法を乱発、サマンヌを追いつめる、
サマンヌは剣で鎖鎌を弾くも・・闘技場の隅まで追い詰められた。
「もらった~~~~!」
カレンが鎖鎌と特級魔法の同時攻撃でサマンヌにとどめをさす・・
その瞬間!
「ボボボボボボボボボボ・・」
サマンヌが煙幕を出して闘技場を煙で覆う、外からは何も見えない、
視界を遮られたカレンは上級魔法を乱発してサマンヌに向けて放つ、
だが・・それは幻覚でサマンヌはカレンの後ろに周りこんでいた。
「うふふ・・いただくわよ・・」
そしてサマンヌはカレンに襲い掛かる!
「アァァァァァァァァァァ・・・!!!」
闘技場の中で・・カレンの悶絶の声にも似た悲鳴が響いていた。
しばらくしたら煙が晴れた、そこには・・
・・・
痙攣を起こし気を失って倒れているカレンと・・
「うふふ・・楽しかったわよ!」
不気味な笑顔でカレンを見下ろしているサマンヌがいた。