階級の選定とブラック達の里入り忍の秘かな動き
俺と6天王はギルドとの会議後東の大陸の拠点城にまで戻った、
既に戦艦モンタナなど各艦はルーム王国に戻ったのでここにはいない、
俺はしばらく東の大陸に滞在し用意された専用室で・・階級を考えていた。
というのも・・
各種族色々な階級を考えてはいたが・・途中で俺に丸投げした、
考えれば考えるほど訳が分からなくなり・・面倒だと考えたようだ、
その為階級に関しては総司令官がするべきだと・・丸投げされた。
・・・
面倒な時だけ俺に丸投げするのはやめてほしい・・
・・・
外を見ると・・各種族が笑顔で忙しそうに様々な仕事をしていた。
・・・
俺も手伝おうと外に出たが・・
・・・
階級を考えてくださいと・・メイドさんたちに部屋に押し戻された。
・・・
1人っきりは寂しいのだが・・
ちなみに6天王はメディ達と高速列車に乗って各地を旅していた、
表面上は各地の視察だが・・特等席のテーブルには甘い物満載、
彼女達はそれらを堪能しながら笑顔で列車の旅を楽しんでいた。
ちなみに・・
それらの支払いは後日俺への支給額から天引きされるらしい・・
・・・
なんで?
「6天王様と私は・・新たにコウ様の妻と認定されたからですよ」
・・・
いつの間にか俺の部屋にいたソネットが笑顔で俺の疑問に答える、
彼女は俺の机からおやつの極上モンブランケーキをそっと手に取り・・
それを瞬時に味わった後・・笑顔で急ぎ転移魔法でどこかへ移動した。
・・・
何なんだ?
・・・
深く考えるのはやめることにした。
どちらにせよ今の俺は階級を考えないと・・この部屋から出られそうにない、
外には監視のメイドさんが山ほどいるので部屋を出たらすぐ戻されてしまう、
おそらくソネットも部屋の中の・・俺の様子を観察していたに違いない。
・・・
しか~し!
この程度で怯む俺では・・な~~い!
俺はあることを念じる、すると光の原核が・・半分だけ反応した、
俺は自分の身体を鏡面化して透明化に成功した、これは以前・・
アリエノールとの戦いの時戦闘機を隠したあの技だ。
ふっふっふ・・
これでこの部屋から脱出できるぞ!!!
だが・・
光の原核はなぜか俺の背中は鏡面化せずそのままの姿にしてあった、
それを知らない俺は半分透明のまま・・部屋から脱出しようと試みた、
そして10分後・・・
「コウ様・・しっかり階級を考えてくださいね」
・・・
超怖い笑顔のメイドさんたちに首根っこを掴まれ部屋に戻される俺、
途中までは上手くいったのに・・背中がそのままだったのですぐバレた、
急いで逃げたんだが多勢に無勢・・なんで半分だけ鏡面化だったんだ?
?
俺は光の原核に尋ねた・・
すると・・?
原核は・・
半分は俺に配慮して・・もう半分はメイドさんたちに配慮だそうだ。
・・・
なんでメイドさんに配慮する必要があるんだ?
俺は理解できないので深く尋ねると・・原核はすねて黙り込んだ。
・・・
俺は観念して・・階級の選定に神経を集中した。
その結果・・
まず一番上のファーストクラスは以下の3つとした、基本同じ扱い、
王将軍とエンペラーが委託した時のみ総司令官が全体の指揮をとる。
● 総司令官(俺やデーヴィド・エリーナ・クリスティーナ等)
● 王将軍(カオス・レイナ・アトラス・ソニア・6天王等各種族の代表)
● エンペラー(ルーム国王やメディ・アグニ等その地に住む代表者)
続いてセカンドクラス、基本同じ扱いだが住む環境で大雑把に区分けした、
このクラスは指揮官の扱いとして緊急時には独断で行動できることにした。
● 空将軍 (ショウコやソネット等)
● 海将軍 (サユミやタケシ・シルヴィやソフィア等)
● 陸将軍 (リシャールやアイザック・エマ等)
次にサードクラス、このクラスになると交代で大型艦の艦長に就任できる、
例として戦艦・航空母艦等の主力艦、他にも各部隊の隊長として就任できる。
● 空佐 (モカやココ等)
● 海佐 (マイラ・ルミナ・ジセル等)
● 陸佐 (リリーやララー・サクラやアミー等)
続いてフォースクラス、このクラスは交代で巡洋艦以下の艦長に就任できる、
それとは別に各部隊の中隊長として部隊を指揮できる。
● 空尉
● 海尉
● 陸尉
それからファイブクラス、このクラスは交代で小型艦の副艦長など、
他にも各部隊の小隊長として部隊の要となる。
● 空曹長
● 海曹長
● 陸曹長
最後にシックスクラス、これは一般兵扱いとなり見習いも含む。
● 空兵
● 海兵
● 陸兵
俺達は一応軍隊なので俺がいた世界の軍の階級を応用することにした、
他にも特例階級を造ろうとも考えたが・・当面はこれで試そうと思う、
あまりややこしくして現場が混乱しても困るからだ。
基本軍に入ったらシックスクラスからスタートとなるが・・
ショウやレイミなど自由に動きまわる種族もいるので臨機応変にした、
あくまで俺達の階級は目安としての位置づけなので強制的な効力は無い、
軍の仕事を離れたら皆同等の扱いとなるので深く考えないことにした。
そして・・
軍以外の階級も考えた、ルーム国の民衆たちも階級が欲しいと言っていた、
ただ民衆の場合それが差別や偏見に繋がりかねないので慎重に考えた、
その結果同盟の民衆は全て「基本民」として同等の扱いとした。
基本民には全員に以下のカードが配られる、ただしサーベルタイガー、
クラーケン等には希望に応じて銅の首輪や腕輪等で代用する。
● ブロンズカード。
次に大人はワンランク上の階級を考えた、俺達の感覚だと20歳以上かな?
種族ごとに大人の区切りが異なるので・・その辺は各種族に任せることにした、
大人と認定されたら以下のカード又は腕輪などが支給される。
● クリスタルシルバーカード。
そして各区域の代表者も決めた、例えるなら町内会長等の代表者だ、
ある程度の権限が無いと何もできないのでワンランク上の扱いとした、
ただし度を過ぎた行動を抑えるために監視員が定期的にチェックする。
● プラチナゴールドカード。
今回はアズミの提案するチェスや将棋の駒を使う案は見送ることにした、
これらは現地の特殊部隊等既存や新たに組織される部隊に使うことにした、
希望に応じて申請すれば上記のカードの裏に以下の組織名が加えられる。
● 飛車部隊。
● 角行部隊。
● 桂馬部隊
● 香車部隊。
● ルック部隊。
● ビショップ部隊。
● ナイト部隊。
・・・
こんな名称で申請する部隊いるのかな?
・・・
一応これは雛形として・・
カッコいい名前や自分達で決めたい名前などあれば別途申請できる、
重複や度を過ぎた意味不明な名前等を除き基本希望通りとした。
ある程度の階級の見本が出来たので各種族に雛形を送り反応を待った、
すると・・各種族からほぼ同時に返信が来た。
「当面はこれでいきましょう!」
あっさり採用となった。
これで自由となった俺は部屋を出る・・またメイドさんに戻された、
もう階級は決めたんだから自由行動でもいいはずだが?
「コウさんが夜遊びをしないよう監視を厳命されていますから・・」
・・・
それってひどくない?
俺は一応・・妻をもつ節操ある亭主だぞ!
手当たり次第女性に手を出すことはしないぞ!
俺は必死に訴えるが・・メイドさんは冷めた目でこう一言!
「相手方が口説いてきたらコウさんは断りきれないので・・」
・・・
俺は観念して・・部屋に戻りふて寝した。
その頃・・
ブラックエンジェルたちは秘かに行動していた、狙うのは拳銃らしい、
ギルドの一部の事務員が彼女達の同志として活動しているようだ、
しかし・・この事実をアズミ達ギルドの幹部は一切知らなかった。
それもそのはずで・・
一部の事務員はその昔ギルドの結成前から北東の大陸で生活していた、
彼女達はブラックエンジェル達が変装した海賊に襲われ逃げてきた、
それを知らない北東の大陸の住民は彼女たちを受け入れてきたのだ。
俺達の世界で例えると・・「里入り忍」のような感覚かな?
これは先で敵になりそうな領地に自分達の部下を送り込む一つの手段だ、
何事も無ければそのままその地に住んで・・寿命を全うすることもある、
だが有事になれば活動を始め敵にダメージを与えるというものだ。
それらの事務員は拳銃を支給された後・・
自分の部屋などで秘かに解体し・・
その構造や原理、必要な部材をイラストにして仲間の元に送っていた、
スマホの写真等はデータとして残るので調べられたら危ない、
そのため手間でも手書きとして・・それらを送っていた。
そうして・・・
ブラックエンジェル達は・・・
秘かに拳銃を生産していた。