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試作の高速列車の試験運行と天使族達の紙幣提案





会議終了後俺達とギルド達は貿易に関しての話し合いをする、

まず白の大陸と東の大陸との境にある結界をどうするかだ、

これを完全解除するか一部のみにするがで賛否が分かれた。



ちなみに東の大陸から北東の大陸に行くには大幅な迂回となる、

さらに途中の海域は巨大な渦潮も多く航行はほぼ不可能らしい、

大和クラスでも難しいらしくこの海域の通行は断念した。



アズミが提案した「新幹線」に関しては既に開発が進んでいた、

500系新幹線を見本にして試作車両が数台完成しているそうだ、

本来は西の大陸の長距離区間の時間短縮に使おうと考えていたらしい。



ここでヤマダさんがある提案をする。



「エニウェアの驚異がある以上結界の全解除は賛成できません、

私としては新型列車だけが結界内を通れるようにしたらどうかと・・

そうすれば万一どちらかに危機が及んでも敵の進攻を阻止できます」



ヤマダさんが簡単なイラストを描いて説明してくれた、それは・・

例えるなら山陽新幹線のようでトンネルを多数開通させそこを通る、

結界の中にトンネルを造りそこだけ自由往来できる仕組みだ。



さらに全区間レンガや岩石などで高架橋を造り地上から距離を取る、

現地に住む各種族に迷惑がかからないよう橋の下は通れるようにする、

駅なども高架にして洪水対策等にしたらどうかと提案してくれた。



俺はこれを見て・・



レティシア達に結界の一部を操作出来ないか尋ねた。



「6天王が全員揃っているから余裕よ~~!」



そしてアトラス達にも尋ねた。



「それは可能だ、列車が通る程度の穴なら俺だけでも出来る」



ヤマダさんの案は採用されることとなった。



ちなみに海路に関しては今迄通りとして監視員を置くことにした、

エニウェアの備えと・・監視の仕事を熱望してる部下が多いそうだ、

結界の近郊を飛び回ることで運動不足を解消できるらしい。



・・・



それに関してはノーコメントとした。



続いて各駅の設置場所を決める、6天王の重要都市を改めて聞いた、

アヤカ達は海沿いの街と北東の港、ベアトリスとレティシアは首都、

これらの都市と港を環状線とし複線で開通してほしいと熱望している。



複線?



単線でも十分だと思うが・・



「白の大陸は種族も多いのよ!列車が開通すれば皆列車に乗るわ、

それに輸送も兼ねるんでしょ?便数が多くなれば単線では不足よ!」



なぜかベアトリスが血気盛んになり俺に直に訴えてくる。



確かに一理ある!



だが俺は・・



6天王やその重鎮たちが気分転換の旅行三昧で使うと思うのだが・・



それを尋ねると・・全員目線を逸らしていた。



「そ・・そんなことはないわよ、配下のためなんだから・・」



「そうそう!!迷惑かけた配下達の為にしっかり稼がないとね!」



・・・



深く追求することはやめることにした。



ただ簡単に言うが・・あれだけの広大な地で複線開通出来るのか?

山も多いからトンネル作業だけでも相当大変だと思うが・・



・・・



その心配は不要だった。



「孫よ何を不安がってる?わしらの力があれば一か月で出来るぞ?」



頼もしいお祖父ちゃんたちだった。



ちなみに西の大陸の長距離区間に関しては既に複線で高架化されていた、

新型車両の試運転も何度か行い最高時速300km以上を達成している、

今迄に比べ大幅に時間短縮が実現してドワーフ達が盛んに利用していた。



それならばと・・



西の大陸に向かい・・新型車両に乗ってみることにした。



「ご乗車ありがとうございます。これより発車いたします」



身体の大きい種族・・ケンタウルスなどの対応の為か座席が大きい、

俺は前の世界で普通席しか乗ってなかったので余計に大きく感じる、

たぶんグリーン席より大きいとは思うが・・



「あ~~この席グリーン車より大きくて快適だわ~~!」



アズミが前の世界のグリーン車席の感覚をしっかり覚えていた。



進行方向に席が並び正面のドアの上に電光掲示板が備わっている、

前の席のヘッドレストに9インチ位の画面があり前方を確認できる、

おそらく魔物を監視・・でなく単純に景色を見るためのものらしい。



「お飲み物はいかがですか?」



メイドの格好をした魔族の女性がカートを押して飲み物を持ってきた、

その姿を見てギルドの女性陣は過剰に興奮している・・なぜなんだろう?

そっとアズミに尋ねてみたが・・



「メイド服はとても高く取引されているのよ、あれは特に高く売れるわ、

彼女達の取引先に王城が多いからね、そこに売り込もうとしてるのよ」



・・・



「ねえねえ!このメイド服どこで買ったの?教えて教えて!! 」



「えっ?これは支給してもらったもので・・」



「ええ!!これを支給してもらえるの?いいな~~譲って!」



「えっ?これを渡すと私裸になるんですが・・」



「なら着替えてからでもいいわ!お金は出すから!!お願い!」



「えっ??ええ~~??」



・・・



商売根性相当高そうだな・・



・・・



それはいいんだが・・・



・・・



頼むからメイドさんの服を買おうとする行為はやめてくれ・・



それと・・・



レティシア達はなんで対抗心を燃やしてるのかな?



何かブツブツ言ってるが?



・・・



「あんな小娘よりかは私が着た方が絶対似合うわよ!」



「ほんとにね、あの小娘の服引っぺがそうかしら?」



「それがいいわね!あの小娘には宝の持ち腐れよ!」



天使族達の陰口が・・



というか・・はっきり聞こえる陰口に怯えるメイドさん・・




「えっ???えええええええ??」




・・・



メイドさんめちゃめちゃ顔が引きつっているけど?



・・・



俺はメイドさんから急ぎ飲み物を貰い皆に配ってその場を収めた、

メイドさんは急ぎその場を去り・・それ以降姿を現さなかった。



・・・



ご迷惑をおかけしました!



ちなみにサーベルタイガーも専用シートに座って・・と言うか寝ていた、

かなり快適らしく爽やかな顔でいびきをかいて熟睡していた。



・・・



きちんと警備しているのかな?



「ガァ~~ゴォ~~~~!!」



・・・



深く追求するのはやめることにした。




ピンポンポンポ~ン!!




「ご乗車いただき誠にありがとうございます、当列車はこれより・・

ドワーフの村駅に到着いたします!」



列車はドワーフの村駅に到着、所要時間は約2時間半位かな?

思ったよりも早く快適に到着したな、これなら白の大陸でも使えそうだ。



・・・



ドワーフの村・・というか街になっていた。



・・・



驚きの連続はまだ続く、港は大型化され劇場や映画館まである、

ドワーフだけでなくミノタウルスやケンタウルスたちも住んでいた、

それらがセンスのいい服や鞄を持って街を歩いていた。



・・・



一気に近代化しているな。



これを見たギルドたちや天使族達は眼を輝かせて街を歩いている、

どうやら街では物々交換で物のやりとりをしているようだ、ただ・・

金の延べ棒のような物で交換しているようだが・・



迎えに来た馬車が・・というかケンタウルスが引いている車で移動する、

俺達はドワーフの長老の家に出向き・・盛大な歓迎を受けた!



「よく来てくれました!さらに通貨の導入感謝いたします」



「はい?」



「我らドワーフとミノタウルス、ケンタウルスは通貨を待っていました、

なにせ物々交換だと重くて手間が多くて正直厄介だと思っていたのです、

どうか北の大陸だけでなく西の大陸でも通貨を使わせてください!」



そうなのか?



ここで魔族のアミーが説明する。



「西の大陸でも通貨の導入を希望する種族は沢山います、が・・

木人形さんたちの支給品はお金では買えない貴重な物ばかりです、

なので支給品以外は金などで通貨の代わりとして使っているんです」



「支給品以外?」



「例えば狩りなどで取れる魔物の肉や毛皮等です」



なるほどな・・



「どうか北の大陸より先に通貨を使わせて頂きたいのです、

我らが問題なく使えばルーム国等の方々も受け入れてもらえるはずです」



それは構わないが・・



問題はどの通貨を使うのかな?



俺はアズミに通貨の種類を尋ねた。



「私達と天使族が使っている通貨は共通よ、ただ少し違うけどね」



「どう違うんだ?」



「天使族は金銀銅貨だけだけど私達は銭貨や紙幣も発行しているの、

銭貨は・・そうね例えると1円から500円位の単位で発行してるわ、

紙幣は大体1000円から1万円位かな?」



「俺達の世界と合わせているのか?」



「そうよ!その方が計算も早いし教えるのも見易いから導入したの、

紙幣はギルドが責任持って交換するから他の種族も利用してるわ、

もしよかったら紙幣を提供するけど・・どうかしら?」



「それはいいかもしれないな、新たに造るよりかは手間が省ける・・」



「ちょっと待って!紙幣の提供は天使族に任せてくれる?」



俺達の会話に割り込んできたのはベアトリスだった、ただ・・

天使族は金銀銅貨だけのはずだが?



「天使族がギルドより高品質な紙幣を新たに造ります!」



「出来るのか?」



「もちろん!」



ベアトリス達6天王は・・



自信満々な顔をしていた。



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