表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
132/792

東の大陸への列車運搬と裏の世界への入り口




ルーム国の列車工場では新型高速列車が10両ほど並んでいた、

このうちの3両をルーム国で使い残りを東の大陸に運ぶ予定だ、

ただルーム国は広島県位の大きさなのに・・高速列車が要るのか?



「新型はその都度ルーム国でテストを行った後に各地に送る予定です、

ただ先で欠陥が出るかもしれないので検査の為一部を残すのです」



納得。



ちなみに線路幅は各大陸共通なのでそのまま走行できるのだが・・、

西の大陸は長距離区間だけ高架橋で他は地上路線のままにしてある、

各地のサーベルタイガーが列車の警備で乗り降りするからである。



その一部始終を見てきた6天王のベアトリスから・・



白の大陸では危険を抑える為に全線高架橋での開通を希望してきた。



大きな理由として・・



まず列車そのものを知らない種族が多いのでかれるそうだ、

それと山が多いので適度な高さで線路を通さないとヤバいらしい。



それを聞いて・・



俺は隣にいた6天王のサマンヌに尋ねる。



「何がヤバいんだ?」



「地上路線だと洪水や土砂崩れ、魔獣の襲来が頻繁にあるからよ」



なるほど!



そうなると・・木人形・・いやライアン達の作業が相当増えそうだな。




「孫よ心配するな!我らが駆けつければ一か月程度で開通出来るぞ」




頼もしいヘイゾウお兄さまたちだった。



俺達と高速列車は港に移動、そこには第1艦隊が待っていた、

戦艦モンタナ・アリゾナ・オクラホマが沖合いで待機している、

港では航空母艦3隻が入港済み、新型列車の積み込みを始めた。



今回は航空母艦ホーネット・レキシントン・ヨークタウンの3隻を使う。

これらの艦載機は全部降ろされ新型列車関連の輸送専門で使うことにした、

その代わり航空支援として第4艦隊より瑞鶴・翔鶴が応援に来ていた。



ふと鍾乳洞ドック方面を見ていると・・



「ワァ~~ワァ~~!!!」



湾岸では数多くの整備士が生まれ変わった2隻に激励を送っている。



そうして・・



一度は解体された重巡洋艦クインシ―と駆逐艦ルースが出てきた、

共に新型装備を満載していて・・艦体電撃防御機能も備えている、

外観も一新し、今までとは比較にならない位パワーアップしていた。



ちなみに大和・武蔵・信濃・紀伊は今回お休み、ドックで集中整備に入る、

新たな装備の設置や・・各艦長に合わせての魔法整備も同時に行うそうだ、

特に大和武蔵は艦長が代わったので新たに調整が必要となったからだ。



それと信濃だけは現艦長の篠崎紗由美しのざきさゆみがそのまま就任となった、

彼女の多彩な攻撃と驚異の戦闘力を各種族も認めていて就任を支持している、

本人も信濃艦長就任を希望していたので引き続き艦長に任命した。



紀伊と信濃も大幅な整備を受けるため艦長のタケシとサユミもお留守番、

ライアンたちと相談しながら調整を手伝うようでドックに籠っている。



他にも西の大陸方面から第3艦隊配属の戦艦伊勢・日向が応援に駆け付けた、

スノードラゴン達が留守番の為特級ガルーダのソフィアとシルフィが同行する、

しばらく第3艦隊には第6艦隊の長門と陸奥が交代で応援に入るそうだ。



2時間後・・・



新型列車の積み込みが終わり3隻の航空母艦が港から沖合いに移動、

重巡クインシ―を先頭、その後ろに駆逐艦ルースが後に続く、続いて・・

ルースの左右後ろに戦艦伊勢と日向、さらに航空母艦瑞鶴と翔鶴が続く。



瑞鶴と翔鶴の間にホーネット・レキシントン・ヨークタウンが並ぶ、

その左右に戦艦アリゾナとオクラホマ、最後尾に戦艦モンタナが続く、

列車を積み込んだ空母3隻を守るためにほぼ囲んだ陣形で巡航する。



列車を積んだ空母はスピードが出せないので日程は少し多めにしている、

大体ルーム国から東の大陸までは2日位で到着するのだが・・

今回は3~4日かけて運搬することとなった。



途中何度か野良の魔物に遭遇したがクインシーとルースが追い払った、

空を飛ぶ魔物もいたが・・それらは天使族を見ただけで逃げていった、

気になるのはエニウェアドラゴンだが・・



レーダーで10頭程度の群れを見つけたがこちらには来なかった、

どうやら狩りの最中だったらしくクジラのような魔物を捕らえていた、

向こうもこちらに気付いたようだが・・お互い距離を取り交戦を避けた。



人工衛星でエニウェアの動きを探っていたが漆黒の大陸は黒雲で見えない、

ただかすかに・・その先に何かありそうな風景がチラリと見えた、

すると・・モンタナに乗っていたギルドのケイジがある言葉を発する。



「あれは・・もしかして・・ここにも裏の世界の入口が・・・?」



「なに?なんなんだそれは?」



隣にいたデーヴィドがケイジに尋ねる。



「あっ・・いえいえ独り言ですよ、気にしないでください」



「そうはいきません、詳細を話しなさい!」



クリスティーナと雑談していた6天王のアヤカがケイジに詰め寄る、

ケイジはアヤカの貿易担当でもあるのでアヤカには頭が上がらなかった、

何とか誤魔化そうとするケイジだったが・・アヤカが徐々に怒り出した。



「誤魔化してもダメよ!殴られたくなければ答えなさい!」



「・・・」



ひたすら黙ろうとするケイジの胸ぐらをつかむアヤカ、そしてデコピン・・



「何を隠してるの?次は容赦しないわよ!」



「ひっ・・ひい・・・」



・・・



「おやめください!」



シェーヴルが間に入ってケイジを庇う。



すると・・他のギルド達がケイジの前に立ち・・アヤカに言う。



「わかりました、ご説明します、幹部たちをお集め願います」



「わかったわ」



モンタナから各艦の幹部招集の緊急連絡を送信、俺は戦艦伊勢にいた、

久しぶりに特級双子ガルーダのソフィアとシルフィと雑談、ちなみに・・

天使族のサマンヌとアリーゼも双子なので意気投合していた。



彼女達との雑談は昨夜からで・・4人は俺に異世界の話を聞きまくる、

特に興味があったのはジーンズやワンピースなど洋服関連が多かった、

それならばと・・俺はサマンヌ達の駅内にデパート建設の提案をしていた。



ただ・・



ほとんど徹夜なので眠たい眠たい、だが彼女達は平気な顔をしている、

あくびばっかりの俺はウトウト・・シルヴィのスマホに緊急メールが来た。



「あら?幹部全員戦艦モンタナに集まるよう連絡が来たわ」



「何かしら?エニウェアは漆黒の大陸に帰ったはずよ?」



「何か新たな情報が入ったのかも・・」



「そうみたいね、とりあえず行ってみましょう!」



「ああ気をつけてな、俺は眠いから伊勢の寝室で昼寝をしておく」



・・・・



!!!!



俺の頭には4つのたんこぶが出来て・・



サマンヌとアリーゼが左右から俺の腕を抱きかかえモンタナに向かう、

両手に花なのは嬉しいが・・それ以上に眠いので移動中ウトウト・・、

シルヴィとソフィアはモンタナからの送迎ヘリで移動している。



・・・



何故俺はヘリで移動させてもらえなかったのかな?



「ヘリに乗ると真っ先に寝るからよ!」



納得。



各艦の幹部がモンタナの会議室に集まり円形状の机に座る、俺は・・

アリエノールから強烈な目覚まし魔法をかけられ・・



お目眼ぱっちり!




ただこの魔法は・・3日間眠れなくなるそうだ。



・・・



深く考えるのはやめることにした。




ただ・・



ギルド達を見るアヤカの雰囲気が半端ない、かなり怒ってるようだ、

どうやら彼女達にも内緒のことらしい、アズミまで冷や汗だ。



・・・



ここでデーヴィドがケイジに尋ねる。



「裏の世界とか言ってたな、それはどういう意味なんだ?」



・・・



代わりにアズミがデーヴィドの質問に答える。



「北東の大陸の北の先・・白の大陸から見て反対側に・・ある門があるの、

その先には・・あくまで推定だけどこの世界と同じ位の世界があるのよ、

私達は裏の世界と言ってるけど・・向こうはこっちが裏だと言ってるわ」



「えっ?それはどういう事よ」



「門の先にはいくつもの王国があってね、私達そことも貿易しているの、

前に魔族の子のメイド服欲しがってたでしょ?そこに売るつもりだったのよ」



「王国と言ってたな・・なら人間社会なのか?」



「そうね、私達の世界で例えるなら中世ヨーロッパの感覚かしら?

こちらだと白の大陸の首都が似ているわ、でも規模は少し小さいかな?

それが大小各地にあるらしいわ、私は見た事ないけどね」



ここでクリスティーナがアズミに尋ねる。



「あちらの方々は・・こちらの世界の詳細を知っているのですか?」



「ある程度わかっているようね、ただドラゴンが怖いから来ないだけよ、

さらに強い魔物がたくさん居るから来るのを躊躇してると言ってたわ、

本当はこちらに来て各地を冒険したいそうだけど・・」



「アズミ尋ねたいことがある、その世界と結ぶ門は複数あるのか?」



「あるんじゃないかな?私が担当してるある王国の使途が言ってたわ、

たしか・・北東の大陸の傍とフェニックスの島、それと漆黒の大陸かな?

この3か所には確実にあるみたいだけど・・」



「なんだと!」



モンタナの会議場は・・



一気に緊張の空気に覆われた。












評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ